日産GT-Rの中古車相場は上昇傾向が続いており、R35だけでなくR34も、良質な個体を中心に今後さらに高値となる可能性があります。
新車で買えなくなったGT-Rを「中古なら少し安く買えるかも」と考えている方には、なかなか厳しい状況です。
R35型GT-Rの中古車平均価格は、2021年4月の約914万円から2022年4月には約1300万円を突破し、2025年春時点では約1560万円まで上昇しました。さらに2026年1月時点の別の中古車市場データでは、全年式平均が約1771万円とされています。
一方、R34型スカイラインGT-Rはさらに強烈です。2024年時点で中古車平均価格が約2800万円とされ、2026年の掲載物件では2000万円台から4000万円台の車両も確認されています。
ただし、「GT-Rなら何でも値上がりする」と考えるのは危険です。今後は車種全体の平均相場以上に、年式、グレード、走行距離、修復歴、改造歴、整備記録などによる価格差が広がっていくと私は考えています。
日産GT-Rの中古車相場はなぜ上昇している?
日産GT-Rの中古車相場が上昇している最大の理由は、欲しい人がいる一方で、新しく供給される車がなくなったことです。
R35型GT-Rは2007年に登場し、約18年にわたり改良を重ねながら販売されてきました。しかし新規注文受付を終え、2025年8月には長い生産期間に幕を下ろしました。
つまり今後の中古車市場では、基本的にすでに存在しているGT-Rを購入希望者同士で取り合う構図になります。
ベストカーが2025年5月20日に公開した記事によると、R35型GT-Rの中古車平均価格は2021年4月時点で約914万円でした。
それが2022年4月には約1300万円を突破し、2025年春ごろには約1560万円まで上昇しています。単純計算では、4年ほどで約1.7倍になったことになります。
もちろん平均価格には高額なNISMOやスペシャルエディションなども含まれるため、「普通のGT-Rが全部1560万円」という意味ではありません。
しかし重要なのは、価格上昇が特別仕様車だけで起きているわけではない点です。標準グレードも価格が大きく下がらず、むしろじわじわと上昇しているとされています。
2026年1月時点の別の市場データでは、R35を中心としたGT-R全年式の中古平均価格は約1771万円とされ、2024年式では2000万円前後、中には4000万円程度の個体も確認されています。
中古車ですから集計方法や掲載車両によって平均価格は変わりますが、少なくとも「生産終了したから安い中古車が増える」という流れにはなっていないことは読み取れます。
車好きとしては少し寂しいところです。普通の車なら年数が経つほど値下がりを期待できますが、GT-Rはその常識が当てはまりにくい車になっています。
R35型GT-Rは今後さらに高騰する可能性がある?
R35型GT-Rについては、すべての中古車が一斉に急騰するというより、程度の良い個体から少しずつ値上がりしていく可能性が高いと考えられます。
ベストカーの記事では、生産終了後の相場について「平均1500万~1700万円ほどで長く推移する」という展開も考えられる一方、コンディションの良い車両は年を追うごとに値上がりする可能性が高いと分析しています。
これはかなり現実的な見方だと思います。
GT-Rは飾っておくだけの模型ではありません。走れば機械部品は摩耗しますし、走らなくてもゴムや樹脂、油脂類などは時間とともに劣化していきます。
そのため10年後、15年後になれば、「R35そのものが希少」なのではなく、状態の良いR35が希少になっていきます。
ここが中古車価格を見るうえで大切なポイントです。
特にT-specやNISMO、限定性の高い仕様、低走行車、ノーマル状態に近い個体、整備記録がしっかり残っている車両などは、一般的なGT-R以上に評価される可能性があります。
逆に走行距離がかなり多い車両や、購入者を選ぶ大幅な改造が施された車両、履歴が分かりにくい個体については、GT-R全体の相場が上がっても同じように高騰するとは限りません。
ベストカーの記事でも、一部の過走行車や好みの分かれる改造車については、将来的に総額400万円台になる可能性まで否定していません。
つまり今後のGT-R相場を見るなら「平均価格が何万円上がった」という数字だけを追うより、どんなGT-Rが残っているのかを見ることのほうが重要になりそうです。
日産GTR34の中古車はすでに2000万~4000万円級も
日産GTR34、正式にはR34型スカイラインGT-Rの中古車市場は、R35よりさらに特殊な世界に入っています。
R34型GT-Rは1999年から2002年に販売され、新車当時の価格は約499.8万~630万円でした。
ところが2024年4月時点で、ベストカーが紹介した中古車平均価格は約2800万円。新車価格を大幅に上回っています。
R34 GT-Rの総販売台数は約1万1000台とされ、もともとの台数が多くありません。
さらにVスペックIIやMスペックのニュルといった希少仕様で、走行距離が極端に少ない車両になると、当時の記事では総額6000万円以上になる例も珍しくないとされていました。
2026年の中古車掲載例を見ても、その高値ぶりは明確です。
たとえば2000年式、走行約1.3万kmのGT-R Vスペックが総額4590万円、2001年式・走行約2.9万kmのVスペックIIが3315万円、別のVスペックIIでは4000万円を超える掲載例があります。
一方で、2000年式・約5万kmのフルノーマル車では総額約2199万円という掲載例もありました。
もちろん中古車の掲載価格は、その金額で実際に売買が成立することを意味しません。また販売店によって車両状態や保証内容、整備内容も異なるため、単純比較はできません。
それでも2000万~4000万円台の値札が珍しくなくなっている事実を見ると、R34型GT-Rが一般的な「中古スポーツカー」ではなく、コレクター市場に近い存在になっているのは間違いないでしょう。
R34 GT-Rが高騰した背景にある「25年ルール」と海外人気
R34型GT-Rの価格上昇を考えるうえで欠かせないのが、北米を中心とした海外需要です。
特に知られているのが、アメリカのいわゆる「25年ルール」です。
アメリカでは一定の条件のもと、製造から25年経過した車両について輸入規制上の扱いが変わるため、1990年代から2000年代初頭の日本製スポーツカーに海外から強い注目が集まってきました。
1999年に登場したR34型GT-Rも対象年代に入り、海外需要がさらに価格を押し上げる要因になっています。
R34は海外での知名度も非常に高い車です。映画『ワイルド・スピード』シリーズへの登場などによって、もともと日本車に詳しくなかった層にも存在が広く知られるようになりました。
かつて500万円台で販売されていた国産スポーツカーが、現在では数千万円級。この変化は日本国内だけの人気では説明しにくく、世界規模で欲しい人が増えた影響を無視できません。
そして国内の購入希望者にとって厄介なのが、海外へ輸出された車は国内中古市場から減ってしまうことです。
需要が増えながら国内供給が減れば、価格には上昇圧力がかかります。
私はここがR35との大きな違いだと感じています。R34はすでに「古くなった中古車」ではなく、世界的に価値が認識された日本のネオクラシックカーになっています。
だからこそ、「もう十分高いから、そろそろ大きく値下がりするだろう」と単純には考えにくいのです。
GT-Rだけではない、国産スポーツカー全体で進むプレミア化
GT-Rの中古車価格高騰は単独で起きている現象ではありません。
初代ホンダNSXは、2025年春時点で約50台が流通し、平均価格は約1100万円とされていました。MT車の良質な個体では総額1500万円以上になるケースも多いとされています。
2代目NSXも流通台数は約20台と少なく、平均価格は約2700万円。レクサスLFAに至っては流通自体が数台程度で、価格表示が「応談」とされる車両が中心でした。
2026年1月時点の中古市場データでは、国産スポーツカーの価格帯は次のように紹介されています。
- NSX:約768万~5900万円
- スープラ:約198万~1580万円
- RX-7:約378万~1370万円
- フェアレディZ:約36万~1177万円
- ランサーエボリューション:約133万~930万円
- インプレッサWRX STI:約64万~930万円
車種や世代によって価格差は大きいため単純比較はできませんが、1990年代から2000年代の国産高性能車が「古いから安くなる」という従来の中古車市場とは違う動きをしていることは分かります。
特にMT車、純ガソリンエンジン、特徴的なエンジン、少ない生産台数、モータースポーツとの関係といった要素を持つ車は、海外を含む愛好家から評価されやすい傾向があります。
GT-Rはその中心的存在です。
R35も生産を終えたことで、これまでの「現行型スポーツカー」という立場から「もう新車では増えないGT-R」へ変わりました。
この変化は中古価格にとって小さくありません。
GT-R中古車を買うなら「値上がりするか」だけで選ばない
ここからは私見ですが、GT-Rを購入する際に一番避けたいのは、「これから値上がりしそうだから」という理由だけで無理な予算を組むことです。
GT-Rは購入価格だけで終わる車ではありません。
R35型では年間維持費の目安として約100万~180万円という試算もあり、タイヤ、保険、燃料、車検、メンテナンスなど一般的な乗用車より大きな費用が必要になる可能性があります。
参考データでは純正タイヤ4本で約40万円、自動車税は年6万6500円、車検費用は2年で20万円程度という例も挙げられています。
燃費についても実測7km/L前後という目安があり、年間走行距離が多ければ燃料代も無視できません。
高額な中古車ほど「買える金額」と「維持できる金額」は分けて考えるべきでしょう。
また、数千万円級のR34 GT-Rとなれば、価格だけを見て安い車を探すより、修復歴、整備履歴、エンジンや駆動系の状態、ボディの腐食、純正部品の有無などを確認することが重要です。
スポーツカーでは過去にサーキット走行や大幅なチューニングを経験している車もあります。
中古GT-Rを選ぶなら、私は「一番安い個体」より「あとから履歴を説明できる個体」のほうがお得だと考えます。
購入時に100万円安くても、購入後に大規模な修理が必要になれば差額は簡単に消えてしまいます。
これは投資の話ではなく、カーライフとしてGT-Rを楽しむためのコスパの話です。
今後のGT-R中古車相場をどう考える?
個人的には、R35型GT-Rについては短期間ですべての個体が一気に2倍、3倍になるというより、良質車とそれ以外の価格差がさらに広がる展開を予想しています。
生産が終わった以上、低走行でノーマルに近く、きちんと整備されている個体は時間とともに減ります。
その一方で、「GT-Rに一度は乗ってみたい」という需要がすぐに消えるとも考えにくいでしょう。
その結果、上質な標準グレード、T-spec、NISMOなどは高値を維持しやすく、希少仕様についてはさらに上昇する可能性があります。
R34については、すでに価格の絶対額が非常に高いため、今後ずっと一直線に上昇すると断定することはできません。
為替や世界景気、コレクター市場、海外需要などによって相場が調整される局面は十分あり得ます。
ただ、R34そのものの台数が今後増えることはありません。
さらに事故や劣化、海外流出によって状態の良い国内在庫は減る可能性があります。そのためフルノーマルや低走行、ワンオーナー、整備記録の充実した車などは、相場全体が横ばいになっても高い評価を受け続けると考えられます。
ここで注目したいのは、今後は「車種名」より「個体の履歴」が価格を決める時代になるという点です。
同じR34 GT-Rでも1000万円台、2000万円台、3000万円台、4000万円台と大きく価格が異なるのは、グレードだけでなく走行距離や状態、オリジナル度などが強く評価されているからです。
R35も生産終了から年数が経つにつれて、同じ道をたどる可能性があります。
私自身、コスパを重視して車を選ぶなら、「値上がりする前にとにかく買う」という考えには慎重です。
一方、本当にGT-Rが好きで長期間所有したい人なら、相場が大幅に下落することだけを期待して何年も待つより、予算と維持費の範囲で状態の良い車を探すほうが現実的かもしれません。
中古車は同じ条件の一台が次に出てくる保証がないからです。
まとめ
日産GT-Rの中古車相場は、R35、R34ともに高値圏にあります。
R35型GT-Rは2021年4月の平均約914万円から、2022年4月には約1300万円を突破し、2025年春には約1560万円まで上昇。2026年1月時点の別データでは全年式平均約1771万円という数字も示されています。
R34 GT-Rはさらに高く、2024年時点で平均約2800万円。2026年の中古車掲載例では2000万円台から4000万円台の車両が複数見られ、希少モデルや低走行車ではそれ以上になるケースもあります。
背景には、生産終了による供給の固定化、海外需要、25年ルール、国産スポーツカー全体のプレミア化があります。
今後も高騰する可能性はありますが、すべてのGT-Rが同じ割合で値上がりするとは限りません。
特に重要になるのは、走行距離、修復歴、整備記録、改造内容、オリジナル度、グレードといった「個体差」です。
購入を考えている方は、相場上昇に焦って焦るより、「自分が維持できる価格か」「その個体に価格相応の価値があるか」を冷静に見るのがおすすめです。
GT-Rがこれから単なる中古車ではなく、ますます希少な趣味車になっていく可能性は高いでしょう。その一方で、車は実際に乗り、維持して初めて楽しめるものでもあります。
価格チャートだけを見るのではなく、自分がGT-Rとどんなカーライフを送りたいのかまで含めて判断することが、結果として一番後悔しにくい選び方だと私は考えています。
よくある質問
日産GT-Rの中古車相場は今後さらに上がりますか?
上昇する可能性はあります。特にR35は生産が終了して新たな供給が増えないため、低走行車やノーマル車、NISMO、T-specなど評価されやすい個体は高値を維持しやすいと考えられます。
ただし景気や為替、海外需要によって相場は変動するため、必ず値上がりすると断定することはできません。
R34 GT-Rの中古車はいくらくらいですか?
2024年時点では中古平均価格が約2800万円とされていました。
2026年に確認された掲載例では、約2200万円の標準GT-Rから3000万~4000万円台のVスペック系まで幅広く、状態や走行距離、グレードによって非常に大きな差があります。中古車価格や在庫は常に変動するため、購入時には最新情報の確認が必要です。
GT-Rは今買ったほうがいいのでしょうか?
本当に所有したい人で、購入後の維持費まで無理なく負担できるのであれば、良質な個体を探し始める意味はあります。
ただし値上がり期待だけで購入するのはおすすめしません。GT-Rはタイヤ、保険、燃料、整備などの維持費も大きいため、車両価格だけでなく総保有コストまで考えて判断することが大切です。
ソロ(そろ)/新車・カーライフ愛好家









