日産エルグランド新型のグレード構成を解説|VIP・オーテック・4人乗り・8人乗り比較

日産エルグランド新型はX・Gを軸に、AUTECHやVIPなどを展開しますが、現時点では全車7人乗りで、4人乗り・8人乗りは設定されていません。

新型エルグランドのグレード選びでは、価格だけでなく、後付けできない装備や乗車定員の違いを契約前に確認することが重要です。

日産エルグランド新型のグレード構成はどうなっている?

日産エルグランド新型は、標準モデルの「X」と上級モデルの「G」を基本に、個性や用途に合わせた派生モデルを加えた構成です。

報道されている主なラインアップは、X、G、AUTECH LINE、AUTECH“G-spec”、AUTECH、VIPの6グレードです。これに、乗り降りを補助するロングステップを備えた「ステップタイプ」も用意されます。

重要なのは、グレードが増えても、パワートレーンと駆動方式には大きな差がないことです。

全車が1.5L直列3気筒ターボエンジンを発電専用に使う第3世代「e-POWER」と、前後モーターを緻密に制御する電動4WD「e-4ORCE」を搭載します。

つまり、従来のミニバンのように「安い2WDか、安心感のある4WDか」「ガソリン車かハイブリッド車か」で迷う必要はありません。どのグレードを選んでも基本的な走行システムは共通です。

発電用エンジンは最高出力140ps、最大トルク228Nmとされ、走行用モーターは前輪側が205ps・330Nm、後輪側が136ps・195Nmを発生します。

さらに、走行状態に合わせてショックアブソーバーの減衰力を変える「インテリジェントダイナミックサスペンション」も全車に採用されています。

そのため、新型エルグランドのグレード選びは、走行性能の優劣よりも、内装、快適装備、外観、後席の使い方にいくら払うかを考える作業になります。

主なグレードの特徴を整理すると、次のようになります。

グレード 主な特徴 向いている人
X 価格を抑えた基本グレード 必要な装備を選んで付けたい人
G 快適装備を充実させた上級グレード 家族利用と快適性を両立したい人
AUTECH LINE スポーティな専用外装と内装 見た目に個性が欲しい人
AUTECH 専用ナッパレザーや専用意匠を採用 上質さとスポーティさを求める人
VIP 後席重視の最上級仕様 送迎、法人利用、後席でくつろぎたい人
ステップタイプ 助手席側に電動ロングステップを装備 高齢者や子どもの乗降を助けたい人

車両価格は標準グレードのXが689万7000円、Gが757万9000円とされています。カスタムモデルを含めると、ラインアップ全体では689万7000円から869万円台です。

メーカー希望小売価格は参考価格であり、特別塗装色、メーカーオプション、ディーラーオプション、税金、登録費用、保険料、リサイクル料金などは別途必要です。


日産エルグランド新型のXとGは何が違う?

新型エルグランドの標準車で迷ったら、まずXとGの違いを確認しましょう。

Xは689万7000円、Gは757万9000円で、価格差は68万2000円です。どちらもe-POWERとe-4ORCEを搭載するため、動力性能や駆動方式を理由にGを選ぶ必要はありません。

違いの中心は快適装備です。

Gには、通信機能を備えたインフォテインメントシステム、ETC2.0、後席専用モニター、100V・1500W電源コンセントなどが標準装備されます。

さらに、フロントシートとセカンドシートのベンチレーション、プラズマクラスター、リヤアンビエントライト、フットランプ、ハンズフリー機能付きスライドドアなどもG系の魅力です。

シートベンチレーションは、座面や背もたれから空気を送り、暑い時期の蒸れを軽減する機能です。高価なミニバンでは一見地味に見えますが、夏場には満足度を左右しやすい装備といえます。

Xにはシートベンチレーションが用意されず、購入後の純正追加もできないとされています。

また、BOSEプレミアムサウンドシステムや、一定条件下で高速道路走行を支援するプロパイロット2.0も、X系では選べない点に注意が必要です。

Xで選択できる主なメーカーオプションとして、インフォテインメントシステム、ETC2.0、後席専用モニターなどを組み合わせた約24万9700円の装備と、100V・1500W電源コンセントの約9万9800円が挙げられています。

この2つを付けるだけで約35万円です。

Xに必要なオプションを足していくと、Gとの実質的な価格差は小さくなります。数年後に売却する場合も、オプションを多く付けたXより、上級グレードとして分かりやすいGのほうが査定時に評価されやすい可能性があります。

一方で、ナビゲーションや後席モニターをあまり使わず、コンセントも不要なら、Xのほうが合理的です。

私なら、家族で長距離移動する機会が多く、夏場の快適性も重視するならGを選びます。逆に、運転席中心で使い、豪華装備を必要としないなら、Xに最低限の装備だけを付ける方法を検討します。

「安いからX」ではなく、付けたい装備を合計してから比較することが、新型エルグランドで損をしにくい選び方です。


日産エルグランド新型のオーテックは何が特別?

日産エルグランド新型のオーテックは、標準車を単に派手に飾ったモデルではありません。

NMC、正式名称「日産モータースポーツ&カスタマイズ」が手掛けるAUTECHは、「プレミアムスポーティ」を掲げるカスタムカーです。新型エルグランドではAUTECHブランドのフラッグシップに位置付けられています。

外観で目を引くのは、湘南・茅ヶ崎の海から着想を得た専用デザインです。

フロントグリルには海面のきらめきを表したドットパターンを採用し、フロントプロテクターにはシグネチャーLEDを組み込んでいます。

ボディ下部のメタル調パーツは波打ち際の白波をイメージしたもので、専用18インチアルミホイールには、AUTECHの「A」と海に差し込む光を連想させる意匠が与えられました。

専用装備は次のとおりです。

  • 専用フロントグリル
  • 専用シグネチャーLED
  • 専用フロント・サイド・リヤプロテクター
  • 専用18インチアルミホイール
  • メタル調フィニッシュのドアミラー
  • AUTECH専用エンブレム
  • 専用プレミアムナッパレザーシート

インテリアはブラックを基本に、AUTECHを象徴するブルーステッチを配置しています。

専用プレミアムナッパレザーシートには、波の穏やかな動きを表す「さざなみ」をイメージしたキルティングが施され、ヘッドレスト付近にはAUTECHの刺しゅうが入ります。

専用色としてディープオーシャンブルーが用意され、ミッドナイトブラックのルーフを組み合わせた2トーンも設定されています。AUTECHの世界観を最も分かりやすく味わえるボディカラーです。

一方、AUTECH LINEは、本格的なAUTECHよりも選びやすいスポーティ仕様と考えると分かりやすいでしょう。

ダークメタルグレーのフロントグリル、専用フロントプロテクター、専用アルミホイール、メタル調ドアミラーなどを採用し、ブラックのテーラーフィットシートで室内を引き締めています。

私見では、AUTECHは装備の損得だけで判断するグレードではありません。

専用グリルや内装のブルーステッチを見て「この雰囲気が好き」と感じる人が選ぶモデルです。標準Gでも走行性能は基本的に共通なので、外観や素材への追加費用に納得できるかが判断基準になります。

高級感だけを求めるならVIP、機能と価格のバランスならG、スポーティな個性を求めるならAUTECHという分け方が自然です。


日産エルグランド新型VIPは誰に向いている?

新型エルグランドVIPは、運転席よりも後席の快適性を重視した最上級モデルです。

2026年7月16日に発売されたVIP e-4ORCEの車両本体価格は869万8000円とされ、Gより約112万円高い設定です。

ただし、Gではオプションになる装備の一部が、VIPでは標準化されています。

VIPの主な装備は次のとおりです。

  • ダークメタルグレーの専用フロントグリル
  • VIP専用18インチアルミホイール
  • VIP専用エンブレム
  • ロングステップとステップイルミネーション
  • プレミアムナッパレザーシート
  • BOSE製22スピーカーサウンドシステム
  • 15.6インチ後席専用モニター
  • 高遮音ガラス
  • 後席用読書灯
  • VIP専用ブラックインテリア
  • ウェルカムイルミネーション

ロングステップは助手席側の前後ドアに連動して展開・格納され、ステップの踏面と足元の路面を照らします。

「ELGRAND VIP」の文字を路面に映し出すウェルカムイルミネーションも備え、乗り込む場面から特別感を演出します。

BOSE Premium Sound Systemは22スピーカー構成で、3Dサラウンド再生、オーディオゾーンコントロール、通話音ゾーンコントロールに対応します。

さらに、15.6インチのルーフ取付型後席専用モニターも標準装備されるため、後席中心で使う法人車や送迎車には相性のよい仕様です。

Gにロングステップ、高遮音ガラス、BOSEシステム、後席モニター、クリアビューパッケージなどを追加した場合を考えると、VIPとの差は額面の約112万円より小さくなります。

一部報道では、装備内容を差し引いた実質差を約40万2000円とする試算もあります。

もちろん、これはVIPの専用デザインや素材に価値を感じる場合の考え方です。家族で運転を交代しながら使う一般的なミニバンとしては、Gでも十分に豪華です。

なお、VIPの助手席側にはロングステップが装着されるため、助手席側スライドドアのハンズフリー機能が備わらない点にも注意が必要です。

VIPは「一番高いから一番おすすめ」というグレードではありません。

経営者や役員の送迎、家族のために後席環境を最優先する人、専属ドライバーが運転する用途など、後席に価値を置く人が選んでこそ満足しやすいモデルです。


日産エルグランド新型に4人乗り・8人乗りはある?

日産エルグランド新型には、現時点で4人乗りも8人乗りも設定されておらず、基本的に全車7人乗りです。

検索では「新型エルグランド 4人乗り」「新型エルグランド 8人乗り」と調べる人が少なくありませんが、乗車定員については誤解しやすいため注意が必要です。

7人乗りのシート配置は、1列目2人、2列目2人、3列目3人です。

2列目には左右独立型のセパレートシートを採用し、中央を通って3列目へ移動できるウォークスルー性を確保しています。

一方、従来型や一般的なミニバンで見られる2列目3人掛けのベンチシートは、現時点では用意されていません。そのため、8人乗りを必要とする家庭には適合しない可能性があります。

子どもを含めて常時7〜8人で乗ることがある人は、契約前に実際の利用人数を確認すべきです。

「年に数回だから何とかなる」と考えても、定員を超えて乗車することはできません。8人乗りが必須なら、新型エルグランド以外の車種も含めて検討する必要があります。

4人乗りについても、2026年モデルの正式なラインアップとしては設定されていません。

VIPという名称や、固定式の大型アームレストを備える後席重視の仕様に関する情報から、アルファードの4人乗り仕様のようなモデルを想像する人もいるでしょう。

しかし、現行の新型エルグランドVIPは7人乗りであり、4人乗りのショーファー仕様ではありません。

一部報道では、2027年度にVIPへ固定式アームレスト仕様が追加され、現在の可動式アームレスト仕様と入れ替わる可能性が伝えられています。

ただし、固定式アームレスト仕様が追加されても、それだけで4人乗りになるとは限りません。3列目シートが残れば、乗車定員は7人のままという可能性があります。

公式発表前の情報をもとに、「2027年度に4人乗りが出る」と断定するのは避けるべきです。

4人乗りを探している人は正式な乗車定員を、VIPを検討する人は2列目アームレストの仕様と発売時期を、それぞれ販売店で確認する必要があります。


グレード選びで注文後に後悔しやすい注意点は?

新型エルグランドは、注文後に追加できないメーカーオプションがあります。

特に注意したいのが、シートバックパーソナルリヤモニターです。

このモニターは2列目シートの背面に取り付ける12.8インチ画面で、左右セットの価格は26万1000円とされています。

ただし、モニター本体だけを後から購入しても装着できません。

契約時に「シートバックパーソナルリヤモニター取付パッケージ」をメーカーオプションとして選ぶ必要があります。パッケージ価格は1万6500円です。

装着可能なグレードも、G、AUTECH“G-spec”、AUTECH、VIPに限られるとされています。Xでは選べません。

一般的なルーフ取付型のフリップダウンモニターは、14.3インチのNissanConnectインフォテインメントシステム装着車であれば、各モデルに装着できるとされています。

後席で動画を見る目的なら、シートバック型にこだわるのか、ルーフ型で十分なのかを契約前に決めておきましょう。

ほかにも、次の装備は注文前の確認が重要です。

  • Xではシートベンチレーションを選べない
  • X系ではBOSEサウンドシステムを選べない
  • X系ではプロパイロット2.0を選べない
  • シートバック型モニターには専用取付パッケージが必要
  • VIPのロングステップ装着車は一部ハンズフリー機能に制約がある
  • 8人乗り用の2列目ベンチシートは設定されていない

新型車では、車両価格の大きさに目を奪われがちです。

しかし、実際の満足度を左右するのは、毎日触れるシート、スライドドア、モニター、電源、乗降装備です。後から付けられない装備ほど、契約前に優先順位を決める必要があります。


新型エルグランドはどのグレードを選ぶべきか

私がコストと使い方を重視して選ぶなら、第一候補はGです。

Xより68万2000円高いものの、インフォテインメントシステム、後席モニター、100V・1500W電源、前後席ベンチレーションなど、家族で使いやすい装備がまとまっています。

Xに複数のオプションを追加すると価格差が縮まるため、最初からGを選んだほうが構成を分かりやすくできます。

ただし、後席モニターやBOSEサウンドを必要とせず、運転席中心で使うならXにも意味があります。

新型エルグランドはXでもe-POWER、e-4ORCE、可変制御サスペンションを備えます。走りの基本部分を妥協せず、装備を絞れるのはXの長所です。

外観の個性を重視するならAUTECH LINE、内外装の素材や仕立てまでこだわるならAUTECHが候補です。

一方、VIPは家庭用の最上級グレードというより、後席で過ごす人を主役にしたモデルです。ロングステップや15.6インチモニター、22スピーカーのBOSEシステムを活用できる用途であれば、価格差にも理由を見いだせます。

私見では、新型エルグランドのグレード選びで最も大切なのは、見積書の合計金額だけで比べないことです。

XとGでは後付けできない装備があり、AUTECHはデザインに価値を置くモデル、VIPは後席体験に費用を払うモデルです。

また、4人乗りや8人乗りを探している人にとっては、装備以前に乗車定員が条件を満たしません。

家族構成、普段乗る人数、誰が主に運転するのか、後席で何をしたいのかを整理すると、自分に合うグレードが見えやすくなります。


まとめ

日産エルグランド新型は、XとGを基本に、AUTECH LINE、AUTECH、VIP、ステップタイプなどを展開しています。

全車が第3世代e-POWERとe-4ORCEを搭載するため、グレードによる主な違いは快適装備、内外装、後席機能、乗降性です。

価格を抑えるならX、装備と価格のバランスならG、スポーティな個性ならAUTECH、後席を最優先するならVIPが有力です。

ただし、XではベンチレーションやBOSEサウンド、プロパイロット2.0などを選べず、モニター関連にも注文時しか選べない装備があります。

また、現時点では全車7人乗りで、正式な4人乗り・8人乗りは設定されていません。人数が購入条件になる人は、グレードを決める前に乗車定員を必ず確認しましょう。


よくある質問

日産エルグランド新型で最も安いグレードは?

標準モデルのX e-4ORCEで、車両本体価格は689万7000円とされています。オプション、税金、登録費用などは別途必要です。

新型エルグランドのVIPは4人乗りですか?

現時点のVIPは4人乗りではなく、基本的に7人乗りです。2027年度に固定式アームレスト仕様が登場するとの情報がありますが、乗車定員については正式発表の確認が必要です。

新型エルグランドに8人乗りはありますか?

現時点では8人乗りは設定されていません。2列目は左右独立型のセパレートシートで、全車7人乗りとされています。

XとGではどちらがお得ですか?

ナビ、後席モニター、100V電源、シートベンチレーションなどを使うならGが有力です。装備を必要最低限に絞れる人にはXが向いています。

AUTECHとVIPの違いは何ですか?

AUTECHはスポーティな専用デザインと上質な素材を重視し、VIPは後席の快適性や送迎用途を重視しています。自分で運転して個性を楽しむならAUTECH、後席中心ならVIPという選び方が分かりやすいでしょう。

ソロ(そろ)/新車・カーライフ愛好家

日産エルグランド新型のe-POWER・ハイブリッド・ガソリンを比較

新型Lサイズミニバンとe-POWER・ハイブリッド・ガソリンの仕組みを比較するイメージ

日産エルグランド新型は第3世代e-POWER専用車で、一般的なハイブリッド車やガソリン車は設定されていません。

新型エルグランドのパワートレインを比較すると、選べるのは直列3気筒1.5Lターボエンジンで発電し、モーターで走るe-POWERのみです。

つまり「e-POWER、ハイブリッド、ガソリンのどれを選ぶか」ではなく、e-POWERが一般的なハイブリッドやガソリン車とどう違うのかを理解することが、新型エルグランド選びのポイントになります。

日産エルグランド新型はe-POWERのみ?ガソリン車はある?

日産が2026年7月16日に発表した新型エルグランドは、全車が第3世代e-POWERと電動4WDシステム「e-4ORCE」を搭載しています。

グレードは、基本モデルの「e-POWER X e-4ORCE」と上級モデルの「e-POWER G e-4ORCE」が中心です。価格はXが689万7000円、Gが757万9000円となっています。

従来のような純粋なガソリンエンジン車や、前輪だけを駆動する2WD車は用意されていません。

新型エルグランドのパワートレイン構成を整理すると、次のようになります。

パワートレイン 新型エルグランドの設定 主な特徴
第3世代e-POWER あり エンジンで発電し、モーターで走行
一般的なハイブリッド なし エンジンとモーターの両方でタイヤを駆動
ガソリン車 なし エンジンの力を直接タイヤへ伝える
2WD なし 新型はe-4ORCEによる4WDが基本

新型エルグランドについて「ハイブリッドはあるのか」と検索する人も多いと思いますが、広い意味ではe-POWERもハイブリッドシステムの一種です。

ただし、トヨタのアルファードなどが採用する一般的なハイブリッドとは、エンジンの使い方が異なります。

新型エルグランドは、ガソリンエンジンを搭載していても、基本的にエンジンの力で直接走る車ではありません。この点が最も大きな違いです。


新型エルグランドの第3世代e-POWERとは?

e-POWERは、ガソリンエンジンを主に発電機として使い、発電した電気によってモーターを動かす仕組みです。

ドライバーがアクセルを踏んだとき、タイヤを動かす主役はモーターになります。電気自動車に近い滑らかな加速感を得ながら、充電設備を使わずにガソリンを給油して走れるのが特徴です。

新型エルグランドには、進化した第3世代e-POWERが採用されました。

発電用エンジンは直列3気筒1.5Lターボで、前後のモーターを緻密に制御するe-4ORCEと組み合わされます。

公開されている試乗評価では、最大トルクは500Nmを上回るとされ、アクセルを踏み増した際に駆動力が素早く立ち上がる点が高く評価されています。

ノーマルガソリンエンジンに置き換えれば、4.5Lエンジン級を思わせる力強さと表現されるほどです。

もちろん、単純に排気量だけで性能を比較できるわけではありません。しかし、大人数を乗せたり、高速道路の合流や坂道を走ったりする場面では、モーターならではの太いトルクが扱いやすさにつながると考えられます。

日産は新型エルグランドについて、静かでありながら力強く、長距離を走っても疲れにくい走行体験を目指したと説明しています。

第3世代e-POWERだけでなく、e-4ORCEとIDSこと「インテリジェントダイナミックサスペンション」を組み合わせている点も重要です。

パワートレインだけを豪華にしたのではなく、加速、旋回、乗り心地まで一体で作り込んだところに、新型エルグランドの狙いが見えます。


e-POWERと一般的なハイブリッドは何が違う?

一般的なハイブリッド車は、走行状況に応じてエンジンとモーターの両方を使います。

低速ではモーター、高速走行ではエンジンを中心に使うなど、それぞれの得意な領域を使い分ける仕組みです。エンジンの力が直接タイヤに伝わる場面もあります。

一方、日産のe-POWERは、走行用モーターがタイヤを駆動し、エンジンは主に発電を担当します。

この違いによって、アクセル操作に対する反応や加速感にも差が生まれます。

  • e-POWER:モーター駆動らしい滑らかさと素早い反応が特徴
  • 一般的なハイブリッド:エンジンとモーターを効率よく使い分けやすい
  • ガソリン車:仕組みが比較的シンプルで、車両価格を抑えやすい傾向

新型エルグランドと競合するトヨタ・アルファードには、エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車があります。

比較対象となるアルファード「ハイブリッドZ E-Four」のWLTCモード燃費は17.4~18.0km/Lで、新型エルグランドの16.8km/Lを上回ります。

燃費だけを見れば、アルファードのハイブリッドが有利です。

ただし、新型エルグランドはモーター駆動による加速力や、e-4ORCEによる前後駆動力制御、可変式ショックアブソーバーを含めた走行性能に重点を置いています。

このため、同じ「電気を使って走るミニバン」でも、目指している方向は少し異なります。

アルファードのハイブリッドが燃費、快適性、豪華さをバランスよくまとめた王道型だとすれば、新型エルグランドのe-POWERは、大柄なミニバンでも運転を楽しめることを重視した電動車といえるでしょう。


日産エルグランド新型にガソリン車がない理由は?

日産は新型エルグランドにガソリン車を設定した理由を、今回の素材の中で直接説明しているわけではありません。

ただし、車両の構成や日産が掲げる商品コンセプトから見ると、走りと静粛性を明確に差別化するために、e-POWERへ一本化したと考えられます。

新型エルグランドが目指しているのは、単に大人数が乗れる大型ミニバンではありません。

日産は「The private MAGLEV」という表現を使い、リニアモーターカーのように静かで力強い、新しい移動体験を打ち出しています。

このコンセプトを実現するには、エンジン回転の変化が走行感覚に直接表れやすいガソリン車より、モーターで滑らかに駆動するe-POWERのほうが適しています。

さらに、前後のモーターを独立して制御するe-4ORCEを全車に組み合わせれば、加速時や減速時、カーブを曲がる場面でも車体の姿勢を整えやすくなります。

家族を乗せるミニバンでは、単純な速さよりも、乗員が不快に感じにくい滑らかな動きが大切です。

この意味で、e-POWERとe-4ORCEへの統一は、新型エルグランドの商品性を分かりやすくする選択だったといえます。

一方で、ガソリン車を用意しないことには弱点もあります。

装備を簡素化した低価格グレードを作りにくくなり、エントリー価格が689万7000円まで上昇しました。

ガソリン車があれば、燃費や加速力ではe-POWERに及ばなくても、購入価格を抑えたグレードを設定できた可能性があります。

コスパを重視する私としては、ここは少し悩ましい部分です。

新型エルグランドの走りを最大限に生かすにはe-POWERが適していますが、「近所への送迎が中心なので、それほど高性能でなくてもよい」という家庭にとっては、選択肢が狭い構成でもあります。


e-POWER・ハイブリッド・ガソリンは結局どれが得?

パワートレイン単体で「どれが一番得か」を決めることはできません。

車両価格、燃費、年間走行距離、乗車人数、走る道路、保有年数によって、最適な選択は変わるからです。

新型エルグランドを検討する場合は、ガソリン車や別方式のハイブリッドをグレード内で選べません。そのため、次のように考えると整理しやすくなります。

走りの滑らかさや力強さを重視するなら、新型エルグランドのe-POWERが有力です。

モーター駆動による反応の良さに加え、e-4ORCEとインテリジェントダイナミックサスペンションを全車に採用しているため、運転する人にとっての満足感が期待できます。

燃費を最優先するなら、他社のハイブリッド車も比較すべきです。

新型エルグランドのWLTCモード燃費は16.8km/Lです。大型ミニバンとして極端に悪い数値ではありませんが、アルファード「ハイブリッドZ E-Four」の17.4~18.0km/Lには届きません。

購入価格を抑えたいなら、新型エルグランドは慎重に判断する必要があります。

新型エルグランドには低価格なガソリン車や2WDがなく、Xでも689万7000円からです。

しかもXでは、インフォテインメントシステム、ETC2.0、後席専用モニターなどがセットで24万9700円、100V・1500W電源コンセントが9万9800円のオプションとなっています。

これらを追加すると、支払総額はさらに上がります。

Gは757万9000円ですが、Xとの価格差は68万2000円です。インフォテインメントシステムや後席専用モニター、電源コンセントなどを必要とするなら、装備内容を含めてGを選ぶほうが合理的な場合もあります。

車両本体価格だけで比べるのではなく、実際に必要な装備を加えた総額で考えることが大切です。

なお、メーカー希望小売価格は参考価格であり、税金、自賠責保険、登録諸費用、オプション、付属品などは別途必要です。最新の価格や販売条件は日産販売店で確認してください。


新型エルグランドのe-POWERをどう評価する?

私見では、新型エルグランドのe-POWERは、燃費だけで元を取るための装備ではありません。

この車の価値は、モーターによる力強い加速、e-4ORCEによる安定性、可変式サスペンションによる乗り心地を一つのパッケージとして味わえる点にあります。

従来の大型ミニバンは、後席の豪華さや室内の広さが優先され、運転する人の楽しさは二の次になりがちでした。

新型エルグランドは、その常識を少し変えようとしているように感じます。

公開された試乗評価では、カーブでも4輪の接地感を保ちやすく、高速道路で横風を受けた際も挙動を乱しにくいとされています。

ドライブモードで「コンフォート」を選ぶとショックアブソーバーの減衰力が下がり、乗り心地を高められる点も特徴です。

つまり、新型エルグランドはスポーティーなだけではありません。

運転する人には安定感を、後席の家族には静かさと快適性を提供することが、第3世代e-POWERを採用した本当の狙いだと考えられます。

一方、価格と燃費を冷静に見ると、誰にでも勧められる車ではありません。

新型エルグランドXは、アルファード「ハイブリッドZ E-Four」の657万円より32万7000円高く、装備差まで含めれば割高感はさらに広がります。

2列目シートの豪華さについても、アルファードは固定式アームレストを備えたエグゼクティブパワーシートを採用する一方、エルグランドXは比較的シンプルなセパレートシートです。

燃費や後席の豪華さ、リセールバリューを最優先するなら、アルファードを含めた比較は欠かせません。

それでも、SUVやセダンから乗り換える人が「ミニバンにすると運転が退屈になりそう」と感じているなら、新型エルグランドは魅力的な選択肢になります。

個人的には、新型エルグランドの価値は「高級ミニバンだから高い」のではなく、大人数で移動できる実用性と、運転する楽しさを両立させたことにあると考えています。

年間走行距離が長く、高速道路を使った家族旅行が多い家庭ほど、e-POWERの静かさやe-4ORCEの安定感を実感しやすいでしょう。

反対に、年間走行距離が少なく、街中の送迎が中心で、購入価格を最優先したい人には、より安価なガソリンミニバンや2WDハイブリッドのほうが家計に合う可能性があります。

新型エルグランドは、単純な燃料代の安さだけで選ぶ車ではありません。

試乗する際は、加速の強さだけでなく、低速での滑らかさ、後席の揺れ、高速道路を想定した安定感、エンジンが発電を始めたときの音まで確認したいところです。


まとめ

日産エルグランド新型は、第3世代e-POWERとe-4ORCEを全車に搭載し、一般的なハイブリッド車やガソリン車を設定していません。

e-POWERはガソリンエンジンで発電し、モーターでタイヤを駆動する仕組みです。一般的なハイブリッドのように、エンジンの力を直接走行に使う方式とは異なります。

WLTCモード燃費は16.8km/Lで、アルファードのハイブリッドより数値上は低いものの、力強い加速や走行安定性では新型エルグランドならではの魅力があります。

ただし、価格はXが689万7000円、Gが757万9000円と高額です。ガソリン車や2WDの低価格グレードがないため、安さを優先する人には選びにくい構成でもあります。

新型エルグランドを選ぶ際は、e-POWERを燃費装備としてだけ見るのではなく、静粛性、加速、乗り心地、長距離での安心感まで含めて判断することが大切です。


よくある質問

日産エルグランド新型にガソリン車はありますか?

ありません。新型エルグランドは全車が第3世代e-POWERとe-4ORCEを搭載し、純粋なガソリン車や2WD車は設定されていません。

新型エルグランドのe-POWERはハイブリッドですか?

広い分類ではハイブリッド車です。ただし、一般的なハイブリッドとは異なり、ガソリンエンジンを主に発電へ使い、走行はモーターが担当します。

新型エルグランドの燃費はどのくらいですか?

WLTCモード燃費は16.8km/Lです。実際の燃費は渋滞、気温、乗車人数、エアコンの使用、運転方法などによって変わります。

日産エルグランド新型のエンジン性能は?排気量・馬力・4WDまで解説

日産エルグランド新型は、1.5Lターボ発電エンジンと第3世代e-POWER、電動4WD「e-4ORCE」を全車に採用した高級ミニバンです。

2026年7月16日に発売された4代目エルグランドは、前後モーターの出力を単純に足して「341馬力」と考えるのは正確ではありません。この記事では排気量、エンジンとモーターの馬力、4WDの仕組み、実際の走りを判断するポイントまで整理します。

日産エルグランド新型のエンジンは1.5Lターボの発電専用

日産エルグランド新型に搭載されるエンジンは、総排気量1498ccの直列3気筒1.5Lターボです。

日産の環境仕様書には、原動機型式として「ZR15DDTe-YM52-MM45」と記載されています。車両型式は6AA-NE53、駆動方式は4WDです。

ただし、この1.5Lターボエンジンがタイヤを直接回すわけではありません。

新型エルグランドが採用するe-POWERは、エンジンで電気をつくり、その電気を利用してモーターを動かすシリーズ式ハイブリッドです。走行そのものは100%モーター駆動となります。

一般的なハイブリッド車では、走行状況に応じてエンジンとモーターの両方がタイヤを駆動します。一方、e-POWERではエンジンの役割が基本的に発電へ特化しているため、アクセル操作に対する反応は電気自動車に近くなります。

日産は今回、第3世代e-POWERを採用しました。

新たな専用設計の発電用エンジンに加え、モーター、発電機、インバーター、減速機、増速機という5つの主要部品をまとめた「5-in-1」電動ユニットで構成されています。

部品を一体化することには、ユニットの小型化だけでなく、エネルギー損失や振動、騒音を抑えやすくする利点があります。

排気量は先代の2.5Lや3.5Lから大幅に小さくなりましたが、車格まで小さくなったわけではありません。

エンジンを直接駆動用として使わず、効率の良い領域で発電させることにより、1.5Lという排気量でも全長約5m、車両重量2430~2510kgの大型ミニバンを成立させています。

先代エルグランドには、2488ccの直列4気筒エンジンと、3498ccのV型6気筒エンジンが用意されていました。

代表的な旧型「350ハイウェイスター プレミアム」のVQ35DE型エンジンは、最高出力280ps、最大トルク344Nmを発生します。排気量は3498ccで、使用燃料はハイオク、JC08モード燃費は9.2km/Lでした。

新型では、こうした大排気量エンジンの力を直接タイヤへ伝える方式から、発電エンジンと前後モーターを組み合わせる方式へ全面的に変わりました。

これは単なるダウンサイジングではなく、エルグランドの走り方そのものを入れ替えたフルモデルチェンジといえます。


日産エルグランド新型の馬力は何馬力?

日産エルグランド新型の発電用1.5Lターボエンジンは、最高出力140馬力、最大トルク228Nmとされています。

駆動用モーターは、フロントが最高出力205馬力・最大トルク330Nm、リアが最高出力136馬力・最大トルク195Nmです。

主な数値を整理すると、次のようになります。

項目 性能
エンジン 直列3気筒1.5Lターボ
総排気量 1498cc
エンジン最高出力 140馬力
エンジン最大トルク 228Nm
フロントモーター最高出力 205馬力
フロントモーター最大トルク 330Nm
リアモーター最高出力 136馬力
リアモーター最大トルク 195Nm
駆動方式 e-4ORCE・電動4WD
WLTCモード燃費 16.8km/L

ここで注意したいのが、前輪用205馬力と後輪用136馬力を足し、新型エルグランドを「341馬力のクルマ」と断定する見方です。

モーター単体の最高出力を合計すると、確かに341馬力になります。しかし、前後のモーターが同時に、それぞれの最高出力を出すためには、それに見合う電力を供給しなければなりません。

e-POWERで利用できる電力は、発電用エンジンが生み出す電力と、駆動用バッテリーから供給できる電力の合計によって決まります。

つまり、モーターの出力表示は駆動ユニット側の能力であり、その合計値がそのまま車両全体のシステム最高出力になるとは限りません。

自動車評論家の国沢光宏氏も、2026年7月16日に公開した記事で、この点を指摘しています。

国沢氏は、発電用エンジンが140馬力、前後モーターが205馬力と136馬力であることを踏まえつつ、エンジン出力とバッテリーから取り出せる電力には上限があるため、341馬力を常時発揮できるという解釈は適切ではないと分析しています。

新型エルグランドの駆動用バッテリー容量は1.8kWhとされ、同系統の仕組みを採用するエクストレイルとの比較から、国沢氏はシステム全体の上限を「204馬力+α程度」と推測しています。

これは日産が公表した正式なシステム最高出力ではなく、構成部品から導いた専門家の推測です。そのため、「新型エルグランドのシステム出力は約204馬力で確定」と断定することも避ける必要があります。

現時点で安全に言えるのは、次の3点です。

  • エンジン単体は140馬力
  • 前モーターは205馬力、後ろモーターは136馬力
  • 前後モーターの数値を足した341馬力を、車両のシステム最高出力とは断定できない

馬力という数字だけを見ていると分かりにくいのですが、実際の加速感ではモーターの最大トルクと応答速度も重要です。

モーターは発進直後から大きなトルクを出しやすいため、アクセルを踏んだ瞬間に車体を前へ押し出す感覚を得やすくなります。車両重量が2.4tを超える新型エルグランドにとって、この反応の速さは大きな利点です。

MOTAの渡辺陽一郎氏はプロトタイプ試乗において、動力性能はアルファードのハイブリッドより力強く、アクセルを踏み増した際に駆動力が素早く高まると評価しています。

同氏は体感上の動力性能を、一般的なガソリンエンジンに置き換えると4.5L級に相当すると表現しています。ただし、これは排気量や正式な出力を示す数値ではなく、あくまで試乗時の力強さを分かりやすく例えた評価です。

「1.5Lなのに4.5L級」という表現だけが独り歩きしないよう、実際の排気量と体感上の評価は分けて理解する必要があります。


新型エルグランドの4WD「e-4ORCE」とは?

日産エルグランド新型は、全グレードに電動4WDシステム「e-4ORCE」を搭載しています。

標準モデルは「X e-4ORCE」と「G e-4ORCE」で、ノーマルガソリン車や2WDは設定されていません。AUTECHやVIPなどの派生モデルも含め、基本的に新型エルグランドは4WDを前提とした構成です。

e-4ORCEは、前後に独立したモーターを配置し、それぞれの駆動力を緻密に制御する技術です。

エンジンの回転をプロペラシャフトで後輪へ伝える一般的な機械式4WDとは異なり、リアモーターを直接制御できるため、路面や運転操作に応じた素早い駆動力配分が可能になります。

雪道や濡れた路面で滑りにくくすることだけが、e-4ORCEの役割ではありません。

新型エルグランドでは、加速時に前後の駆動力を配分して姿勢を安定させるほか、減速時にも前後モーターの回生ブレーキを協調制御します。

日産は、停止直前の揺り戻しを抑える「スムーズストップ機能」も採用しました。

ブレーキをかけて車が止まる瞬間、乗員の頭が前後に揺さぶられることがあります。こうした細かな動きを抑える考え方は、速さよりも後席の快適性が重視される高級ミニバンと相性が良い部分です。

さらに、新型エルグランドには「インテリジェントダイナミックサスペンション」が採用されています。

4輪のショックアブソーバーの減衰力を走行状況に応じて制御し、カーブでは車体の傾きを抑えながら、通常走行では乗り心地を確保する仕組みです。

MOTAの試乗評価では、峠道でも4輪が接地しやすく、背が高く重いミニバンとしては旋回軌跡が外側へ膨らみにくいとされています。

高速道路で急な車線変更を行った際には車体が傾くものの、挙動の変化が穏やかで、後輪の安定感も高いと評価されました。

筆者としては、新型エルグランドの4WDで最も注目すべきなのは、悪路走破性よりも日常走行で乗員を揺らしにくくする制御だと考えます。

高級ミニバンは、運転席だけが気持ち良くても十分ではありません。2列目や3列目に座る家族が、発進、カーブ、減速のたびに体を揺さぶられないことが重要です。

e-4ORCEと可変サスペンションを組み合わせた狙いは、速いミニバンをつくることより、「大きく重い車体を自然に動かすこと」にあるのでしょう。


排気量1.5Lで2.5t近い車体を十分に走らせられる?

新型エルグランドの車両重量は、グレードによって2430~2510kgです。

「排気量1498ccのエンジンで、これほど重い車体を本当に走らせられるのか」と不安に感じる人もいるでしょう。

この疑問を考える際には、エンジンの排気量だけで判断しないことが大切です。

新型エルグランドは、1.5Lエンジンの力を変速機経由で直接タイヤへ伝える車ではありません。発進や加速は、前後の高出力モーターが担当します。

そのため、信号からの発進、合流、一般道での加速など、短時間に大きな力が必要な場面では、モーターの太いトルクとバッテリーの電力を活用できます。

一方で、長い上り坂や高速道路で強い加速を長時間続ける場面では、発電能力とバッテリー残量が走行性能に影響する可能性があります。

バッテリーの電力を多く使った後は、発電用エンジンが供給できる電力の範囲が重要になるためです。

これは新型エルグランドだけの欠点というより、シリーズ式ハイブリッドの性能を理解するうえで確認すべき性質です。

短時間の加速が力強いことと、その出力を長時間維持できることは、同じ意味ではありません。

国沢氏の記事に寄せられた反応でも、満員乗車や荷物を積んだ状態で長い上り坂を走る際の継続的な性能を気にする意見が見られました。

ただし、これらはユーザーの疑問や推測を含むものであり、新型エルグランドが実際に長い上り坂で大幅に失速すると確認されたわけではありません。

購入を考えるなら、短時間の試乗だけでなく、次の点を確かめたいところです。

  • 40~80km/h付近の中間加速
  • 高速道路への合流時の余裕
  • 上り坂でアクセルを踏み続けた際のエンジン音
  • 乗員を乗せた状態での再加速
  • 追い越し時の速度の伸び方

特に、アクセルを深く踏んだときに発電用エンジンの回転がどの程度上がり、その音が車内へどれほど入るのかは重要です。

e-POWERの長所はモーター駆動の滑らかさですが、強い負荷が続く状況では発電エンジンも働き続けます。高級ミニバンとしては、速さだけでなく音と振動の抑え方まで含めて評価すべきでしょう。

新型には高剛性ボディや遮音構造が採用され、一部モデルでは音を打ち消す技術も導入されています。

スペック表の馬力だけでは、この静粛性や加速の質までは分かりません。試乗では「何秒で速いか」よりも、「家族を乗せたまま無理なく速度を上げられるか」を見るのが実用的です。


新型エルグランドは旧型より燃費と税負担で有利?

新型エルグランドのWLTCモード燃費は16.8km/Lです。

内訳は、市街地モード15.2km/L、郊外モード17.8km/L、高速道路モード16.9km/Lと公表されています。CO2排出量は138g/kmです。

旧型3.5LモデルのJC08モード燃費はグレードによって9km/L台、2.5Lモデルも10km/L前後でした。

試験モードが異なるため単純比較はできませんが、2.4tを超える4WDミニバンでWLTCモード16.8km/Lを実現したことは、旧型からの大きな進歩です。

全車4WDでありながら、街中と高速道路の数値に極端な差がない点にも注目できます。

モーター駆動は発進と停止を繰り返す市街地で回生エネルギーを利用しやすく、エンジンを効率の良い条件で発電に使えるからです。

排気量が小さくなったことで、自動車税種別割の区分も変わります。

2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の場合、1498ccは「1001cc超~1500cc以下」の区分に入り、標準税額は年3万500円です。

旧型2.5Lモデルは年4万3500円、3.5Lモデルは年5万7000円の区分でした。

したがって、標準税額を単純比較すると、新型は旧型2.5Lより年1万3000円、旧型3.5Lより年2万6500円低くなります。

車両価格は689万7000円からと安くありませんが、排気量縮小によって毎年の税負担を抑えやすくなった点は、長く所有する人にとって見逃せません。

例えば10年間所有した場合、税額制度が変わらないという単純計算では、旧型3.5L区分との差は26万5000円になります。

これは購入価格全体から見れば一部ですが、タイヤ、保険、燃料、車検などに費用がかかる大型ミニバンでは、固定費が少しでも軽くなる意味は小さくありません。

ただし、実際の税額や減税措置は登録時期、自治体、税制改正などによって変わる可能性があります。購入時には販売店や自治体の最新情報を確認してください。


考察:新型エルグランドは「大馬力」より制御の質を見るべき

個人的には、新型エルグランドのエンジン性能を判断するとき、341馬力か約204馬力かという数字だけに集中するのは、少しもったいないと感じます。

前後モーターの合計値を大きく見せる説明は分かりやすい反面、実際に車両全体が発揮できる出力との違いを誤解させる恐れがあります。

一方で、システム最高出力だけを見て「2.5t近いのに約200馬力では足りない」と結論づけるのも早計です。

モーター車では、発進直後のトルク、アクセルへの応答、前後の駆動力配分、出力を路面へ無駄なく伝える制御が、体感性能を大きく左右します。

新型エルグランドの価値は、エンジンの140馬力やモーターの205馬力という単独の数値より、それらをe-4ORCEがどう使うかにあります。

前後モーターが常に最大出力を出さなくても、必要な車輪へ必要な瞬間だけ駆動力を配れば、発進やカーブでは十分に力強く感じられます。

また、2列目や3列目の快適性を考えると、強烈な加速力より、アクセルを踏んだ分だけ滑らかに速度が増すことのほうが大切です。

エルグランドはスポーツカーではありません。家族や同乗者を乗せ、高速道路を長距離移動する場面が多い車です。

その意味では、1.5Lターボ、前後モーター、e-4ORCE、可変サスペンションを一体で制御し、重い車体を落ち着いて動かす方向性は理にかなっています。

ただし、日産にはシステム全体の出力や、バッテリー残量による性能変化を、より分かりやすく示してほしいとも思います。

約700万円からの高額車だからこそ、購入者が前後モーターの合計値だけで性能を判断しなくて済む説明が必要です。

ピーク時の加速だけでなく、長い上り坂や高速巡航時にどれだけの出力を維持できるのかが明らかになれば、1.5Lという排気量に不安を持つ人も判断しやすくなるでしょう。

筆者としては、日常の発進、一般道、高速道路の合流では十分な力強さが期待できる一方、満員乗車で長い登坂を続けた際の性能とエンジン音は、実車で確認したい重要項目だと考えます。

スペック上の華やかな数字より、自分の使い方で必要な力が続くかどうか。それが、新型エルグランドを後悔なく選ぶための現実的な見方です。


まとめ

日産エルグランド新型は、総排気量1498ccの直列3気筒ターボを発電専用エンジンとして使い、前後モーターで走る第3世代e-POWERを採用しています。

エンジンは140馬力、フロントモーターは205馬力、リアモーターは136馬力です。ただし、前後モーターを足した341馬力を、そのままシステム最高出力と考えることはできません。

駆動方式は全車e-4ORCEの電動4WDで、滑りやすい路面への対応だけでなく、加速、旋回、減速時の車体姿勢や乗り心地まで制御します。

WLTCモード燃費は16.8km/Lで、排気量が1.5Lになったことにより、自動車税種別割も旧型2.5L・3.5Lモデルより抑えやすくなりました。

新型エルグランドのエンジン性能は、単純な排気量や馬力だけでなく、モーターの応答性、e-4ORCEの制御、長時間の登坂性能、静粛性まで含めて判断することが大切です。


よくある質問

日産エルグランド新型の排気量は何ccですか?

総排気量は1498ccです。直列3気筒1.5Lターボエンジンを搭載しますが、タイヤを直接駆動するのではなく、e-POWERの発電用として使われます。

新型エルグランドは341馬力ですか?

前モーター205馬力と後ろモーター136馬力を単純に足すと341馬力ですが、これを車両全体のシステム最高出力と断定することはできません。実際の出力は、発電能力とバッテリーから供給できる電力の範囲に左右されます。

新型エルグランドに2WDはありますか?

標準モデルのXとGを含め、基本構成は全車e-4ORCEの電動4WDです。ノーマルガソリンエンジン車や2WDモデルは設定されていません。

ソロ(そろ)/新車・カーライフ愛好家

日産エルグランド新型の価格はいくら?予想価格・グレード別の値段を解説

日産エルグランド新型の価格は、Xが689万7000円、Gが757万9000円です。予想段階を終え、2026年7月16日に正式発売されました。

16年ぶりのフルモデルチェンジで登場した4代目エルグランドは、全車が第3世代e-POWERと4WDのe-4ORCEを搭載します。

価格だけを見ると高額ですが、グレードごとの装備差やオプションまで含めて考えると、どちらが割安なのかが見えてきます。

日産エルグランド新型の価格はいくら?

日産エルグランド新型のメーカー希望小売価格は、689万7000円から757万9000円です。

日産は2026年7月16日、4代目となる新型エルグランドを正式に発売しました。従来型が登場したのは2010年8月なので、約16年ぶりの全面刷新となります。

グレードは、標準仕様の「X e-4ORCE」と上級仕様の「G e-4ORCE」の2種類です。

グレード メーカー希望小売価格(税込) 主な内装色
X e-4ORCE 689万7000円 ダーク
G e-4ORCE 757万9000円 銀雪・紫檀
価格差 68万2000円 ―

両グレードの価格差は68万2000円です。

ただし、この差額を単純に「Gは約68万円も高い」と考えるのは早いでしょう。Gには、Xではオプション扱いになる装備や、Gでしか選べない快適装備が含まれているからです。

なお、メーカー希望小売価格は車両本体の参考価格です。特別塗装色、メーカーオプション、ディーラーオプション、税金、保険料、登録諸費用、リサイクル料金などは別途必要になります。

そのため、実際の乗り出し価格は車両価格より高くなると考えておく必要があります。販売会社によって価格や諸費用が異なる場合もあるため、最終的な支払額は見積書で確認することが大切です。


日産エルグランド新型の価格予想は当たった?

新型エルグランドは正式発売前から、600万円台後半から800万円前後になると予想されていました。

実際の価格はXが689万7000円、Gが757万9000円となり、予想されていた価格帯の中でも比較的現実的な範囲に収まったといえます。

価格が高くなった大きな理由は、全車に高価な電動システムと4WD機構を採用したことです。

新型エルグランドには、直列3気筒1.5Lターボの発電用エンジン「ZR15DDTe」を使う第3世代e-POWERが搭載されています。エンジンは主に発電を担当し、走行は100%モーターで行う仕組みです。

さらに、前後のモーターとブレーキを統合制御する電動4輪駆動技術「e-4ORCE」も全車に標準装備されています。2WDや通常のガソリン車といった価格を抑えた仕様は設定されていません。

加えて、走行状況に応じて足まわりの硬さを調整するインテリジェント ダイナミックサスペンションも全車標準です。

つまり、新型エルグランドの最低価格が約690万円になったのは、安価な入門グレードを用意せず、最初から走行性能と装備を充実させたためです。

個人的には、価格を広く見せるためだけの廉価仕様を設けなかった点には、日産の覚悟を感じます。一方で、2WDで十分な地域に住む人や、装備を絞って購入価格を抑えたい人にとっては、選択肢が少ないことも事実です。


XとGのグレード別価格差は何が違う?

新型エルグランドのグレード選びでは、68万2000円の差額に見合う装備がGに含まれているかを確認する必要があります。

Xでも、両側電動スライドドア、e-4ORCE、アルミホイール、エアロパーツ、インテリジェント ダイナミックサスペンションなどが標準装備されます。

基本的な走行性能はXでも十分に充実しているため、「安いグレードだから走りが大きく劣る」という構成ではありません。

一方のGには、通信機能を含むインフォテインメントシステム、後席専用モニター、100V・1500W電源コンセント、1列目と2列目のベンチレーションなどが加わります。

主な装備とオプション価格は、次のように整理できます。

  • インフォテインメントシステム、ETC2.0、後席専用モニターなど:Xでは24万9700円
  • 100V・1500W電源コンセント:Xでは9万9800円
  • ツインガラスサンルーフ:15万4000円
  • クリアビューパック:3万3000円
  • BOSEプレミアムサウンド、高遮音ガラス、プロパイロット2.0など:Gで73万2600円
  • G専用内装色:銀雪または紫檀

Xにインフォテインメントシステムと100V電源を追加すると、オプションだけで合計34万9500円になります。

この場合、Gとの実質的な価格差は約33万円まで縮まります。さらにGにはベンチレーションなども加わるため、装備内容に魅力を感じる人にはGのほうが納得しやすいでしょう。

逆に、後席モニターや大容量電源をほとんど使わない人にとっては、Xに必要最低限の装備だけを加える方法が合理的です。

新車選びでは、上級グレードだから得、下級グレードだから節約になるとは限りません。使わない装備にお金を払わないことが、本当の意味でのコストパフォーマンスだと私は考えます。


特別塗装色やオプションを付けると値段はいくらになる?

新型エルグランドは、選ぶボディカラーによっても値段が変わります。

有償色として挙げられている主な価格は、プリズムホワイトが6万500円、ミッドナイトブラックや至極が7万5900円です。

新色の「FUJI DAWN-フジドーン-」と「至極-シゴク-」を組み合わせたプレミアム2トーンは25万3000円となります。

例えば、Xにインフォテインメント関連装備、100V電源、ツインガラスサンルーフ、プレミアム2トーンを追加すると、単純計算では次の金額です。

  • 車両本体価格:689万7000円
  • インフォテインメント関連:24万9700円
  • 100V電源:9万9800円
  • ツインガラスサンルーフ:15万4000円
  • プレミアム2トーン:25万3000円
  • 合計:765万3500円

この時点で、オプションを付けていないGの757万9000円を上回ります。

もちろん、XとGでは内装や標準装備の違いがあるため、単純な金額だけでは判断できません。それでも、Xに複数の装備を追加すると、上級グレードの価格に近づくことは覚えておきたいところです。

一方、GにBOSE 22スピーカープレミアムサウンドシステム、高遮音ガラス、プロパイロット2.0などを含む73万2600円のオプションを付けると、車両価格との合計は831万1600円です。

さらにプレミアム2トーンとツインガラスサンルーフを加えると、単純計算で871万8600円となります。

ここに税金、登録費用、保険料、ディーラーオプションなどが加われば、乗り出し価格が900万円前後になる可能性もあります。

したがって、「新型エルグランドは689万円から」という数字だけで予算を組むのは危険です。購入時は、希望装備を入れた状態の総支払額で判断しましょう。

なお、装備価格や販売条件は変更される可能性があります。最新の価格は日産販売店の見積もりや公式情報で確認してください。


アルファードとの価格差はどのくらい?

新型エルグランドを検討する際、多くの人が比較するのはトヨタ・アルファードです。

参考情報では、アルファードの「ハイブリッドZ E-Four」の価格は657万円とされ、新型エルグランドXの689万7000円は32万7000円高い設定です。

装備内容まで比べると、新型エルグランドはアルファードより40万円前後割高と評価されています。

特にアルファードのハイブリッドZ E-Fourは、100V・1500W電源や一部の運転支援装備を標準で備え、2列目には固定式アームレスト付きのエグゼクティブパワーシートを採用しています。

後席の豪華さや、車両価格に対する標準装備の多さを重視するなら、アルファードに割安感があります。

一方、新型エルグランドは、豪華な応接室のような後席だけで勝負しているわけではありません。

第3世代e-POWERによる力強いモーター駆動、進化したe-4ORCE、インテリジェント ダイナミックサスペンションを組み合わせ、運転する人も楽しめるプレミアムミニバンを目指しています。

WLTCモード燃費は、新型エルグランドが16.8km/L、アルファードのハイブリッドZ E-Fourが17.4~18.0km/Lとされています。燃費ではアルファードがやや有利ですが、エルグランドは走行性能と安定性に力を入れています。

車体寸法は全長4995mm、全幅1895mm、全高1975mm、ホイールベース3000mmです。車両重量も2430~2440kgと重いため、日常的に使う駐車場の幅や高さも確認しなければなりません。

私の見方では、エルグランドとアルファードは「どちらが上か」ではなく、お金を払う対象が異なる車です。

後席の分かりやすい豪華さと市場での定番感に価値を感じるならアルファード、運転感覚やモーター駆動の滑らかさに価値を感じるならエルグランドが向いています。


新型エルグランドはXとGのどちらが買い得?

価格を最優先するなら、X e-4ORCEが第一候補です。

Xでも第3世代e-POWER、e-4ORCE、可変式サスペンションなど、新型エルグランドの中心となる技術は備わっています。

ナビや後席モニター、1500W電源などを必要としない人なら、Xをシンプルに購入することで支払額を抑えられます。

一方、家族で長距離移動する機会が多く、後席モニターやベンチレーション、100V電源を使いたい人にはGが有力です。

Xに約35万円分の主要オプションを追加すると、Gとの差は約33万円になります。内装の仕立てや快適装備、将来の売却時に上級グレードが評価される可能性まで考えると、Gの価格にも一定の合理性があります。

ただし、リセールバリューは将来の中古車市場、流通台数、人気色、走行距離、車両状態によって変わります。「Gなら必ず高く売れる」と断定することはできません。

コスパ重視で考えるなら、次のように分けると分かりやすいでしょう。

  • 車両価格を抑え、新型の走りを楽しみたい人:X
  • ナビ、後席モニター、電源を使いたい人:G
  • プロパイロット2.0やBOSEを重視する人:Gにオプション追加
  • 豪華装備をほとんど使わない人:Xを必要最小限で選択
  • 乗り出し800万円以内を意識する人:X中心で見積もる

新型車はカタログを見ていると、つい装備を盛りたくなります。しかし、オプションを一つずつ足していくと、気づかないうちに予算を大きく超えることがあります。

最初に「乗り出し価格の上限」を決め、その範囲内でグレードと装備を選ぶ方法が、後悔を防ぐ近道です。


新型エルグランドの価格をどう評価する?

筆者としては、新型エルグランドの689万7000円という開始価格は、決して安くないものの、内容を考えると極端に高すぎるとは感じません。

全車が第3世代e-POWERとe-4ORCEを搭載し、走行性能、安全装備、静粛性、室内の快適性を大幅に引き上げているからです。

国内モデル初の14.3インチ大画面統合型ディスプレイ、全席ゼログラビティシート、最大64色の間接照明など、目に見える装備も充実しています。

助手席と2列目左右席では、3席同時にオットマンを使用できます。7人乗車時でも、機内持ち込みサイズのスーツケースを7個積める荷室が確保された点も実用的です。

さらに、100V・1500W電源はアウトドアだけでなく、災害による停電時にも役立つ可能性があります。高額な装備でも、家族構成や使い方によっては日常の安心につながります。

ただし、購入価格だけでなく維持費にも目を向ける必要があります。

全幅1895mm、車両重量2.4トン超の大型車なので、タイヤ、任意保険、車検時の消耗品なども小型ミニバンより高くなる可能性があります。

自宅周辺の狭い道路や駐車場で扱いやすいか、家族が高い床へ乗り降りしやすいかも確認したいところです。最小回転半径は5.8mで、床面も低床ミニバンほど低くありません。

価格表だけでは、こうした「買った後の負担」が見えにくいものです。

新型エルグランドは、安さを求める車ではありません。高額な装備を所有する満足感だけでなく、長距離移動の快適性や運転する楽しさを日常的に使える人ほど、支払った価格に納得しやすい車だと考えます。


まとめ

日産エルグランド新型の価格は、X e-4ORCEが689万7000円、G e-4ORCEが757万9000円です。

約16年ぶりに全面刷新された4代目は、全車に第3世代e-POWER、e-4ORCE、インテリジェント ダイナミックサスペンションを搭載しています。

XとGの価格差は68万2000円ですが、Xにインフォテインメント関連装備と100V電源を追加すると、実質的な差は約33万円まで縮まります。

購入価格を抑えて新型の走りを味わいたいならX、後席装備や電源、快適性まで重視するならGが選びやすいでしょう。

有償色やサンルーフ、プロパイロット2.0、BOSEなどを追加すると、車両価格が800万円台後半に達する組み合わせもあります。

「689万円から」ではなく、必要な装備を入れた乗り出し総額で比較することが、賢いエルグランド選びのポイントです。


よくある質問

日産エルグランド新型の一番安いグレードはいくらですか?

X e-4ORCEの689万7000円です。税金、登録諸費用、保険料、リサイクル料金、オプション代などは別途必要になります。

新型エルグランドに2WDやガソリン車はありますか?

通常モデルは第3世代e-POWERとe-4ORCEを搭載した4WDのみです。価格を抑えた2WD車や通常のガソリン車は設定されていません。

XとGではどちらがおすすめですか?

装備を絞って価格を抑えるならX、ナビ、後席モニター、100V電源、ベンチレーションなどを使うならGが候補です。Xに主要オプションを追加する場合は、Gとの総額差を比較しましょう。

執筆者:ソロ(新車・カーライフ愛好家)

日産エルグランド新型の燃費はどこまで進化?第3世代e-POWERの実力とは

新型Lサイズミニバンと第3世代e-POWERの発電・モーター駆動を表現した燃費比較イメージ

日産エルグランド新型の燃費はWLTCモード16.8km/Lとなり、第3世代e-POWERによって旧型から大幅な進化を遂げました。

2026年7月16日に発売された新型エルグランド(E53型)は、全車に第3世代e-POWERと電動4WDのe-4ORCEを搭載。高速道路で燃費が伸びにくいとされてきたe-POWERの弱点にも改良が加えられています。

日産エルグランド新型の燃費は16.8km/L

日産エルグランド新型のカタログ燃費は、WLTCモードで16.8km/Lです。

基本グレードの「X e-4ORCE」と上級グレードの「G e-4ORCE」は、どちらも同じ16.8km/Lとされています。

走行環境別の数値は次のとおりです。

走行モード 燃費
WLTC総合 16.8km/L
市街地モード 15.2km/L
郊外モード 17.8km/L
高速道路モード 16.9km/L

注目したいのは、市街地だけでなく高速道路モードでも16.9km/Lを記録していることです。

これまでのe-POWERは、速度が高い状態を長く維持すると発電用エンジンの稼働が増え、一般的なハイブリッド車に比べて高速燃費が伸びにくい傾向がありました。

新型エルグランドでは第3世代e-POWERの採用によって、高速域を含む幅広い走行条件で効率を高めています。

燃料タンク容量は67Lです。カタログ燃費とタンク容量を単純に掛けると、計算上の航続距離は約1,126kmになります。

もちろん、実際の燃費は乗車人数、荷物、渋滞、気温、エアコンの使用状況などで変わります。それでも、給油回数を減らしやすいことは長距離移動の多い家庭にとって大きなメリットです。


日産エルグランド新型は旧型からどこまで燃費が進化した?

旧型のE52型エルグランドには、2.5Lと3.5Lのガソリンエンジンが設定されていました。

元ネタで比較されている旧型の燃費はJC08モードで9.2km/L、新型E53型はWLTCモードで16.8km/Lです。

比較項目 旧型E52型 新型E53型
燃費 JC08モード9.2km/L WLTCモード16.8km/L
エンジン排気量 2.488L/3.498L 1.498L
駆動方式 グレードにより異なる 全車e-4ORCE
車両重量 2,305〜2,435kg 2,430〜2,510kg
全長×全幅×全高 4,945×1,850×1,815mm 4,995×1,895×1,975mm

ただし、JC08モードとWLTCモードは測定条件が異なるため、9.2km/Lと16.8km/Lをそのまま比較することはできません。

一般にJC08モードは、現在使われているWLTCモードよりも好条件の数値が出やすい傾向があります。その点を考えると、新型の燃費改善は表示上の差だけではなく、実際にもかなり大きいと考えられます。

さらに驚くのは、新型のほうがボディーを拡大し、車両重量も増えていることです。

全長は4,995mm、全幅は1,895mm、全高は1,975mmに達します。車両重量も2,430〜2,510kgと、決して軽いクルマではありません。

それにもかかわらず16.8km/Lを実現できた最大の理由が、第3世代e-POWERです。

筆者としては、単純に「旧型より7.6km/L良くなった」と捉えるより、大型化・重量増・全車4WDという不利な条件を抱えながら燃費を改善したことに価値があると考えています。


第3世代e-POWERは何が進化した?

e-POWERは、ガソリンエンジンで発電し、その電気を使ってモーターだけでタイヤを駆動する日産独自のハイブリッドシステムです。

一般的なハイブリッド車には、エンジンの力で直接タイヤを動かす場面があります。一方、e-POWERでは走行をモーターが100%担当します。

そのため、アクセルを踏んだ瞬間から滑らかに力が立ち上がり、電気自動車に近い運転感覚を得られるのが特徴です。

新型エルグランドに搭載される第3世代e-POWERでは、発電に特化したエンジンと、新開発の「5-in-1 e-POWER電動ユニット」が組み合わされています。

5-in-1とは、次の主要部品を一体化したユニットです。

  • モーター
  • インバーター
  • 発電機
  • 減速機
  • 増速機

これらを一体化することで、ユニットの小型化だけでなく、剛性やエネルギー効率の向上も図られています。

モーターには平角線コイルを採用し、より多くの電流を効率よく流せるようにしました。インバーターには両面冷却構造を採用し、特に高速域での電力損失を抑えています。

簡単にいえば、発電した電気がモーターに届くまでの「無駄な寄り道」を減らした仕組みです。

水道に例えるなら、細く曲がりくねった配管を、太く短い配管に交換したようなもの。必要な場所へ効率よくエネルギーを送りやすくなっています。

開発トップの一野健人エンジニアは、エンジン自体の効率を高めるとともに、効率のよい回転域を積極的に使うことで、静粛性と出力、燃費を両立したと説明しています。

大きくアクセルを踏んだ場面では、必要な発電量を確保するためにエンジン回転を上げます。一方で、それほど力を必要としない場面では効率のよい状態を保つように制御されます。

エンジンの回転数と車速が必ずしも比例しない点はe-POWER特有ですが、発電のタイミングを自由に選べるからこそ、効率のよい運転領域を使いやすいのです。


日産エルグランド新型は高速燃費も大幅改善した?

新型エルグランドで最も気になる部分の一つが、高速燃費の改善です。

従来のe-POWERは市街地走行を得意とする一方、高速道路では一般的なハイブリッド車に対する不利が指摘されてきました。

高速巡航では継続的に大きな電力が必要です。e-POWERはエンジンの力を一度電気に変え、さらにモーターの力へ変換するため、その過程で損失が生じます。

エンジンで直接タイヤを駆動できるハイブリッド車と比べると、高速域では仕組み上、不利になりやすかったのです。

第3世代e-POWERでは、5-in-1ユニットや新世代インバーターによって、この変換時の損失を抑えています。

新型エルグランドの高速道路モード燃費は16.9km/Lで、WLTC総合の16.8km/Lをわずかに上回ります。

この数値を見る限り、少なくともカタログ上は「高速道路に入ると急激に燃費が落ちる」という従来のイメージをかなり弱めています。

ただし、高速道路モード16.9km/Lは一定条件で測定された値です。速度が高い状態、強い向かい風、満員乗車、ルーフボックス装着などでは実燃費が下がる可能性があります。

実際の高速燃費を判断するには、購入者による長距離走行のデータが蓄積されるのを待つ必要があります。

現段階では「高速燃費の弱点を完全に解消した」と断定するより、第3世代e-POWERによって弱点を大幅に縮小した可能性が高いと見るのが妥当でしょう。


アルファードと比べて新型エルグランドの燃費は良い?

新型エルグランドの直接的なライバルは、トヨタのアルファードとヴェルファイアです。

新型エルグランドの燃費は16.8km/L。アルファードのハイブリッド車は、仕様によってWLTCモード16.8〜18.9km/Lとされています。

最良値だけを比較すると、アルファードの18.9km/Lが新型エルグランドを上回ります。

しかし、ここで注意したいのが駆動方式です。

新型エルグランドはX、Gともに全車4WDのe-4ORCEです。一方、アルファードの最良燃費は前輪駆動のFWDモデルで、条件がそろっていません。

開発を担当した一野健人エンジニアも、取材の中で、四輪駆動車同士で比較すれば燃費でも負けないとの趣旨を語っています。

実際、MOTAが比較したアルファード「ハイブリッドZ E-Four」の燃費は17.4〜18.0km/Lで、新型エルグランドの16.8km/Lを0.6〜1.2km/L上回ります。

そのため、公開されているカタログ値を見る限り、新型エルグランドがすべての条件でアルファードを超えているとはいえません。

一方で、新型エルグランドは前後に独立したモーターを備え、走行姿勢まで細かく制御するe-4ORCEを全車に搭載します。

燃費差だけでなく、加速の力強さ、雪道での安定性、カーブでの姿勢、後席の揺れにくさまで含めて比較する必要があります。

年間1万kmを走り、レギュラーガソリンを1Lあたり170円として計算すると、燃費16.8km/Lのエルグランドは年間約10万1,000円です。

燃費17.5km/Lのアルファードハイブリッドなら年間約9万7,000円となり、差は約4,000円にとどまります。

カタログ燃費に差があっても、年間の燃料費に直すと月額では数百円程度です。

個人的には、700万円前後のLサイズミニバンを選ぶ場面では、この差だけを理由に車種を決める必要はないと感じます。

燃費を無視してよいわけではありませんが、乗り心地、運転支援、2列目と3列目の快適性、車両価格、オプション費用まで含めた総額で判断するのが賢明です。


e-4ORCEは燃費以外にどんな効果がある?

新型エルグランドは、全車に前後ツインモーター式4WDのe-4ORCEを搭載しています。

e-4ORCEは滑りやすい路面で四輪を駆動するだけのシステムではありません。前後のモーター駆動力と四輪のブレーキを連携させ、車体の姿勢を積極的に整えます。

加速時には車体前部が持ち上がるノーズアップを抑え、減速時には前方へ沈み込むノーズダイブを軽減します。

カーブでは内側の車輪にわずかにブレーキをかけながら、外側や後輪側のモータートルクを調整し、クルマの向きを変えやすくします。

さらに、インテリジェントダイナミックサスペンションが四輪の減衰力を個別に制御。路面から受ける衝撃や車体の揺れを抑えます。

Lサイズミニバンでは、運転席の乗り味だけでなく、2列目や3列目の揺れ方が重要です。

特に3列目はリアタイヤに近く、上下動や突き上げを感じやすい場所です。新型エルグランドはe-4ORCEと電子制御サスペンションを組み合わせ、後席でもフラットに感じられる乗り心地を目指しています。

燃費だけを見ると、前後にモーターを備えた4WDは重量や抵抗の面で不利です。

しかし、その不利を抱えながら16.8km/Lを達成し、同時に走行安定性と後席の快適性を高めた点に、第3世代e-POWERの本当の価値があると考えられます。


新型エルグランドの実燃費を伸ばす運転方法は?

新型エルグランドの実燃費は、運転方法によっても変わります。

特別な燃費グッズを購入するより、まずは次の基本を意識したほうが効果を期待しやすいでしょう。

  • 日常走行ではECOモードを活用する
  • 発進時にアクセルを急激に踏み込まない
  • 停止位置を予測して早めにアクセルを戻す
  • 高速道路では一定速度を意識する
  • タイヤの空気圧を月1回程度確認する
  • 普段使わない重い荷物を積みっぱなしにしない

e-POWERはアクセルを強く踏むとモーターが大きな電力を消費し、その電力を補うために発電用エンジンの稼働が増えます。

発進から最初の5秒で時速20km程度を目安に、穏やかに速度を上げる運転が燃費改善につながります。

一方、必要以上にゆっくり加速すればよいわけではありません。交通の流れを妨げず、前方の信号や渋滞を早めに読み、無駄な加減速を減らすことが大切です。

新型エルグランドの車両重量は2.4tを超えます。重い車体を何度も強く加速させれば、それだけ多くのエネルギーが必要です。

大柄なミニバンでは、瞬間的なテクニックよりも、速度変化を小さくする滑らかな運転が燃費に効いてきます。


第3世代e-POWERの実力をどう評価する?

筆者としては、新型エルグランドの第3世代e-POWERは、燃費だけを競うためのシステムではないと考えています。

アルファードハイブリッドの最良燃費18.9km/Lに対し、新型エルグランドは16.8km/Lです。数字だけを見れば、トヨタのハイブリッドが優勢な仕様もあります。

それでも、全車4WD、2.4tを超える車重、500Nmを上回るとされる力強いトルクを備えながら16.8km/Lを実現した点は十分に高く評価できます。

新型エルグランドの魅力は、モーターならではの滑らかな加速と、e-4ORCEによる姿勢制御、電子制御サスペンションによる乗り心地を、一つのパッケージとしてまとめたことです。

つまり「燃費を最優先した結果、走りが物足りなくなったミニバン」ではありません。

走りの余裕と後席の快適性を維持しながら、旧型の大排気量ガソリン車より燃料負担を抑えたことが重要です。

一方で、実燃費については冷静に見る必要があります。

新型エルグランドは2026年7月16日に発売されたばかりで、市街地、郊外、高速道路、冬季などを含む長期的な実燃費データはまだ十分とはいえません。

特に高速道路を時速100km前後で長時間走った場合や、真夏に後席までエアコンを使用した場合に、16.9km/Lへどこまで近づけるかは今後の注目点です。

購入を検討する際は、試乗車の平均燃費表示だけで判断せず、自分が普段使う道路環境に近い条件で確認したいところです。

市街地中心なのか、高速道路中心なのか、毎回6〜7人で乗るのかによって、実燃費の印象は変わります。


まとめ

日産エルグランド新型の燃費は、X e-4ORCEとG e-4ORCEのどちらもWLTCモード16.8km/Lです。

市街地モードは15.2km/L、郊外モードは17.8km/L、高速道路モードは16.9km/Lとなり、第3世代e-POWERによって従来の課題だった高速域の効率も改善されています。

旧型E52型のJC08モード9.2km/Lとは測定方式が異なるため単純比較はできませんが、大型化・重量増・全車4WDという条件を考えれば、大幅な進化と評価してよいでしょう。

アルファードハイブリッドには燃費で上回る仕様もあるものの、年間燃料費の差は使い方によって数千円程度に収まる可能性があります。

新型エルグランドは燃費だけで選ぶクルマではありません。第3世代e-POWERの滑らかさ、e-4ORCEの安定性、後席の揺れを抑える足まわりまで含めて判断することが、後悔しない車選びにつながります。


よくある質問

日産エルグランド新型の燃費は何km/Lですか?

X e-4ORCEとG e-4ORCEは、どちらもWLTCモード16.8km/Lです。市街地15.2km/L、郊外17.8km/L、高速道路16.9km/Lとされています。

新型エルグランドはアルファードより燃費が良いですか?

すべての仕様で上回るわけではありません。アルファードハイブリッドには16.8〜18.9km/Lの仕様があり、新型エルグランドの16.8km/Lより優れたグレードもあります。ただし、駆動方式など同条件で比較する必要があります。

第3世代e-POWERで高速燃費は改善されましたか?

5-in-1電動ユニットや新世代インバーターによって高速域のエネルギー損失が抑えられ、高速道路モード16.9km/Lを実現しています。ただし、実際の高速燃費は速度、乗車人数、気温などで変動します。

ソロ(そろ)/新車・カーライフ愛好家

日産エルグランド新型2022モデルを検証|フルモデルチェンジ前との比較

2022年式の上質な大型ミニバンと次世代モデルのシルエットを比較する場面

日産エルグランドの2022年モデルはフルモデルチェンジ車ではなく、熟成が進んだ3代目E52型の後期モデルです。

安全装備や大画面ナビ、上質な室内を備える一方、2026年7月発表の新型とは設計世代や運転支援、パワートレインの考え方が大きく異なります。

日産エルグランド新型2022モデルとは?

「日産エルグランド 新型 2022」と検索すると、2022年にフルモデルチェンジした新型車が発売されたように感じるかもしれません。

しかし、2022年式エルグランドは2010年8月から販売された3代目E52型の後期モデルに当たります。2022年に世代そのものが切り替わったわけではありません。

中古車情報でも、対象モデルの販売期間は「2010年8月~2026年7月」とされています。つまり2022年式は、長く販売されたE52型の中でも比較的新しく、改良を積み重ねた時期の車両です。

2022年式の中古車で中心となっているのは、2.5リッターエンジンを搭載する「250ハイウェイスターS」や、装備を充実させた「250ハイウェイスターS アーバンクロム」「250ハイウェイスタープレミアム」などです。

掲載車両を見ると、次のような装備を備えた個体が確認できます。

  • 純正10インチナビ
  • アラウンドビューモニター
  • 後席モニター
  • 両側電動スライドドア
  • インテリジェントクルーズコントロール
  • エマージェンシーブレーキ
  • 踏み間違い衝突防止アシスト
  • 車線逸脱警報・支援機能
  • 360°セーフティアシスト
  • LEDヘッドライト
  • 電動リヤゲート
  • サンルーフ
  • シートヒーター

もちろん、すべての車両に同じ装備が付くわけではありません。グレードやメーカーオプション、販売時の仕様によって内容は異なります。

それでも、2022年式は単に古い設計のミニバンというより、長年の改良で装備を整えたE52型の完成形に近いモデルと見ることができます。

筆者としては、ここが2022年式を検討するうえで最も重要なポイントだと考えます。「新設計ではないから価値がない」のではなく、弱点と価格のバランスを理解すれば、現実的な選択肢になり得るからです。


2022年式エルグランドはフルモデルチェンジ前と何が違う?

2022年式エルグランドを「フルモデルチェンジ前」と比較する場合、比べる対象を整理する必要があります。

ひとつは、E52型の初期モデルや改良前モデルとの比較です。もうひとつは、2026年7月16日に正式発表された次世代の新型エルグランドとの比較です。

まず、同じE52型の初期モデルと比べると、2022年式は安全支援装備やナビゲーション、カメラ類が充実しています。

長期間販売されたモデルは、基本骨格が同じでも、途中の改良によって使いやすさが大きく変わります。特に家族を乗せる大型ミニバンでは、衝突被害軽減ブレーキや全周囲カメラ、踏み間違い防止機能の有無が日常の安心感を左右します。

一方、2026年7月発表の新型エルグランドは、公式情報で「プレミアムミニバンは新たな領域へ」と表現されています。

新型の公式ラインアップには、次の名称が確認できます。

  • G e-4ORCE
  • AUTECH e-4ORCE
  • AUTECH LINE e-4ORCE “G-spec”
  • VIP
  • AUTECH
  • AUTECH LINE
  • ステップタイプ

「e-4ORCE」は日産が電動化車両で展開する四輪制御技術の名称です。2022年式で中心だった2.5リッターや3.5リッターのガソリン車とは、車の動かし方や商品設計の方向性が変わったことが分かります。

また、新型ではプロパイロット2.0や、22スピーカーを備えたBOSE Premium Sound System、ルーフ取付タイプの後席専用モニターなどが注目装備として挙げられています。

比較を簡単に整理すると、次のようになります。

比較項目 2022年式E52型 2026年発表の新型
モデルの位置付け 3代目の後期・熟成型 次世代の全面刷新モデル
主な動力 2.5L・3.5Lガソリン車 e-4ORCE設定を中心に展開
運転支援 360°セーフティアシストなど プロパイロット2.0を設定
情報・快適装備 10インチナビ、後席モニターなど BOSE 22スピーカーなどを設定
購入方法 中古車が中心 新車購入が中心
向いている人 価格と装備の両立を重視 最新技術と新車の安心を重視

2022年式は、設計の新しさでは次世代モデルにかないません。ただし、購入価格まで含めると話は変わります。

新型のメーカー希望小売価格は、2026年7月現在で689万7,000円からと案内されています。税金、自賠責保険、販売諸費用、オプション、付属品などは別です。

それに対して、2022年式の中古車には支払総額200万円台後半から300万円台の掲載例があります。新旧で数百万円の差が生じるため、単純に装備の新しさだけで優劣を決めるのは現実的ではありません。


日産エルグランド2022年式の中古車価格は?

参考となる中古車情報では、エルグランド全体の平均価格は145.9万円、価格帯は19.9万~732万円と表示されています。

ただし、この平均価格には2010年以降の幅広い年式やグレードが含まれます。2022年式だけの相場を示す数字ではない点に注意が必要です。

2022年式の掲載例では、次のような価格が確認できます。

  • 250ハイウェイスターS、走行4.8万km:支払総額279.7万円
  • 250ハイウェイスターS、走行距離不明の掲載例:支払総額321.2万円
  • 250ハイウェイスターS アーバンクロム、走行3.2万km:支払総額330.3万円
  • 250ハイウェイスターS、サンルーフ付き、走行4.9万km:支払総額329.8万円
  • 250ハイウェイスターS アーバンクロム、走行1.8万km:支払総額373万円
  • 3.5 VIP、走行1.1万km:支払総額567万円

この価格差は、走行距離だけでなく、グレード、サンルーフ、本革シート、後席モニター、純正ナビ、電動リヤゲートなどの装備によって生まれます。

特にエルグランドは、同じ2022年式でも「250ハイウェイスターS」と「VIP」では商品性が大きく違います。年式だけで検索結果を並べ、最安車を選ぶ買い方はおすすめできません。

中古車選びでは、車両本体価格よりも支払総額と装備内容をセットで比べることが大切です。

例えば、車両本体価格が安くても、ナビや後席モニターが付いていなければ、購入後に追加費用がかかります。タイヤ交換、車検整備、保証の延長などを含めると、最初から装備がそろった車両のほうが結果的にお得になる場合があります。

筆者がコスパ重視で選ぶなら、2.5リッターの250ハイウェイスターS系を軸に、アラウンドビューモニター、両側電動スライドドア、衝突被害軽減ブレーキ、純正ナビの有無を確認します。

VIPや3.5リッター車は魅力的ですが、購入後の燃料代や税負担まで考えると、誰にでも合理的とは限りません。見栄より実用性を優先するなら、必要な装備がそろった2.5リッター車のほうが選びやすいでしょう。

なお、中古車の価格や在庫は常に変動します。掲載価格だけで判断せず、最新情報と諸費用の内訳を販売店で確認してください。


2022年式エルグランドの長所と注意点は?

2022年式エルグランドの長所は、プレミアムミニバンらしい存在感と快適装備を、新型より抑えた予算で狙えることです。

中古車の口コミ情報では、総合評価4.1、外観4.5、走行性能4.2、燃費・経済性3.0、価格3.7、内装・装備4.3という数字が掲載されています。

この評価からも、エルグランドは外観や走り、内装装備への満足度が高い一方、燃費や経済性には厳しい意見が出やすい車だと読み取れます。

特に注意したいのは、次の点です。

  • ガソリン車のため燃料代を見込む必要がある
  • 大型車なのでタイヤや消耗品の費用が高くなりやすい
  • 車幅や全長を踏まえて駐車場を確認する必要がある
  • 同年式でも装備差が大きい
  • 社外部品で大きく改造された車両もある
  • 保証内容が販売店によって異なる
  • 7人乗りと8人乗りでは座席の使い方が異なる

中古車情報には、20インチホイール、車高調、社外エアロ、社外マフラー、加工された灯火類などを装着した車両も見られます。

改造車が悪いわけではありませんが、初めて大型ミニバンを買う方には、純正状態に近く、点検記録や保証が明確な車両のほうが安心しやすいでしょう。

また、装備欄に「プロパイロット」と記載された中古車もありますが、販売店側の表記が必ずしもメーカー公式の装備名称と一致するとは限りません。

購入時には、カタログ上の正式装備と実車のスイッチ、機能、取扱説明書を確認することが重要です。中古車サイトの説明文だけで判断しない姿勢が、後悔を減らします。


新型エルグランドと2022年式はどちらを選ぶべき?

最新技術や電動化、新車保証を重視するなら、2026年7月16日に発表された新型エルグランドが有力です。

公式サイトでは、プロパイロット2.0、BOSE Premium Sound System、後席専用モニターなどが人気オプションとして紹介されています。

ボディカラーは全5色とされ、人気色としてプリズムホワイト、至極、ミッドナイトブラックが掲載されています。

一方で、新型の価格は689万7,000円からです。グレードやオプション、諸費用を加えると、実際の支払額はさらに増える可能性があります。

2022年式なら、新型の半額程度に収まる掲載例もあります。差額を燃料代や整備費に回しても、総支出を抑えられる可能性は十分にあります。

選び方は、次のように整理すると分かりやすいでしょう。

2022年式が向いている人

  • 予算を300万円前後に抑えたい
  • ガソリン車でも問題ない
  • 最新世代であることに強くこだわらない
  • ナビや後席モニターなどの実用装備を重視する
  • 価格と見た目のバランスを求める

2026年発表の新型が向いている人

  • e-4ORCEなど新しい技術に魅力を感じる
  • プロパイロット2.0を利用したい
  • 新車保証や長期保有の安心感を重視する
  • 予算に余裕がある
  • 数年後の先進性や商品価値も重視する

筆者としては、年間走行距離がそれほど多くなく、予算を抑えて上質なミニバンに乗りたい方には、2022年式が面白い選択肢だと感じます。

逆に、長距離移動が多く、運転支援や電動四輪制御に価値を感じる方は、新型に予算をかける意味があります。

重要なのは、「新しいほうが得」「中古のほうが安い」という一面的な判断をしないことです。購入価格、燃料代、整備費、装備、保有年数を合わせて考える必要があります。


2022年式を買うならどこを確認すべき?

2022年式は比較的新しい中古車ですが、登録から数年が経過しています。走行距離が少なくても、使われ方や保管環境によって状態は異なります。

まず確認したいのは、車両の修復歴と整備記録です。

販売店保証についても、6か月・5,000km、12か月・走行距離無制限、3か月・3,000kmなど、掲載車によって差があります。保証期間だけでなく、対象部品と免責事項も確認しましょう。

次に、電動装備を実際に動かします。

  • 両側電動スライドドア
  • 電動リヤゲート
  • ナビゲーション
  • アラウンドビューモニター
  • 後席モニター
  • シートヒーター
  • サンルーフ
  • 各種安全支援機能

大型ミニバンは電動装備が多いため、不具合があると修理費が膨らむことがあります。納車前点検でどこまで確認するのか、書面で示してもらうと安心です。

タイヤの状態も重要です。残り溝だけでなく、製造年、ひび割れ、偏摩耗を確認してください。

大型ミニバン用タイヤは軽自動車用より高額になりやすいため、購入直後に4本交換となると、車両価格の安さが薄れてしまいます。

さらに、7人乗りと8人乗りの違いも実車で確かめたいところです。

2列目の快適性を優先するなら7人乗り、乗車人数や座席配置の柔軟性を重視するなら8人乗りが候補になります。家族構成や使い方に合わないと、豪華な装備があっても不便に感じます。

私なら、候補車を2~3台に絞ったうえで、装備、保証、タイヤ、整備内容を金額に置き換えて比較します。

車両本体が10万円安くても、タイヤ交換や保証延長で15万円かかるなら、最初から状態の良い車両を選ぶほうが合理的です。これが中古車で「安い車」と「お得な車」を見分けるポイントです。


日産エルグランド新型2022モデルをどう評価する?

個人的には、2022年式エルグランドを「古いモデルだから候補外」と決めるのは早いと考えます。

確かに基本設計は2010年登場のE52型で、2026年発表の新型と比べれば世代差があります。電動化や運転支援の進化を重視する人には、物足りなく映るでしょう。

しかし、2022年式には360°セーフティアシスト、全周囲カメラ、衝突被害軽減ブレーキ、10インチナビ、後席モニターなど、日常で役立つ装備を備えた車両があります。

見た目の存在感や室内装備を重視しながら、新車価格を抑えたい方にとっては、まだ十分に検討価値があります。

特に注目したいのは、新型登場による中古車市場の変化です。

新型への乗り換えが進めば、2022年式を含む後期E52型の流通台数が増える可能性があります。一方で、状態が良く装備の充実した車両には需要が集まり、必ずしも大幅に安くなるとは限りません。

これは私見ですが、狙い目は単純な最安車ではなく、純正10インチナビ、アラウンドビューモニター、両側電動スライドドア、安全支援装備がそろった2.5リッター車です。

新型との差額を考えると、燃料代や将来の整備費を多めに見積もっても、総額では2022年式が有利になるケースがあります。

ただし、年間走行距離が多い方は慎重に計算すべきです。購入価格が安くても、燃費や消耗品の差が積み重なるため、保有期間全体で見ると新しい電動化モデルとの差が縮まる可能性があります。

2022年式の価値は、最新性能ではなく、価格が現実的になった上質な大型ミニバンという点にあります。そこに魅力を感じるかどうかが、選択の分かれ目でしょう。


まとめ

日産エルグランドの2022年モデルは、2022年にフルモデルチェンジした車ではなく、2010年から続いた3代目E52型の後期モデルです。

基本設計の古さはありますが、360°セーフティアシスト、全周囲カメラ、純正10インチナビ、後席モニターなどを備えた車両があり、装備面では現在でも実用的です。

2026年7月16日発表の新型は、e-4ORCEやプロパイロット2.0などで大きく進化しています。一方、メーカー希望小売価格は689万7,000円からで、2022年式中古車とは購入予算に大きな差があります。

コスパを重視するなら、2.5リッターの250ハイウェイスターS系を中心に、支払総額、装備、保証、タイヤ、整備記録を比較するのが賢い選び方です。

最新技術を求めるなら新型、価格と装備のバランスを求めるなら2022年式というように、自分の使い方と予算を基準に判断しましょう。


よくある質問

日産エルグランドは2022年にフルモデルチェンジしましたか?

いいえ。2022年式は2010年8月から続いた3代目E52型の後期モデルです。全面刷新された次世代モデルは2026年7月16日に正式発表されています。

2022年式エルグランドの中古車はいくらくらいですか?

参考情報では、2.5リッター車を中心に支払総額200万円台後半から300万円台の掲載例があります。VIPなど上級グレードでは500万円を超える例もあり、装備や走行距離で価格が変わります。

2022年式と新型エルグランドはどちらがお得ですか?

購入価格を重視するなら2022年式が有利になりやすく、最新の電動化技術や運転支援、新車保証を重視するなら新型が向いています。燃料代や整備費を含む総額で比較することが大切です。

ソロ(そろ)/新車・カーライフ愛好家

日産エルグランド新型の内装を徹底チェック|高級感や装備を詳しく紹介

日産エルグランド新型の内装は、和の美意識を取り入れた色彩、大型ディスプレイ、全席ゼログラビティーシートによって、快適性と上質感を大きく進化させています。

特に「紫檀」と「銀雪」という個性的な内装色や、くつろぎやすい2列目キャプテンシートは、新型エルグランドの大きな見どころです。

日産エルグランド新型の内装は何が変わった?

日産エルグランドは、1997年に初代が登場したプレミアムミニバンです。

新型は2010年に発売された3代目以来、16年ぶりのフルモデルチェンジとなる4代目モデルで、内装も全面的に見直されました。

新型エルグランドの室内で目を引くのは、単純に豪華な素材を並べるのではなく、日本らしい美意識と先進装備を組み合わせている点です。

内装の主な特徴は次のとおりです。

  • 「紫檀」「銀雪」「ダーク」の3種類の内装色
  • 14.3インチの大画面統合型インターフェースディスプレイ
  • 木目調パネルと一体化したシームレスな静電式スイッチ
  • 全席に採用されたゼログラビティーシート
  • 2列目独立型キャプテンシート
  • 助手席と2列目左右席に用意されたオットマン
  • マルチカラー対応のアンビエントライティング
  • BOSEスピーカーグリルなどのメーカーオプション
  • 開閉可能なサンルーフ

水平基調のインストルメントパネルと、高い位置に設けられたワイドなセンターコンソールによって、運転席まわりには広がりと包まれ感の両方が与えられています。

先代モデルより運転席のアイポイントが76mm高くなり、見晴らしの良さも向上したとされています。

これは内装の見た目だけではなく、日常での運転のしやすさにも関係する重要な変更です。

高級ミニバンは後席の豪華さに注目が集まりがちですが、運転する人が疲れにくく、車両感覚をつかみやすいことも、長く乗るうえでは欠かせません。


内装色「紫檀」と「銀雪」はどんなデザイン?

日産エルグランド新型の内装を象徴するのが、「紫檀(シタン)」と「銀雪(ギンセツ)」という2種類のカラーコーディネートです。

どちらも単なる黒、白、ベージュといった一般的な呼び方ではなく、日本の伝統や自然を連想させる世界観が与えられています。

紫檀は深みのある紫と濃紺を組み合わせた内装

「紫檀」は、銘木である紫檀から着想を得た内装です。

深みのある紫と濃紺を大胆に組み合わせ、伝統的な美しさを現代的な車内空間へ落とし込んでいます。

紫と聞くと派手な印象を持つかもしれませんが、公開された内装は明るく鮮やかな紫ではありません。

落ち着きのある暗い色調を中心としているため、上品さを保ちながら、一般的なブラック内装とは違う個性を感じられます。

公式資料では、G e-4ORCEに「紫檀〈L〉」を組み合わせた仕様が紹介されています。

デコレーションステッチ、アームレスト、フロントセンターコンソールボックスなども周囲の色調に合わせられ、車内全体に統一感が生まれています。

個人的には、紫檀は高級感を派手なメッキや光沢だけで表現していないところに好感を持ちました。

夜の送迎や長距離移動でも落ち着いて過ごせそうな、少し暗めの応接室のような雰囲気です。

銀雪はホワイト基調で明るく清潔感のある内装

「銀雪」は、静かな雪景色をイメージしたホワイト基調の内装です。

紫檀が重厚で落ち着いた印象なのに対し、銀雪は明るさ、清潔感、空間の広がりを感じやすい仕上がりとなっています。

こちらもG e-4ORCEに設定される内装色として紹介されています。

新型エルグランドは全高が先代より160mm高くなっており、銀雪の明るい色調と組み合わさることで、実際の寸法以上に開放的な室内へ感じられる可能性があります。

ただし、白系の内装は衣服の色移りや靴による汚れが目立ちやすい点に注意が必要です。

小さな子どもを乗せる機会が多い家庭では、見た目の美しさだけで決めず、展示車で素材の手触りや手入れ方法を確認したいところです。

X e-4ORCEには落ち着いたダーク内装を設定

新型エルグランドには、X e-4ORCE向けとして「ダーク〈G〉」も用意されています。

紫檀や銀雪ほど強い個性を求めず、落ち着いた車内を好む人には選びやすいカラーです。

高級ミニバンだからといって、必ず明るい革内装や華やかな加飾を選ぶ必要はありません。

長く乗ることや汚れの目立ちにくさまで考えると、ダーク内装が最も現実的だと感じる人も多いでしょう。


運転席まわりの装備と使いやすさは?

新型エルグランドの運転席には、14.3インチの大画面統合型インターフェースディスプレイが採用されています。

メーターやナビゲーションなどの情報を大きな画面上で確認でき、視認性と先進感を高める装備です。

インストルメントパネルは水平基調で、前方の広さを感じやすいデザインになっています。

センターコンソールはワイドかつ高めに設定され、運転席と助手席をほどよく区切る構成です。

高いコンソールはコックピットらしい包まれ感を生みますが、購入前には足元や左右方向の余裕も確認しておきたいところです。

体格や運転姿勢によっては、ひざまわりの感覚が異なるためです。

空調操作部には、木目調パネルと一体化したシームレスな静電式スイッチが採用されています。

スイッチ類がパネルの中へ溶け込むことで、従来の物理ボタンが並ぶ内装よりもすっきりと見えます。

一方、静電式スイッチは凹凸が少なく、手探りだけでは操作しにくい場合があります。

見た目の美しさと運転中の扱いやすさが両立しているかは、試乗時に確認したいポイントです。

実際に運転席へ座ったら、エアコンの温度変更や風量調整を行い、視線を大きく落とさず操作できるか試してみるとよいでしょう。

フロントセンターコンソールには、アームレスト付きの収納ボックスも備わります。

大型ミニバンはスマートフォン、財布、飲み物、充電ケーブルなどを車内へ持ち込む機会が多いため、収納の容量や配置は日常の満足度を左右します。

見た目だけでなく、ふたの開き方や助手席からの使いやすさまで確かめることが大切です。


2列目キャプテンシートの快適装備は?

新型エルグランドの乗車定員は、2人・2人・3人の合計7人です。

2列目は独立型のキャプテンシートのみとなり、多人数を詰め込むより、1人ずつがゆったり座る快適性を重視しています。

2列目シートは、背もたれ全体だけでなく上部だけを倒せる「中折れタイプ」です。

背中全体の角度を大きく変えなくても、肩や頭の位置を調整しやすいため、長時間移動時の姿勢を細かく整えられます。

さらに、2列目左右席と助手席の合計3席ではオットマンが使用できます。

足を支えながら座れるため、高速道路を使った長距離移動や休憩時の快適性向上が期待できます。

全席には、体圧を分散しやすい「ゼログラビティーシート」が採用されます。

体の特定部分へ負担が集中しにくい設計で、前席だけでなく3列目まで同じ考え方が取り入れられている点は、新型エルグランドの強みです。

プレミアムミニバンでは、2列目だけを豪華にして3列目を補助席のように扱う車もあります。

その点、新型エルグランドが全席の座り心地を重視したことは、家族全員で移動するユーザーにとって意味のある進化だと考えます。

ただし、シートの快適性は体格によって感じ方が変わります。

座面の長さ、ひざ裏への当たり、ヘッドレストの位置、アームレストの高さなどは、家族も一緒に座って確認するのがおすすめです。

ディーラーオプションでは、シートバックパーソナルリアモニターも用意されます。

装着する場合は、メーカーオプションのシートバックパーソナルリアモニター取付パッケージを選ぶ必要があるため、注文時の組み合わせに注意が必要です。

後からモニターだけを追加できるとは限らないので、子どもの動画視聴や長距離移動で使う予定があるなら、見積もりの段階で確認しておきましょう。


アンビエントライトやBOSEなどの高級装備は?

新型エルグランドには、マルチカラー対応のアンビエントライティングが設定されています。

室内の間接照明として色を変えられるだけでなく、プロパイロットとの連動機能も備えます。

アンビエントライトは見た目を飾る装備と思われがちですが、夜間にスイッチや車内の輪郭を把握しやすくする役割もあります。

強すぎる照明ではなく、運転の邪魔にならない明るさで室内を包めるなら、実用性のある装備といえるでしょう。

BOSEスピーカーグリルはメーカーオプションとして紹介されています。

BOSEのオーディオシステムを選択できる仕様であれば、広いミニバンの車内でも音の広がりや臨場感が期待できます。

ただし、オーディオは価格が上がりやすい装備です。

音楽を日常的に楽しむ人には魅力的ですが、ラジオや会話が中心の使い方なら、標準システムとの差額をほかの安全装備や快適装備へ回す考え方もあります。

新型エルグランドには、開閉可能なサンルーフも設定されます。

開発陣は、流行している大型のパノラマサンルーフではなく、実際に開閉できることを重視したと説明しています。

固定式の大きなガラスルーフは明るさや開放感に優れますが、換気の自由度は限られます。

新型エルグランドは見た目の大きさより、窓を開けて外気を取り込める実用性を選んだわけです。

これは、豪華さだけを競うのではなく、使う人の生活を考えた判断として評価できます。


3列目シートと荷室の使い勝手は?

新型エルグランドの3列目シートは3人掛けで、50対50の分割式です。

シートには前後スライド機構が備わり、乗員の足元と荷室容量のバランスを調整できます。

3列目を最も後ろまで下げた状態では、荷室の奥行きは限られます。

7人全員が乗り、それぞれが大きな荷物を持つ旅行では、積載方法を工夫する必要がありそうです。

一方、3列目を前へスライドさせれば、乗車人数を維持したまま荷室を広げられます。

3列目は左右の側方へ跳ね上げて収納する方式です。

電動格納ではなく、手動で持ち上げてベルトで固定する構造ですが、公開された車両では操作が極端に重い印象ではなかったとされています。

横への跳ね上げ式は床面を広く使いやすい一方、格納したシートが荷室側面に残ります。

大きな家具や自転車などを積む場合は、床下格納式との違いを理解しておく必要があります。

新型エルグランドの荷室は、単純な最大容量よりも、3列目を普段から使う家庭が乗員と荷物の配分を調整しやすい点に特徴があると考えられます。

購入時にはカタログの数値だけで判断せず、普段使用するベビーカー、旅行かばん、車いす、買い物かごなどを想定して確認するのが確実です。


日産エルグランド新型の内装をどう評価する?

ここからは、公開されている情報を踏まえた筆者の考察です。

新型エルグランドの内装は、トヨタ・アルファードやヴェルファイアと同じ方法で豪華さを競うのではなく、独自の方向へ進んだように感じます。

紫檀や銀雪といった内装色、木目調パネル、アンビエントライトを使いながらも、派手な加飾だけに頼っていません。

「高級ミニバンだから、とにかく光らせる」という発想ではなく、色、素材、照明、シートを組み合わせて居心地を高めようとしています。

特に注目したいのは、全席へのゼログラビティーシート採用です。

高額なミニバンでは2列目に視線が集中しますが、実際の家族利用では、運転席、助手席、3列目にも人が座ります。

全席の負担軽減を考えた設計は、カタログ上の豪華装備ほど派手ではないものの、長く使うほど価値を感じやすい部分でしょう。

一方で、静電式のエアコンパネルや手動式の3列目格納などは、好みが分かれる可能性があります。

見た目が先進的でも、操作に視線を使うようでは運転中の負担になります。

また、高級ミニバンに電動格納を求める人にとっては、3列目を手で持ち上げる方式が物足りなく感じられるかもしれません。

コスパを重視して見るなら、豪華装備をすべて付けることが正解とは限りません。

BOSEオーディオ、後席モニター、サンルーフなどは魅力的ですが、使用頻度が低ければ支払額に対する満足度は下がります。

自分や家族が毎日触れるシート、空調、収納、視界を優先し、趣味性の高い装備は予算に余裕がある場合に加える選び方が賢明です。

また、紫檀と銀雪は写真だけで決めず、実車で色味を確認したいところです。

画面や照明環境によって紫の深さや白内装の明るさは大きく変わります。

日中と夜間で雰囲気がどう変化するか、汚れの目立ち方はどうかまで想像すると、購入後の後悔を減らせます。

新型エルグランドは、外観の存在感だけでなく、乗員が移動時間をどう過ごすかに重点を置いたモデルといえます。

高級感を見栄のための装飾ではなく、疲れにくさや落ち着きとして捉えている点が、内装の最大の特徴ではないでしょうか。


まとめ

日産エルグランド新型の内装には、「紫檀」「銀雪」「ダーク」という3種類のカラーが用意され、日本らしい美意識と現代的な装備が組み合わされています。

運転席には14.3インチの大画面ディスプレイやシームレスな空調パネルを採用し、全席にはゼログラビティーシートを装備します。

2列目は中折れ機構とオットマンを備えた独立型キャプテンシートで、3列目には前後スライドと左右跳ね上げ式の収納機構が用意されています。

アンビエントライティング、BOSEオーディオ、後席モニター、開閉式サンルーフなど、快適性を高める装備も充実しています。

一方で、静電式スイッチの操作性、3列目の手動格納、白系内装の汚れやすさなどは、購入前に実車で確認すべきポイントです。

新型エルグランドの内装選びでは、見た目の豪華さだけでなく、家族構成、乗車人数、長距離移動の頻度、荷物の量まで考えることが大切です。


よくある質問

日産エルグランド新型の内装色は何種類ありますか?

公開情報では、G e-4ORCEに「紫檀〈L〉」と「銀雪〈W〉」、X e-4ORCEに「ダーク〈G〉」が設定されています。

グレードやオプションによって選択条件が異なる可能性があるため、最新の組み合わせは日産販売店で確認してください。

新型エルグランドは何人乗りですか?

新型エルグランドは、前席2人、2列目2人、3列目3人の合計7人乗りです。

2列目はベンチシートではなく、独立型キャプテンシートのみとなっています。

新型エルグランドの3列目は床下に収納できますか?

3列目は床下格納式ではなく、左右の側方へ跳ね上げ、ベルトで固定する方式です。

前後スライド機構があるため、3列目を使用したまま荷室の広さを調整できます。

執筆者:ソロ(新車・カーライフ愛好家)

日産エルグランド新型2025年モデルの最新動向|価格や内装の見通しも紹介

日産エルグランド新型2025は、2025年に先行公開され、2026年7月16日に正式発売された16年ぶりの全面刷新モデルです。

価格は689万7000円からで、第3世代e-POWERとe-4ORCEを全車に搭載し、内装も大画面ディスプレイや「紫檀」「銀雪」などを採用した上質な空間へ進化しました。

日産エルグランド新型2025とは?実際の発売は2026年

「日産エルグランド新型2025」と検索すると、2025年中に発売されたモデルだと思う方もいるかもしれません。

しかし正確には、2025年10月29日にジャパンモビリティショー2025で先行公開され、2026年5月28日に予約受注開始、同年7月16日に正式発売されたモデルです。

つまり、「2025年モデル」という呼ばれ方は、2025年に新型の姿が世界初公開され、外観や内装、主要技術が明らかになったことに由来すると考えると分かりやすいでしょう。

従来型エルグランドは2010年に登場しており、今回のフルモデルチェンジは約16年ぶりです。

ミニバン市場では、その間にトヨタ・アルファードやヴェルファイアが急速に存在感を高めました。

新型エルグランドは、単に古くなった内外装を新しくするのではなく、日産のフラッグシップミニバンとして、走行性能、電動技術、安全装備、室内の快適性まで大幅に刷新しています。

発売までの主な流れは以下の通りです。

  • 2025年10月29日:大型ミニバン新型エルグランドを先行公開
  • 2025年11月:ジャパンモビリティショー2025で外観・内装を公開
  • 2026年5月28日:予約受注を開始
  • 2026年7月16日:正式発売
  • 2026年7月下旬ごろ:販売店への試乗車配車が進む

2025年の発表時点では「2026年夏発売予定」と案内されていましたが、その後、価格やグレード、装備内容が明らかになり、実際に市販へ移行しました。

そのため、これから購入を検討する方は、予想情報だけでなく、2026年7月時点で公表されている正式な価格や装備を基準に判断する必要があります。


日産エルグランド新型2025価格は689万7000円から

日産エルグランド新型2025の価格は、基本グレードの「e-POWER X e-4ORCE」が689万7000円、上級グレードの「e-POWER G e-4ORCE」が757万9000円です。

従来型より大幅に高価格化していますが、その理由は、パワートレインや駆動方式を簡素な仕様から選べないことにあります。

新型エルグランドは、全車が第3世代e-POWERと電動4輪制御技術のe-4ORCEを搭載します。

一般的なガソリンエンジン車や、価格を抑えた2WD車は用意されていません。

グレード 価格(税込) 主な内装色
e-POWER X e-4ORCE 689万7000円 ダーク
e-POWER G e-4ORCE 757万9000円 紫檀、銀雪

XとGの価格差は68万2000円です。

Xにも両側電動スライドドア、アルミホイール、エアロパーツ、e-4ORCE、インテリジェントダイナミックサスペンションなどが標準装備されます。

一方のGには、通信機能を備えたインフォテインメントシステム、後席専用モニター、100V・1500W電源コンセント、1列目と2列目のシートベンチレーションなどが追加されます。

Xでは、インフォテインメントシステム、ETC2.0、後席専用モニターなどを組み合わせた装備が24万9700円、100V・1500W電源コンセントが9万9800円のメーカーオプションです。

この2つだけでも合計約35万円になるため、家族で長距離移動する予定があり、後席モニターや電源を使いたい方は、最初からGを選んだ方が装備内容を整理しやすいでしょう。

さらに、BOSEプレミアムサウンドシステム、高遮音ガラス、プロパイロット2.0などを含む装備は、73万2600円のオプションとして設定されています。

ツインガラスサンルーフは15万4000円、ワイパーデアイサーなどを含むクリアビューパックは3万3000円です。

ボディカラーも有償色があり、プレミアムホワイトは6万500円、ミッドナイトブラックや至極は7万5900円、フジドーンと至極を組み合わせた2トーンは25万3000円となっています。

車両本体だけでなく、オプションや諸費用まで含めると、Gは800万円を超える可能性があります。

価格を重視する方は、カタログ上の車両価格だけを見るのではなく、必要な装備を加えた総支払額でXとGを比べることが重要です。


日産エルグランド新型2025内装は何が変わった?

日産エルグランド新型2025の内装は、「特別なプライベートラウンジ」を目指して開発されています。

従来型の落ち着いた高級感を残しながら、ディスプレイ、照明、素材の見せ方を大幅に現代化したことが特徴です。

運転席まわりには、国内の日産車で初採用となる14.3インチの統合型インターフェースディスプレイが配置されました。

メーターディスプレイも大型化され、ナビゲーションや車両情報を見やすく表示できます。

センター部分には幅広く高さのあるコンソールを採用し、木目調パネルと一体化した静電式スイッチを組み合わせています。

物理的なスイッチを大量に並べるのではなく、家具のような面の美しさを意識したデザインです。

また、最大64色から選べるアンビエントライティングを用意し、プロパイロットとの連動機能も備えています。

夜間は、単に明るく照らすだけではなく、室内の輪郭を柔らかく浮かび上がらせる演出が期待できます。

内装色は、Gに「紫檀」と「銀雪」、Xに「ダーク」が設定されます。

紫檀は銘木から着想を得た色で、紫と濃紺を組み合わせた個性的な内装です。

銀雪はホワイトを基調とし、雪景色のような静けさや清潔感を表現しています。

一方、Xのダーク内装は華やかさを抑え、汚れの目立ちにくさや使いやすさを重視したい方に向いているでしょう。

個人的には、エルグランドらしい独自性を求めるなら紫檀、家族で日常的に使うことを考えるならダークが現実的だと感じます。

明るい銀雪は展示車では非常に映えますが、子どもを乗せる機会が多い家庭では、汚れや衣類からの色移りも確認しておきたいところです。

シートやドアトリムには、外観のフロントグリルと共通する「組子」のパターンが取り入れられています。

外から見たデザインと車内の意匠がつながっており、単に高価な素材を並べるのではなく、車全体で統一感を持たせている点は新型の魅力です。

BOSEプレミアムサウンドシステムは22スピーカー構成で、3Dサラウンド再生に対応します。

オーディオゾーンコントロールや通話音ゾーンコントロールも用意され、前席と後席で異なる音の環境を作れる点が特徴です。

ただし、すべての装備が標準ではありません。

展示車や広報写真は多くのオプションを装着している場合があるため、実際に注文するグレードで同じ内装になるのかを販売店で確認することが大切です。


新型エルグランドの外観と走行性能はどう進化した?

新型エルグランドのデザインコンセプトは、「The private MAGLEV」です。

MAGLEVはリニアモーターカーを意味し、高速でありながら滑らかで静かな移動空間を、新しいエルグランドの姿に重ねています。

フロントグリルは日本の伝統工芸である組子をモチーフとし、上部には横一文字のシグネチャーランプを配置しました。

ヘッドライトは上下に分かれた二段構成で、従来のエルグランドらしさを残しつつ、先進的な印象に仕上げています。

ボディは従来型より全高が90mm以上、全幅が40mm近く拡大されたとされ、Lサイズミニバンらしい堂々とした存在感が強まりました。

横から見ると水平基調の長いシルエットで、リアにも横一文字のランプを採用しています。

外観はアルファードのように押し出しの強さだけを前面に出すのではなく、面の大きさと細部の緻密さを組み合わせたデザインです。

好みは分かれますが、日産らしい電動車の先進感と、日本的な装飾を両立しようとした意図は伝わります。

走行面では、新開発の直列3気筒1.5Lターボ発電用エンジン「ZR15DDTe」と、5-in-1構造の第3世代e-POWERユニットを採用しています。

e-POWERは、エンジンで発電し、タイヤは基本的にモーターで駆動する仕組みです。

アクセルを踏んだ直後からモーターの大きなトルクを使えるため、大柄で重いミニバンでも滑らかに加速しやすい利点があります。

報道されている最大トルクは500Nmを上回り、一般的なガソリン車に例えると4.5L級に相当する力強さと評価されています。

さらに、前後のモーターを制御するe-4ORCEと、4輪のショックアブソーバーを制御するインテリジェントダイナミックサスペンションを全車に採用しました。

カーブや高速道路で車体の姿勢を整えながら、コンフォートモードではショックアブソーバーの減衰力を弱め、乗り心地を柔らかくできます。

新型エルグランドのWLTCモード燃費は16.8km/Lです。

同クラスのトヨタ・アルファード ハイブリッドZ E-Fourは17.4~18.0km/Lとされるため、燃費だけならアルファードがやや有利です。

ただし、新型エルグランドは燃費性能よりも、力強い加速と高速安定性に重点を置いていると考えられます。


アルファードより高い?価格と装備を比較

新型エルグランドXの689万7000円に対し、比較対象となるアルファード ハイブリッドZ E-Fourは657万円です。

単純な車両価格では、エルグランドXが32万7000円高くなります。

加えて、アルファード ハイブリッドZ E-Fourには、100V・1500W電源コンセントや一部の運転支援装備が標準で備わります。

エルグランドXではインフォテインメントシステムやETC2.0、電源コンセントなどがオプションになるため、同等に近い装備をそろえると価格差はさらに広がります。

2列目シートも違いが明確です。

アルファード ハイブリッドZ E-Fourは、両側に固定式アームレストを備えたエグゼクティブパワーシートを採用しています。

新型エルグランドXの2列目は、比較的シンプルなセパレートシートです。

後席の豪華さや分かりやすいおもてなし感では、アルファードが優勢でしょう。

一方、新型エルグランドは、モーターらしい加速、e-4ORCEによる安定性、可変サスペンションによる走りの質を強みにしています。

つまり、アルファードは「乗せてもらう人の満足感」、エルグランドは「運転する人も楽しめること」に重点を置いた違いがあります。

新型エルグランドを価格だけで評価すると、割高に見えるのは事実です。

しかし、SUVやセダンから乗り換えても運転の退屈さを感じにくい大型ミニバンを求める方にとっては、価格差に意味を見いだせる可能性があります。

反対に、2列目の豪華さ、燃費、リセールバリューを最優先する場合は、アルファードも含めて慎重に比較した方がよいでしょう。


日産エルグランド新型2025はどのグレードがお得?

価格をできるだけ抑えたい場合はXが基本ですが、オプションを加えすぎるとGとの価格差が縮まります。

インフォテインメントシステム、後席専用モニター、100V・1500W電源コンセントなどを必要とするなら、Gの方が装備と価格のバランスを整理しやすいでしょう。

一方、後席モニターを市販品で補い、1500W電源も使わず、内装の華やかさより総額を抑えたい方にはXが合います。

Xは689万7000円と安くはありませんが、e-POWER、e-4ORCE、可変サスペンションといった走りの基本部分はGと共通です。

これは新型エルグランドのグレード選びで見落としやすいポイントです。

高級装備の差はありますが、走行性能の根幹は下位グレードでも大きく削られていません。

私見では、運転性能を重視し、装備を必要最小限に抑えられる人にはXが最もエルグランドらしい買い方だと考えます。

反対に、家族の送迎や旅行で後席の快適装備を日常的に使い、数年後の売却も意識するならGが無難です。

ただし、リセールバリューは市場の人気、供給量、ボディカラー、走行距離によって変わります。

「上級グレードなら必ず高く売れる」とは限らないため、売却価格だけを理由に不要な装備を付けるのはおすすめしません。


新型エルグランドの今後をどう見る?

筆者としては、新型エルグランドの最大の価値は、アルファードと同じ豪華さを追いかけるのではなく、運転する楽しさを残したプレミアムミニバンとして再出発した点にあると考えます。

現在の大型ミニバンは、2列目の豪華装備や送迎車としての見栄えが注目されがちです。

しかし実際の購入者には、自分でハンドルを握り、家族を乗せて高速道路や旅行へ出かける人も多くいます。

そうした使い方では、直進安定性、横風への強さ、カーブでの姿勢、加速時の余裕も重要です。

新型エルグランドは、e-4ORCEと可変サスペンションによって、この「運転席の満足」を強く意識しています。

一方で、689万7000円からという価格は、一般家庭が気軽に選べる水準ではありません。

Xに必要なオプションを加えると、アルファードとの差は見過ごせないほど広がります。

新型エルグランドが市場で定着するには、試乗した人が価格差以上の走りの良さを実感できるかが鍵になるでしょう。

また、床面がやや高く、乗り降りには注意が必要と評価されています。

高齢の家族や小さな子どもを頻繁に乗せる場合は、カタログだけで決めず、スライドドアの開口部、ステップの高さ、2列目と3列目への移動を実車で確認したいところです。

内装についても、14.3インチディスプレイや64色の照明は魅力的ですが、日常で重要なのは操作の分かりやすさです。

静電式スイッチは見た目がすっきりする反面、走行中に指先だけで操作しにくい可能性があります。

試乗では加速や乗り心地だけでなく、エアコン操作、ナビの反応、後方視界、シートの乗降性まで確認することをおすすめします。


まとめ

日産エルグランド新型2025は、2025年10月に先行公開され、2026年7月16日に正式発売された16年ぶりのフルモデルチェンジ車です。

価格はXが689万7000円、Gが757万9000円で、全車に第3世代e-POWER、e-4ORCE、インテリジェントダイナミックサスペンションを搭載します。

内装は14.3インチ統合型ディスプレイ、最大64色のアンビエント照明、紫檀や銀雪といった個性的な内装色によって大きく進化しました。

アルファードより価格や一部装備で不利な面はありますが、力強いモーター駆動と安定した走りは、新型エルグランドならではの魅力です。

購入時は、豪華さだけでなく、必要なオプションを含めた総額、2列目の使い方、乗り降りのしやすさ、運転する楽しさまで含めて判断すると、自分に合うグレードを選びやすくなるでしょう。


よくある質問

日産エルグランド新型2025はいつ発売されましたか?

2025年10月29日に先行公開され、2026年5月28日に予約受注を開始し、2026年7月16日に正式発売されました。

日産エルグランド新型2025の価格はいくらですか?

e-POWER X e-4ORCEが689万7000円、e-POWER G e-4ORCEが757万9000円です。オプション、税金、保険料、登録諸費用などは別途必要です。

新型エルグランドの内装色は何色ですか?

Gには「紫檀」と「銀雪」、Xには「ダーク」が設定されています。グレードによって選べる内装色が異なるため、注文前の確認が必要です。

日産エルグランド新型2026年モデルの予想|スペックや進化ポイントを考察

日産エルグランド新型2026年モデルは、第3世代e-POWERとe-4ORCEを全車に搭載し、走行性能を武器に生まれ変わりました。

2025年の先行公開時には価格や性能についてさまざまな予想が出ていましたが、2026年7月16日の正式発売によって、車両価格やボディサイズ、グレード構成などが明らかになっています。

日産エルグランド新型2026年モデルはどう進化した?

新型の日産エルグランドは、2010年に登場した先代モデル以来、16年ぶりとなるフルモデルチェンジを受けた4代目モデルです。

2025年10月29日に「ジャパンモビリティショー2025」で先行公開され、2026年5月28日に予約受注を開始。2026年7月16日に正式発売されました。

新型エルグランドの大きな進化ポイントは、主に次の5つです。

  • 第3世代e-POWERの採用
  • 電動4輪制御技術「e-4ORCE」の全車搭載
  • ボディサイズと室内空間の拡大
  • 電子制御サスペンションによる乗り心地の向上
  • 安全装備やインフォテインメント機能の強化

先代エルグランドにはハイブリッド車が設定されておらず、燃費や電動化の面でトヨタ・アルファードに対して不利な状況が続いていました。

新型ではガソリン車を用意せず、発電用エンジンとモーターを組み合わせたe-POWERに一本化。さらに2WDも設定せず、全車を電動4WDのe-4ORCEとしています。

選択肢を大幅に絞った構成ですが、そのぶん日産が考える「新しいエルグランドらしさ」が明確になりました。

高級装備を幅広くそろえるだけでなく、大きなミニバンを気持ちよく運転できることに重点を置いたモデルだといえるでしょう。


日産エルグランド新型2026年モデルのスペックは?

新型エルグランドのボディサイズは、全長4995mm、全幅1895mm、全高1975mmです。

先代モデルと比べると、全長は約30mm、全幅は約45mm、全高は約160mm拡大しました。特に全高が大きく引き上げられた点が目立ちます。

比較項目 新型エルグランド
全長 4995mm
全幅 1895mm
全高 1975mm
乗車定員 7人
駆動方式 e-4ORCE・4WD
WLTCモード燃費 16.8km/L
パワートレイン 第3世代e-POWER

先代エルグランドは低い全高による安定した走りが特徴でしたが、アルファードと並べると車体が小さく見えやすく、運転席からの見晴らしにも物足りなさを感じる人がいました。

新型では着座位置と全高を引き上げ、Lサイズミニバンらしい堂々とした見た目と、見晴らしのよい運転環境を追求しています。

一方、全幅は1895mmあるため、狭い住宅街や立体駐車場では注意が必要です。

購入を検討する際には、カタログ上の数字を見るだけでなく、自宅の駐車スペースや周辺道路、よく利用する商業施設の駐車場に収まるかを確認したほうが安心でしょう。

第3世代e-POWERの性能

新型エルグランドには、1.5L直列3気筒の可変圧縮比ターボエンジン「ZR15DDTe」を発電専用として使用する、第3世代e-POWERが搭載されています。

e-POWERはエンジンで直接タイヤを駆動する一般的なハイブリッドとは異なり、基本的にエンジンを発電に使い、モーターで走行する仕組みです。

フロントモーターは最高出力151kW、リヤモーターは100kWとされ、モーター駆動らしい素早い反応となめらかな加速を狙っています。

モーター、発電機、インバーター、減速機、増速機を一体化した「5-in-1」ユニットを採用したことも特徴です。

部品をまとめることでシステムの小型化や効率向上を図り、従来のe-POWERより静粛性と燃費性能を高めています。

専門家による試乗では、最大トルクが500Nmを上回り、加速力はアルファードのハイブリッドより力強いという評価も示されました。

ただし、最高出力やトルクの数字だけで乗りやすさは判断できません。車両重量のあるLサイズミニバンでは、発進時の滑らかさや高速道路での余裕、エンジン始動時の音も重要です。

この点で第3世代e-POWERは、単なる速さではなく、力強さと静かさを両立するための仕組みとして注目されます。


新型エルグランドのe-4ORCEと乗り心地はどう変わった?

新型エルグランドは、全グレードに日産独自の電動4輪制御技術「e-4ORCE」を採用しています。

前後のモーター出力と各輪のブレーキを細かく制御し、発進、加速、減速、旋回時の車体姿勢を安定させる技術です。

大きく重いミニバンは、カーブで車体が外側へ傾きやすく、急な車線変更では後部が揺すられやすい傾向があります。

e-4ORCEは前後の駆動力を状況に合わせて調節することで、車体の揺れやカーブでの膨らみを抑え、運転者が狙ったラインを走りやすくします。

さらに、4輪のショックアブソーバーの硬さを独立して調整する「インテリジェントダイナミックサスペンション」も全車に標準装備されました。

荒れた路面では細かな振動を和らげ、大きなうねりでは車体の上下動を抑えるよう制御します。

走行モードには、燃費を重視する「ECO」、加速感を高める「SPORT」、同乗者の快適性を重視する「COMFORT」など、合計6種類が用意されています。

特にCOMFORTモードは、家族を乗せて長距離を移動する場面で役立ちそうです。

運転する人だけが楽しい設定ではなく、2列目や3列目の乗員が酔いにくく、疲れにくい動きを目指している点は、新型エルグランドの重要な進化でしょう。

また、停車時の車体の揺り戻しを抑える「スムースストップ」も採用されました。

信号で止まるたびに乗員の頭が前後へ動くと、長時間の移動では意外に疲れがたまります。目立たない機能ですが、日常で感じる上質さには、このような細かな制御が効いてきます。


新型エルグランドの内装と安全装備は?

新型エルグランドの室内は、「特別なプライベートラウンジ」をコンセプトに開発されました。

シート配列は2列目が左右独立式となる2-2-3の3列7人乗りで、現時点では8人乗り仕様は設定されていません。

全席に疲れにくい姿勢を目指したゼログラビティシートを採用し、後方の席ほど着座位置が高くなるシアターレイアウトを取り入れています。

2列目シートには、背もたれの付け根だけでなく肩口側も動かせるデュアルリクライニング機能を採用。助手席と2列目左右の合計3席では、オットマンを同時に使用できます。

一方、アルファードの上級シートに見られる固定式の大型アームレストではなく、跳ね上げ式を採用しているため、見た目の豪華さでは好みが分かれそうです。

新型エルグランドは、2列目を応接室のように見せることよりも、乗り降りや3列目への移動を含めた実用性を意識した設計と考えられます。

大画面ディスプレイと静粛性

上級仕様では14.3インチのディスプレイを採用し、メーターとセンターディスプレイを横方向につなげたような先進的なレイアウトとしています。

Googleを搭載したNissanConnectインフォテインメントシステムにより、Googleマップや対応する音楽サービスなどを車内から利用できます。

BOSEプレミアムサウンドシステムは22個のスピーカーを使用し、ルーフやヘッドレストも活用して立体感のある音響空間をつくります。

また、エンジン音だけでなく路面から伝わる音も打ち消すアクティブノイズコントロールを採用。日産は、自然な声量で会話できる静粛性を目指したと説明しています。

内装色には、落ち着いた「ダークメタル」のほか、白を基調とした「銀雪」、紫と濃紺を組み合わせた「紫檀」が用意されます。

ただし、グレードによって選択できる内装色が異なり、上級のGではダークメタルを選べない点に注意が必要です。

進化した運転支援機能

高速道路での運転を支援するプロパイロットも進化しました。

グレードやオプションによって機能は異なりますが、ナビゲーションと連動してカーブや分岐に応じた速度調整を支援する機能や、時速50km以下の渋滞時にハンズオフ走行を可能にする機能が用意されています。

上位システムのプロパイロット2.0では、対応する道路において複数車線でのハンズオフ走行や車線変更支援を利用できます。

ただし、ハンズオフは運転を車に任せきる自動運転ではありません。ドライバーには周囲を監視し、必要に応じて直ちに操作する責任があります。

駐車支援では、路面模様とGPS情報を記憶して登録した場所への駐車を支援する、メモリ機能付きプロパイロットパーキングが用意されました。

さらに、後方から車両や自転車が近づいているとき、スライドドアの自動開作動を制限する機能も採用されています。

子どもや高齢者が乗り降りする機会の多いミニバンでは、派手な機能より、このような事故を未然に防ぐ装備のほうが実用的な価値は高いと感じます。


日産エルグランド新型2026年モデルの価格予想は当たった?

新型エルグランドの正式発表前には、アルファードより価格を抑え、630万円前後から登場するのではないかという予想もありました。

しかし、実際の標準グレードは689万7000円からとなり、事前予想より高い価格設定になりました。

グレード 価格(税込)
X e-4ORCE 689万7000円
G e-4ORCE 757万9000円

グレード構成は、標準のX e-4ORCEと上級のG e-4ORCEの2種類です。

両グレードとも第3世代e-POWER、e-4ORCE、両側電動スライドドア、アルミホイール、インテリジェントダイナミックサスペンションなどを装備します。

G e-4ORCEはXより68万2000円高く、14.3インチディスプレイ、1列目と2列目のシートベンチレーション、100V・1500W電源、上級シート表皮などが加わります。

一方、Xにも主要な運転支援機能や大画面ディスプレイなどをまとめた、24万9700円のセットオプションが用意されています。

100V・1500W電源は別途約9万9000円で選択できます。

したがって、価格を抑えながら必要な装備だけを選びたい人にはXが向いています。

反対に、大画面ディスプレイ、電源、シートベンチレーションなどをまとめて装着し、数年後の売却価格も意識するなら、Gを選ぶ考え方もあります。

ここは単純に「安いXがお得」「高いGが豪華」と決めるのではなく、欲しい装備の合計金額で判断するのが大切です。


新型エルグランドとアルファードはどちらがお得?

新型エルグランドを検討する際、避けて通れない比較相手がトヨタ・アルファードです。

2026年モデルの価格比較では、アルファードZ E-Fourが661万9800円、新型エルグランドX e-4ORCEが689万7000円で、エルグランドが27万7200円高くなります。

アルファードZ E-Fourには、100V・1500W電源、前後席のベンチレーション機能、固定式アームレストを備えたエグゼクティブパワーシートなどが装備されています。

内装の分かりやすい豪華さや装備内容を価格に換算すると、専門家からはアルファードのほうが約60万円割安という見方も示されています。

燃費も新型エルグランドがWLTCモード16.8km/Lであるのに対し、アルファードのハイブリッドE-Fourは仕様により17km/L台となり、数値上はアルファードが有利です。

それでも新型エルグランドには、第3世代e-POWERによる力強い加速、e-4ORCEによる安定性、電子制御サスペンションによる走りの質という武器があります。

つまり、装備の豪華さや燃費、価格を重視するならアルファードが有力です。

一方で、自分でハンドルを握る時間が長く、SUVに近い安定感やモーターならではの加速を求めるなら、新型エルグランドを選ぶ理由があります。

新型エルグランドは、安さでアルファードに対抗する車ではなく、走りに価値を付けたミニバンと考えると分かりやすいでしょう。


新型エルグランドの今後をどう予想する?

ここからは、発表済みの事実を踏まえた筆者の私見です。

新型エルグランドは発売時点で2グレードに絞られていますが、この構成が長期間続くとは限らないと考えています。

日産モータースポーツ&カスタマイズからは、AUTECH、AUTECH LINE、VIP、ステップタイプといった派生モデルも展開されました。

さらに、走行性能を重視した車両特性を考えると、将来的にNISMO仕様が追加される可能性も注目されます。ただし、現時点で正式な発売が保証されているわけではありません。

販売を拡大するためには、現在の689万7000円という最低価格が課題になりそうです。

全車e-4ORCEとすることで性能と商品イメージを統一できる反面、雪道をほとんど走らない人や、価格を抑えたい人にとっては選びにくくなっています。

個人的には、装備を整理した2WDモデルや、600万円台前半の入門グレードが将来追加されれば、アルファード以外の選択肢を探す層にも届きやすくなると考えます。

ただし、価格だけを下げて走行性能や静粛性を削ってしまえば、新型エルグランドの個性が薄れてしまいます。

重要なのは、安価なグレードを増やすことよりも、e-POWERと快適な足まわりという核を残しながら、装備の選び方を広げることでしょう。

もう一つ注目したいのが、法人や送迎用途です。

Lサイズミニバンは家族用だけでなく、企業の役員送迎やホテルの送迎車としても使われます。静粛性、3列目の快適性、滑らかな加減速は、こうした用途でも大きな強みになります。

アルファードが圧倒的に普及している市場だからこそ、人と違う上質な送迎車を求める法人需要を取り込めれば、新型エルグランドの存在感は高まりそうです。

筆者としては、新型エルグランドをカタログの装備数だけで判断するのは、少しもったいないと感じます。

購入前には、アルファードと同じ日に試乗し、発進時の反応、カーブでの揺れ、高速道路を想定した直進安定性、2列目と3列目の乗り心地を比べるのがおすすめです。

その違いに価格差以上の価値を感じられるかどうかが、後悔しない車選びの分かれ目になるでしょう。


まとめ

日産エルグランド新型2026年モデルは、16年ぶりのフルモデルチェンジによって、第3世代e-POWER、e-4ORCE、インテリジェントダイナミックサスペンションを採用しました。

ボディサイズは全長4995mm、全幅1895mm、全高1975mmに拡大され、7人乗りの広い室内と高い視点を実現しています。

価格はX e-4ORCEが689万7000円、G e-4ORCEが757万9000円です。事前に予想された630万円前後より高く、アルファードと比べても装備面の割安感は強くありません。

その代わり、モーター駆動の力強さ、4輪制御による安定性、乗員の揺れを抑える足まわりには、新型エルグランドならではの魅力があります。

高級感や価格だけで選ぶのではなく、大きなミニバンでも運転を楽しみたいかという視点で判断すると、自分に合う一台かどうかが見えやすくなるでしょう。


よくある質問

日産エルグランド新型2026年モデルの発売日はいつですか?

新型エルグランドは2026年7月16日に正式発売されました。予約受注は同年5月28日から開始されています。

新型エルグランドの価格はいくらですか?

X e-4ORCEが689万7000円、G e-4ORCEが757万9000円です。オプションや有償ボディカラーを選択すると支払総額は増えるため、最新の見積もりは日産販売店で確認してください。

新型エルグランドに2WDやガソリン車はありますか?

発売時点では設定されていません。全車が第3世代e-POWERと電動4WDのe-4ORCEを搭載しています。

執筆:ソロ(新車・カーライフ愛好家)

日産エルグランド新型の発売日はいつ?2026年登場時期・発表スケジュール最新情報

堂々とした大型ミニバンと2026年の発売スケジュールを示すカレンダー

日産エルグランド新型の発売日は2026年7月16日で、予約受注は同年5月28日に始まり、試乗車は7月下旬ごろから販売店へ順次配車されました。

日産は2025年10月29日に新型エルグランドを先行公開し、約16年ぶりとなるフルモデルチェンジを実施。発売までの流れや予約開始日、店頭で実車を確認できる時期を、分かりやすく整理します。

日産エルグランド新型の発売日はいつ?

日産エルグランド新型の正式な発売日は、2026年7月16日(木)です。

2026年5月の段階では、複数の自動車メディアが7月の正式発売を伝えていました。その後、日産自動車が2026年7月16日に新型エルグランドを正式発表し、長く待たれていた新世代モデルが市場に投入されました。

発売までの主なスケジュールは、次のとおりです。

項目 日程
ティザー情報発表 2025年10月9日
世界初公開・先行公開 2025年10月29日
予約受注開始 2026年5月28日
正式発売 2026年7月16日
試乗車の配車 2026年7月下旬ごろ

「日産エルグランド新型はいつ出るのか」と待っていた人にとって、最も重要な日付は5月28日と7月16日の2つです。

5月28日は購入手続きへ向けた予約受注のスタート、7月16日は正式な発売日となります。単に実車を見たい場合は、試乗車や展示車が販売店へ届き始める7月下旬以降が現実的なタイミングです。

ただし、試乗車や展示車が入る時期は販売会社や店舗によって異なります。来店前に最寄りの日産販売店へ確認しておくと、無駄足を避けやすいでしょう。


日産エルグランド新型はいつから予約できた?

日産エルグランド新型の予約受注は、2026年5月28日(木)に始まりました。

正式発売の約1か月半前から注文を受け付けるスケジュールです。発売日を待ってから動くのではなく、早期に購入の意思を伝えた人から商談を進められる形となりました。

新型エルグランドの外観が初めて披露されたのは2025年4月で、販売店にはその後、購入を希望する人からの問い合わせが寄せられていたとされています。

2026年5月3日に掲載されたグーネットの記事でも、新型を購入したい人は事前に販売店へ出向き、予約受注が始まった段階で連絡をもらえるよう頼んでおく方法が紹介されていました。

新型車では、予約開始直後に注文が集中すると、納車時期が後ろへ延びる可能性があります。特にエルグランドは、従来型が2010年に発売されてから約16年間、全面改良されていませんでした。

長年乗り換えを待っていた先代オーナーに加え、トヨタのアルファードやヴェルファイアからの乗り換えを検討する人もいるため、発売直後の需要が高まることは十分に考えられます。

筆者としては、こうした久しぶりの全面改良モデルでは「正式発売されてからゆっくり考える」より、まず販売店で納期とキャンセル条件を確認する方が賢明だと考えます。

注文を急ぐ必要はありませんが、情報を集めるのが遅れると、希望する色や仕様を選べても納車が大幅に先になる可能性があるからです。


新型エルグランド発表までの流れは?

日産は2025年10月9日、ジャパンモビリティショー2025の出展概要を発表し、同年10月29日に新型エルグランドを世界初公開すると予告しました。

ジャパンモビリティショー2025は東京ビッグサイトで開催され、一般公開日は2025年10月31日から11月9日まででした。新型エルグランドは一般公開に先立つ10月29日のプレスデーで披露されています。

日産は新型エルグランドを、長距離移動でも快適に過ごせる「プレミアムツーリングモビリティ」と位置付けました。

外観では威風堂々とした存在感を表現しながら、エルグランドが受け継いできた「運転の愉しさ」を電動化技術によって高めることが狙いです。

発表時点で発売時期は「2026年度」と案内されていました。そのため当初は、2026年4月から2027年3月までのどこかで発売されるという幅のある情報でした。

その後、自動車メディアや販売店への取材を通じて、2026年7月の登場予定が具体化します。最終的には5月28日に予約受注を開始し、7月16日に正式発売される流れとなりました。

この発表方法は、一度にすべてを明かすのではなく、デザインの一部公開、モーターショーでの世界初公開、予約受注、正式発売という順番です。

購入を検討する人の関心を段階的に高めながら、販売店側にも商談の準備期間を設ける進め方だったと考えられます。


2026年発売の新型エルグランドは何が変わった?

新型エルグランドは、単なる外観変更ではなく、パワーユニットや駆動方式、安全・快適装備を大きく刷新したフルモデルチェンジです。

従来型のE52型は2010年に発売されました。新型はE53型に当たり、エルグランドとしては4世代目となります。

初代E50型は1997年に登場し、2代目E51型は2002年、3代目E52型は2010年に発売されました。新型は歴代モデルの中でも、世代交代までの期間が特に長いモデルです。

主な特徴は、以下のとおりです。

  • 第3世代「e-POWER」を全車に搭載
  • 駆動方式は4WDの「e-4ORCE」に統一
  • 直列3気筒1.5Lターボエンジンで発電
  • 電子制御式のインテリジェントダイナミックサスペンションを採用
  • 全高を拡大し、室内からの見晴らしや荷室高を改善
  • 3列目シートを左右跳ね上げ式に変更
  • 14.3インチ級のメーターとセンターディスプレイを採用
  • 2列目に左右独立タイプのリクライニングシートを設定

新型のe-POWERは、エンジンが主に発電を担当し、タイヤはモーターで駆動する仕組みです。

アクセル操作に対する反応が素早く、大きく重いミニバンでも滑らかに加速しやすいことが特徴です。さらに前輪と後輪を別々のモーターで制御するe-4ORCEにより、安定した走行を目指しています。

グレードは「e-POWER X e-4ORCE」と、上級仕様の「e-POWER G e-4ORCE」が中心です。通常のガソリン車や2WD車は設定されず、全車が電動4WDとなりました。

価格はXが689万7000円、Gが757万9000円とされています。価格やオプションの内容は変更される場合があるため、購入時には日産の公式情報や販売店の見積もりで確認することが大切です。


なぜ新型エルグランドの登場まで16年かかった?

従来型エルグランドは2010年に登場し、新型の正式発売は2026年です。フルモデルチェンジまで約16年かかったことになります。

この期間に、Lサイズミニバン市場ではトヨタのアルファードとヴェルファイアが圧倒的な存在感を持つようになりました。

グーネットが紹介した2025年の登録台数では、Lサイズミニバン全体に占める割合がアルファード65%、ヴェルファイア25%で、合計90%に達したとされています。

従来型エルグランドは全高を1815mmに抑え、低重心でスポーティな走りを強みにしていました。

一方、Lサイズミニバンを選ぶ人の多くは、堂々とした外観、見晴らしの良い室内、豪華な2列目などを重視します。走行性能を意識した低い車体が、市場の主流となった価値観と必ずしも一致しなかった面は否定できません。

そこで新型では全高を1975mmまで高め、床面の位置や室内からの眺めを見直しました。低さを武器にするのではなく、Lサイズミニバンらしい存在感と広さを前面に出しています。

ただし、単純にアルファードを追いかけるだけではありません。

第3世代e-POWER、e-4ORCE、電子制御サスペンションを組み合わせ、「運転して楽しい大型ミニバン」というエルグランド独自の立ち位置も残しています。

私は、この方向転換が新型エルグランドで最も重要なポイントだと感じます。従来型の反省を踏まえて豪華さと実用性を引き上げつつ、日産らしい走りを捨てなかったからです。


新型エルグランドは発売直後に買うべき?

新型エルグランドを発売直後に買うべきかは、納車を優先するのか、実車確認を優先するのかで変わります。

少しでも早く乗りたい人は、予約受注の段階から販売店へ相談する方法が適しています。試乗して乗り心地や視界を確かめたい人は、試乗車が入る7月下旬以降に判断する方が安心です。

新型エルグランドは、Xでも689万7000円からと高額です。ボディカラーやメーカーオプションを追加すれば、支払総額はさらに上がります。

そのため、発売時期だけを見て急いで契約するのではなく、次の点を確認したいところです。

  • 希望グレードの納期
  • メーカーオプションの内容
  • 乗り出し価格
  • 2列目と3列目の使い勝手
  • 床の高さと乗り降りのしやすさ
  • 自宅駐車場に収まるか
  • アルファードなど競合車との総額差

新型は全高が高くなり、従来型より室内の開放感や荷物の積みやすさが改善されています。一方で、床面も高くなっているため、小さな子どもや高齢者が乗り降りする家庭では実車確認が欠かせません。

コスパを重視する筆者の立場では、価格が安いという理由だけでXを選ぶのではなく、必要なオプションを付けた後の総額でGと比較することをおすすめします。

Xにインフォテインメントシステムや100V・1500W電源コンセントなどを追加すると、上級のGとの価格差が縮まります。数年後の売却まで考えるなら、装備の充実したGが有利になる可能性もあります。

ただし、装備をあまり必要としない人がGを選ぶと、使わない機能のために予算を増やすことになります。重要なのはグレード名の豪華さではなく、自分の使い方に必要な装備が含まれているかです。


日産エルグランド新型の発売後をどう見る?

個人的には、新型エルグランドが成功するかどうかは、発売日直後の受注台数だけでは判断できないと考えています。

約16年ぶりの全面改良である以上、発売当初は長年待っていたエルグランドファンから一定の注文が集まるでしょう。大切なのは、その後にアルファードやヴェルファイアを検討している新規ユーザーをどこまで取り込めるかです。

新型エルグランドの強みは、モーターによる力強い加速、e-4ORCEによる安定感、電子制御サスペンションによる乗り心地の調整にあります。

一方で、価格だけを比べると、XはアルファードのハイブリッドZ E-Fourより32万7000円高いとされています。装備差まで含めた買い得感では、アルファードより40万円前後割高という評価もあります。

つまり新型エルグランドは、単に安さで選ばれる車ではありません。

後席の豪華さやブランドの人気を最優先するならアルファード、運転する人の満足感や電動4WDの走りを重視するならエルグランド、という違いが見えます。

私は、家族のためにミニバンが必要でも「運転する楽しさまで諦めたくない」という人に、新型エルグランドが刺さると考えます。

大型ミニバンは後席の快適性ばかり注目されがちですが、実際に何時間もハンドルを握るのは運転手です。高速道路や横風の強い場面での安定感は、カタログ上の豪華装備とは異なる実用的な価値があります。

さらに、アルファードとヴェルファイアは高い人気によって受注が停止される場合があります。納期や受注状況によっては、新型エルグランドが単なる代替車ではなく、比較検討の中心に入る可能性もあるでしょう。

今後は、実際の納期、一般道での乗り心地、実燃費、3列目の快適性などが評価を左右します。発売前の期待だけでなく、一般ユーザーによる使用感が広がった段階で、本当の実力が見えてくるはずです。


まとめ

日産エルグランド新型の発売日は、2026年7月16日です。予約受注は2026年5月28日に始まり、試乗車は7月下旬ごろから販売店へ配車されました。

新型は2025年10月29日のジャパンモビリティショー2025で先行公開され、従来型から約16年ぶりにフルモデルチェンジしました。

第3世代e-POWERとe-4ORCEを全車に採用し、広い室内や堂々とした外観だけでなく、運転する楽しさも重視した大型ミニバンです。

早い納車を優先するなら、まず販売店で最新の受注状況を確認する必要があります。実用性や乗り降りのしやすさを重視するなら、試乗車や展示車を実際に確認してから判断する方が安心でしょう。


よくある質問

日産エルグランド新型の正式発売日はいつですか?

正式発売日は2026年7月16日です。日産自動車が同日、新型エルグランドを正式に発表しました。

日産エルグランド新型はいつから予約できましたか?

予約受注は2026年5月28日に始まりました。店舗ごとの受注状況や納期は異なるため、最新情報は販売店で確認してください。

新型エルグランドの試乗はいつからできますか?

試乗車は2026年7月下旬ごろから順次配車されました。ただし、すべての販売店へ同時に届くわけではないため、事前確認が必要です。

執筆者:ソロ(そろ)/新車・カーライフ愛好家