日産エルグランド新型は、2026年7月16日に16年ぶりのフルモデルチェンジを果たし、価格689万7000円から発売されました。
新型は第3世代e-POWER、電動4WDのe-4ORCE、電子制御サスペンションを全車に採用。豪華さだけでなく、静かで力強い走りを前面に押し出したプレミアムミニバンです。
日産エルグランド新型はいつ発表・発売された?
日産エルグランド新型は、2025年10月29日にジャパンモビリティショー2025で先行公開され、2026年7月16日に正式発表・発売されました。
先代となる3代目エルグランドが登場したのは2010年8月です。つまり、今回のフルモデルチェンジまでには約16年という長い期間が空いています。
主なスケジュールを整理すると、次のとおりです。
- 2025年10月29日:大型ミニバンの新型エルグランドを先行公開
- 2026年5月28日:予約受注を開始
- 2026年7月16日:正式発表・発売
- 2026年7月下旬ごろ:販売店への試乗車配車が本格化
長くモデルチェンジを待っていた先代オーナーにとって、まさに「ようやく帰ってきた」と感じられる新型でしょう。
初代エルグランドは1997年に登場し、高級ミニバンという市場を切り開いた存在でした。しかし、2002年登場のトヨタ・アルファード、その後追加されたヴェルファイアが勢力を伸ばし、販売面では次第に差が広がります。
そのため今回の新型は、単なる世代交代ではありません。高級ミニバンの先駆者だったエルグランドが、再び独自の立ち位置を築けるかを問われる重要なモデルチェンジです。
日産エルグランド新型のデザインはどう変わった?
日産エルグランド新型のデザインは、派手なメッキで高級感を示すのではなく、日本の伝統美と知的な存在感を組み合わせている点が特徴です。
フロントグリルには、日本の伝統工芸である「組子」から着想を得た模様が採用されました。車体の前方から後方まで一本のキャラクターラインを通し、全長約5mの大きなボディーを伸びやかに見せています。
日産は、一般的な高級ミニバンで多用されるクロームメッキを、あえて強く押し出していません。
ギラギラとした装飾や威圧感ではなく、大人の知性やクラフトマンシップを表現する狙いです。正面から見た存在感は十分に強いものの、周囲を威圧する方向とは少し違います。
新型のボディーサイズは次のとおりです。
項目 新型エルグランド
全長 4,995mm
全幅 1,895mm
全高 1,975mm
乗車定員 7人
最小回転半径 5.8m
特に目を引くのは、1,975mmという全高です。従来型より高さが大幅に増しており、外から見た堂々感だけでなく、室内空間のゆとりにもつながっています。
一方、全幅は1,895mmあるため、狭い住宅街や機械式駐車場では注意が必要です。購入前には自宅駐車場の幅だけでなく、出入り口や曲がり角まで確認したほうが安心でしょう。
ボディーカラーは全5色が用意され、公式サイトでは「プリズムホワイト」「至極(シゴク)」「ミッドナイトブラック」などが紹介されています。
特別塗装色には追加料金が設定され、至極やミッドナイトブラックなどは7万5900円、フジドーンと至極を組み合わせた2トーンは25万3000円とされています。
個人的には、新型エルグランドのデザインで最も評価したいのは、アルファードと同じ方向へ寄せなかった点です。
高級ミニバンだからといって、必ずしも大量のメッキや強い威圧感が必要なわけではありません。落ち着いて見える大型ミニバンを探していた人にとって、新型の外観は大きな選択理由になりそうです。
日産エルグランド新型の価格とグレード構成は?
新型エルグランドの基準車は、「X e-4ORCE」と「G e-4ORCE」の2グレードです。
メーカー希望小売価格は、Xが689万7000円、Gが757万9000円。両車の価格差は68万2000円です。
グレード 価格(税込) 主な内装色
X e-4ORCE 689万7000円 ダークメタル
G e-4ORCE 757万9000円 紫檀/銀雪
これ以外にも、日産モータースポーツ&カスタマイズが手がけるAUTECH、AUTECH LINE、AUTECH LINE e-4ORCE “G-spec”、VIP、ステップタイプなどが用意されます。
派生モデルを含めた価格帯は、689万7000円から869万円台です。
XとGは、エンジンやモーター、4WDシステムといった走行性能の基本部分が共通しています。
どちらを選んでも、1.5リッター直列3気筒ターボエンジンを発電用に使う第3世代e-POWERと、前後モーター式4WDのe-4ORCEが搭載されます。
Xにも両側電動スライドドア、18インチアルミホイール、エアロパーツ、インテリジェントダイナミックサスペンションなどが標準装備されており、決して簡素な廉価グレードではありません。
ただし、価格だけを見てXを選ぶ場合には注意が必要です。
Gには、14.3インチの日産コネクトインフォテインメントシステム、1列目・2列目シートのベンチレーション、100V・1500W電源コンセント、プラズマクラスター機能、前後ドライブレコーダーなどが追加されます。
Xにも、14.3インチディスプレイや運転支援機能などを含む約24万9700円のセットオプションが用意されています。100V・1500W電源コンセントは、別途約9万9000円のオプションです。
この2つをXへ加えると、追加額は約35万円になります。それでもGとの差額は残りますが、ベンチレーションや内装表皮などは後から簡単に追加できません。
一方で、BOSEプレミアムサウンドシステムやプロパイロット2.0、シートベンチレーションなど、Xでは選べない装備もあります。
特に注意したいのが、12.8インチのシートバックパーソナルリヤモニターです。
左右セットのモニターはディーラーオプションですが、取り付けるには注文時にメーカーオプションの「取付パッケージ」を選ぶ必要があります。後からモニターだけを注文しても装着できない可能性があるため、契約前の確認が欠かせません。
私なら、走行性能を中心に考え、装備を必要最小限に絞るならXを選びます。
家族が長時間乗る機会が多く、夏場のシートベンチレーションや後席装備を重視するなら、最初からGを選んだほうが後悔は少ないでしょう。
日産エルグランド新型の走行性能と燃費は?
日産エルグランド新型の最大の見どころは、内装の豪華さ以上に走行性能へ力を入れていることです。
全車に、次の3つの主要技術が採用されています。
- 第3世代e-POWER
- 電動4WDシステムのe-4ORCE
- インテリジェントダイナミックサスペンション
e-POWERは、エンジンで発電し、基本的にモーターの力でタイヤを動かすシリーズ式ハイブリッドです。
搭載される1.5リッター直列3気筒ターボエンジンは、最高出力140PS、最大トルク228N・mを発生します。ただし、このエンジンが直接タイヤを駆動するのではなく、主に発電を担当します。
走行用モーターは、前輪側が最高出力205PS・最大トルク330N・m、後輪側が最高出力136PS・最大トルク195N・mとされています。
アクセルを踏んだ瞬間からモーターが力を出せるため、2,400kgを超える大きな車体でも、発進時や追い越し時に力強さを感じやすい構成です。
e-4ORCEは、前後のモーター駆動力とブレーキを細かく制御する電動4WDシステムです。
雪道だけのための4WDではなく、日常の交差点、高速道路の車線変更、カーブなどでも車体の姿勢を整える役割を持ちます。
さらに、インテリジェントダイナミックサスペンションは、4輪のショックアブソーバーを独立制御します。
路面や走行状況に応じて足まわりの硬さを変え、背の高いミニバンで起こりやすい揺れや傾きを抑えながら、乗り心地も確保する仕組みです。
ドライブモードでコンフォートを選べば、ショックアブソーバーの減衰力が抑えられ、後席の快適性を高められます。
WLTCモード燃費は、XとGのいずれも16.8km/Lです。
全長4,995mm、車両重量2,430kg以上の大型4WDミニバンとして考えれば、現実的な数値といえるでしょう。ただし、実燃費は道路状況、乗車人数、エアコン使用、運転方法などによって変わります。
日産は新型エルグランドの走行体験を「The private MAGLEV」と表現し、リニアモーターカーのような静かさと力強さを掲げています。
宣伝上の表現をそのまま受け取る必要はありませんが、エンジン回転と加速感が直結しにくいe-POWERは、一般的なガソリン車とは異なる滑らかさを期待できます。
新型エルグランドとアルファードは何が違う?
日産エルグランド新型を検討するとき、最大の比較対象になるのがトヨタ・アルファードです。
エルグランドX e-4ORCEは689万7000円。比較対象となるアルファードZ E-Fourは、仕様変更の時期などで価格に違いがあるものの、660万円前後とされ、エルグランドのほうが約28万~33万円高くなります。
装備面でも、アルファードZ E-Fourには100V・1500W電源コンセントや、固定式アームレストを備えた2列目エグゼクティブパワーシートなどが標準装備されます。
そのため、室内の分かりやすい豪華さや装備量、価格とのバランスを重視すると、アルファードが有利に見えます。
一方、新型エルグランドの強みは、第3世代e-POWERによる力強い加速、e-4ORCEによる安定性、電子制御サスペンションによる乗り味です。
両車の方向性を簡単に整理すると、次のようになります。
- 豪華な2列目席や装備の充実度を優先:アルファード
- 静かで力強いモーター走行を優先:エルグランド
- リセールバリューや販売実績を重視:アルファード
- 運転する楽しさや安定感を重視:エルグランド
- 威圧感のある外観が好み:アルファード系が有力
- 落ち着いた知的な外観が好み:エルグランドが有力
新型エルグランドは、単純な装備の数や価格の安さで勝負する車ではありません。
アルファードより高い金額を払ってでも、動力性能や乗り味、静粛性、デザインの違いに価値を感じられるかが判断の分かれ目です。
ここで大切なのは、カタログだけで結論を出さないことです。
新型エルグランドの価値は、シート表皮やモニターの大きさだけでは測れません。実際に試乗し、発進の滑らかさ、カーブでの安定感、段差を越えたときの揺れ方を確認して初めて、価格差に納得できるか判断できます。
日産エルグランド新型はどんな人に向いている?
筆者としては、新型エルグランドは「後席に乗る人だけでなく、自分でも運転を楽しみたい人」に向いた大型ミニバンだと考えます。
高級ミニバンというと、2列目席の豪華さや送迎用途ばかりが注目されがちです。しかし、自家用車として購入する場合、最も長い時間ハンドルを握るのはオーナー本人というケースも多いでしょう。
その点、新型エルグランドは、ドライバーを単なる運転係にしない車を目指しています。
家族を乗せられる広さを持ちながら、アクセル操作への反応や高速道路での安定性も大切にしたい人には、分かりやすい魅力があります。
反対に、2列目席の見た目の豪華さ、固定式の大型アームレスト、購入価格、将来の売却価格を最優先するなら、アルファードも含めて比較したほうがよいでしょう。
また、車体の大きさにも注意が必要です。
全幅1,895mm、全高1,975mm、最小回転半径5.8mという数字は、狭い道や立体駐車場で気軽に扱えるサイズではありません。床面もやや高いため、小さな子どもや高齢者が乗り降りする場合は、販売店で実車確認が必要です。
価格面では、車両本体だけで判断しないことも重要です。
メーカーオプション、ディーラーオプション、税金、自賠責保険、登録諸費用、付属品などを加えると、支払総額は車両価格を大きく上回る場合があります。
Gにサンルーフ、BOSEサウンド、プロパイロット2.0、後席モニターなどを追加すれば、総額が800万円台へ入ることも十分に考えられます。
私見では、新型エルグランドで最も賢い買い方は、まずXを基準に考え、絶対に外せない装備がG専用かどうかを確認する方法です。
Xに必要なオプションを足した金額とGの価格差を比べ、その差額でベンチレーションや内装、将来の売却時の評価まで得られると感じるならGを選ぶ。この順番なら、雰囲気だけで上級グレードを選ぶ失敗を減らせます。
まとめ
日産エルグランド新型は、2025年10月29日の先行公開を経て、2026年7月16日に16年ぶりのフルモデルチェンジ車として発売されました。
価格はX e-4ORCEが689万7000円、G e-4ORCEが757万9000円。全車に第3世代e-POWER、e-4ORCE、インテリジェントダイナミックサスペンションが搭載されています。
日本の組子をモチーフにした外観、落ち着いた高級感、力強く静かなモーター走行は、新型エルグランドならではの特徴です。
アルファードと比べると価格や一部の豪華装備では不利ですが、運転する楽しさや走行安定性に価値を感じる人には、有力な選択肢になります。
購入を検討する際は、XとGの装備差、後付けできないメーカーオプション、車体サイズを確認したうえで、必ず試乗して乗り味を確かめることが大切です。
よくある質問
日産エルグランド新型の発売日はいつですか?
正式な発売日は2026年7月16日です。先行公開は2025年10月29日、予約受注は2026年5月28日に始まりました。
日産エルグランド新型の価格はいくらですか?
基準車のX e-4ORCEは689万7000円、G e-4ORCEは757万9000円です。派生モデルを含めると869万円台まで設定されています。
価格はメーカー希望小売価格であり、税金、保険、登録諸費用、オプションなどは含まれません。最新の支払総額は販売店で確認してください。
新型エルグランドに2WDやガソリン車はありますか?
基準車は全車が第3世代e-POWERとe-4ORCEを組み合わせた電動4WDです。現時点では2WD車や、エンジンだけで走る通常のガソリン車は設定されていません。
執筆:ソロ(新車・カーライフ愛好家)






