日産エルグランド新型の内装は、和の美意識を取り入れた色彩、大型ディスプレイ、全席ゼログラビティーシートによって、快適性と上質感を大きく進化させています。
特に「紫檀」と「銀雪」という個性的な内装色や、くつろぎやすい2列目キャプテンシートは、新型エルグランドの大きな見どころです。
日産エルグランド新型の内装は何が変わった?
日産エルグランドは、1997年に初代が登場したプレミアムミニバンです。
新型は2010年に発売された3代目以来、16年ぶりのフルモデルチェンジとなる4代目モデルで、内装も全面的に見直されました。
新型エルグランドの室内で目を引くのは、単純に豪華な素材を並べるのではなく、日本らしい美意識と先進装備を組み合わせている点です。
内装の主な特徴は次のとおりです。
- 「紫檀」「銀雪」「ダーク」の3種類の内装色
- 14.3インチの大画面統合型インターフェースディスプレイ
- 木目調パネルと一体化したシームレスな静電式スイッチ
- 全席に採用されたゼログラビティーシート
- 2列目独立型キャプテンシート
- 助手席と2列目左右席に用意されたオットマン
- マルチカラー対応のアンビエントライティング
- BOSEスピーカーグリルなどのメーカーオプション
- 開閉可能なサンルーフ
水平基調のインストルメントパネルと、高い位置に設けられたワイドなセンターコンソールによって、運転席まわりには広がりと包まれ感の両方が与えられています。
先代モデルより運転席のアイポイントが76mm高くなり、見晴らしの良さも向上したとされています。
これは内装の見た目だけではなく、日常での運転のしやすさにも関係する重要な変更です。
高級ミニバンは後席の豪華さに注目が集まりがちですが、運転する人が疲れにくく、車両感覚をつかみやすいことも、長く乗るうえでは欠かせません。
内装色「紫檀」と「銀雪」はどんなデザイン?
日産エルグランド新型の内装を象徴するのが、「紫檀(シタン)」と「銀雪(ギンセツ)」という2種類のカラーコーディネートです。
どちらも単なる黒、白、ベージュといった一般的な呼び方ではなく、日本の伝統や自然を連想させる世界観が与えられています。
紫檀は深みのある紫と濃紺を組み合わせた内装
「紫檀」は、銘木である紫檀から着想を得た内装です。
深みのある紫と濃紺を大胆に組み合わせ、伝統的な美しさを現代的な車内空間へ落とし込んでいます。
紫と聞くと派手な印象を持つかもしれませんが、公開された内装は明るく鮮やかな紫ではありません。
落ち着きのある暗い色調を中心としているため、上品さを保ちながら、一般的なブラック内装とは違う個性を感じられます。
公式資料では、G e-4ORCEに「紫檀〈L〉」を組み合わせた仕様が紹介されています。
デコレーションステッチ、アームレスト、フロントセンターコンソールボックスなども周囲の色調に合わせられ、車内全体に統一感が生まれています。
個人的には、紫檀は高級感を派手なメッキや光沢だけで表現していないところに好感を持ちました。
夜の送迎や長距離移動でも落ち着いて過ごせそうな、少し暗めの応接室のような雰囲気です。
銀雪はホワイト基調で明るく清潔感のある内装
「銀雪」は、静かな雪景色をイメージしたホワイト基調の内装です。
紫檀が重厚で落ち着いた印象なのに対し、銀雪は明るさ、清潔感、空間の広がりを感じやすい仕上がりとなっています。
こちらもG e-4ORCEに設定される内装色として紹介されています。
新型エルグランドは全高が先代より160mm高くなっており、銀雪の明るい色調と組み合わさることで、実際の寸法以上に開放的な室内へ感じられる可能性があります。
ただし、白系の内装は衣服の色移りや靴による汚れが目立ちやすい点に注意が必要です。
小さな子どもを乗せる機会が多い家庭では、見た目の美しさだけで決めず、展示車で素材の手触りや手入れ方法を確認したいところです。
X e-4ORCEには落ち着いたダーク内装を設定
新型エルグランドには、X e-4ORCE向けとして「ダーク〈G〉」も用意されています。
紫檀や銀雪ほど強い個性を求めず、落ち着いた車内を好む人には選びやすいカラーです。
高級ミニバンだからといって、必ず明るい革内装や華やかな加飾を選ぶ必要はありません。
長く乗ることや汚れの目立ちにくさまで考えると、ダーク内装が最も現実的だと感じる人も多いでしょう。
運転席まわりの装備と使いやすさは?
新型エルグランドの運転席には、14.3インチの大画面統合型インターフェースディスプレイが採用されています。
メーターやナビゲーションなどの情報を大きな画面上で確認でき、視認性と先進感を高める装備です。
インストルメントパネルは水平基調で、前方の広さを感じやすいデザインになっています。
センターコンソールはワイドかつ高めに設定され、運転席と助手席をほどよく区切る構成です。
高いコンソールはコックピットらしい包まれ感を生みますが、購入前には足元や左右方向の余裕も確認しておきたいところです。
体格や運転姿勢によっては、ひざまわりの感覚が異なるためです。
空調操作部には、木目調パネルと一体化したシームレスな静電式スイッチが採用されています。
スイッチ類がパネルの中へ溶け込むことで、従来の物理ボタンが並ぶ内装よりもすっきりと見えます。
一方、静電式スイッチは凹凸が少なく、手探りだけでは操作しにくい場合があります。
見た目の美しさと運転中の扱いやすさが両立しているかは、試乗時に確認したいポイントです。
実際に運転席へ座ったら、エアコンの温度変更や風量調整を行い、視線を大きく落とさず操作できるか試してみるとよいでしょう。
フロントセンターコンソールには、アームレスト付きの収納ボックスも備わります。
大型ミニバンはスマートフォン、財布、飲み物、充電ケーブルなどを車内へ持ち込む機会が多いため、収納の容量や配置は日常の満足度を左右します。
見た目だけでなく、ふたの開き方や助手席からの使いやすさまで確かめることが大切です。
2列目キャプテンシートの快適装備は?
新型エルグランドの乗車定員は、2人・2人・3人の合計7人です。
2列目は独立型のキャプテンシートのみとなり、多人数を詰め込むより、1人ずつがゆったり座る快適性を重視しています。
2列目シートは、背もたれ全体だけでなく上部だけを倒せる「中折れタイプ」です。
背中全体の角度を大きく変えなくても、肩や頭の位置を調整しやすいため、長時間移動時の姿勢を細かく整えられます。
さらに、2列目左右席と助手席の合計3席ではオットマンが使用できます。
足を支えながら座れるため、高速道路を使った長距離移動や休憩時の快適性向上が期待できます。
全席には、体圧を分散しやすい「ゼログラビティーシート」が採用されます。
体の特定部分へ負担が集中しにくい設計で、前席だけでなく3列目まで同じ考え方が取り入れられている点は、新型エルグランドの強みです。
プレミアムミニバンでは、2列目だけを豪華にして3列目を補助席のように扱う車もあります。
その点、新型エルグランドが全席の座り心地を重視したことは、家族全員で移動するユーザーにとって意味のある進化だと考えます。
ただし、シートの快適性は体格によって感じ方が変わります。
座面の長さ、ひざ裏への当たり、ヘッドレストの位置、アームレストの高さなどは、家族も一緒に座って確認するのがおすすめです。
ディーラーオプションでは、シートバックパーソナルリアモニターも用意されます。
装着する場合は、メーカーオプションのシートバックパーソナルリアモニター取付パッケージを選ぶ必要があるため、注文時の組み合わせに注意が必要です。
後からモニターだけを追加できるとは限らないので、子どもの動画視聴や長距離移動で使う予定があるなら、見積もりの段階で確認しておきましょう。
アンビエントライトやBOSEなどの高級装備は?
新型エルグランドには、マルチカラー対応のアンビエントライティングが設定されています。
室内の間接照明として色を変えられるだけでなく、プロパイロットとの連動機能も備えます。
アンビエントライトは見た目を飾る装備と思われがちですが、夜間にスイッチや車内の輪郭を把握しやすくする役割もあります。
強すぎる照明ではなく、運転の邪魔にならない明るさで室内を包めるなら、実用性のある装備といえるでしょう。
BOSEスピーカーグリルはメーカーオプションとして紹介されています。
BOSEのオーディオシステムを選択できる仕様であれば、広いミニバンの車内でも音の広がりや臨場感が期待できます。
ただし、オーディオは価格が上がりやすい装備です。
音楽を日常的に楽しむ人には魅力的ですが、ラジオや会話が中心の使い方なら、標準システムとの差額をほかの安全装備や快適装備へ回す考え方もあります。
新型エルグランドには、開閉可能なサンルーフも設定されます。
開発陣は、流行している大型のパノラマサンルーフではなく、実際に開閉できることを重視したと説明しています。
固定式の大きなガラスルーフは明るさや開放感に優れますが、換気の自由度は限られます。
新型エルグランドは見た目の大きさより、窓を開けて外気を取り込める実用性を選んだわけです。
これは、豪華さだけを競うのではなく、使う人の生活を考えた判断として評価できます。
3列目シートと荷室の使い勝手は?
新型エルグランドの3列目シートは3人掛けで、50対50の分割式です。
シートには前後スライド機構が備わり、乗員の足元と荷室容量のバランスを調整できます。
3列目を最も後ろまで下げた状態では、荷室の奥行きは限られます。
7人全員が乗り、それぞれが大きな荷物を持つ旅行では、積載方法を工夫する必要がありそうです。
一方、3列目を前へスライドさせれば、乗車人数を維持したまま荷室を広げられます。
3列目は左右の側方へ跳ね上げて収納する方式です。
電動格納ではなく、手動で持ち上げてベルトで固定する構造ですが、公開された車両では操作が極端に重い印象ではなかったとされています。
横への跳ね上げ式は床面を広く使いやすい一方、格納したシートが荷室側面に残ります。
大きな家具や自転車などを積む場合は、床下格納式との違いを理解しておく必要があります。
新型エルグランドの荷室は、単純な最大容量よりも、3列目を普段から使う家庭が乗員と荷物の配分を調整しやすい点に特徴があると考えられます。
購入時にはカタログの数値だけで判断せず、普段使用するベビーカー、旅行かばん、車いす、買い物かごなどを想定して確認するのが確実です。
日産エルグランド新型の内装をどう評価する?
ここからは、公開されている情報を踏まえた筆者の考察です。
新型エルグランドの内装は、トヨタ・アルファードやヴェルファイアと同じ方法で豪華さを競うのではなく、独自の方向へ進んだように感じます。
紫檀や銀雪といった内装色、木目調パネル、アンビエントライトを使いながらも、派手な加飾だけに頼っていません。
「高級ミニバンだから、とにかく光らせる」という発想ではなく、色、素材、照明、シートを組み合わせて居心地を高めようとしています。
特に注目したいのは、全席へのゼログラビティーシート採用です。
高額なミニバンでは2列目に視線が集中しますが、実際の家族利用では、運転席、助手席、3列目にも人が座ります。
全席の負担軽減を考えた設計は、カタログ上の豪華装備ほど派手ではないものの、長く使うほど価値を感じやすい部分でしょう。
一方で、静電式のエアコンパネルや手動式の3列目格納などは、好みが分かれる可能性があります。
見た目が先進的でも、操作に視線を使うようでは運転中の負担になります。
また、高級ミニバンに電動格納を求める人にとっては、3列目を手で持ち上げる方式が物足りなく感じられるかもしれません。
コスパを重視して見るなら、豪華装備をすべて付けることが正解とは限りません。
BOSEオーディオ、後席モニター、サンルーフなどは魅力的ですが、使用頻度が低ければ支払額に対する満足度は下がります。
自分や家族が毎日触れるシート、空調、収納、視界を優先し、趣味性の高い装備は予算に余裕がある場合に加える選び方が賢明です。
また、紫檀と銀雪は写真だけで決めず、実車で色味を確認したいところです。
画面や照明環境によって紫の深さや白内装の明るさは大きく変わります。
日中と夜間で雰囲気がどう変化するか、汚れの目立ち方はどうかまで想像すると、購入後の後悔を減らせます。
新型エルグランドは、外観の存在感だけでなく、乗員が移動時間をどう過ごすかに重点を置いたモデルといえます。
高級感を見栄のための装飾ではなく、疲れにくさや落ち着きとして捉えている点が、内装の最大の特徴ではないでしょうか。
まとめ
日産エルグランド新型の内装には、「紫檀」「銀雪」「ダーク」という3種類のカラーが用意され、日本らしい美意識と現代的な装備が組み合わされています。
運転席には14.3インチの大画面ディスプレイやシームレスな空調パネルを採用し、全席にはゼログラビティーシートを装備します。
2列目は中折れ機構とオットマンを備えた独立型キャプテンシートで、3列目には前後スライドと左右跳ね上げ式の収納機構が用意されています。
アンビエントライティング、BOSEオーディオ、後席モニター、開閉式サンルーフなど、快適性を高める装備も充実しています。
一方で、静電式スイッチの操作性、3列目の手動格納、白系内装の汚れやすさなどは、購入前に実車で確認すべきポイントです。
新型エルグランドの内装選びでは、見た目の豪華さだけでなく、家族構成、乗車人数、長距離移動の頻度、荷物の量まで考えることが大切です。
よくある質問
日産エルグランド新型の内装色は何種類ありますか?
公開情報では、G e-4ORCEに「紫檀〈L〉」と「銀雪〈W〉」、X e-4ORCEに「ダーク〈G〉」が設定されています。
グレードやオプションによって選択条件が異なる可能性があるため、最新の組み合わせは日産販売店で確認してください。
新型エルグランドは何人乗りですか?
新型エルグランドは、前席2人、2列目2人、3列目3人の合計7人乗りです。
2列目はベンチシートではなく、独立型キャプテンシートのみとなっています。
新型エルグランドの3列目は床下に収納できますか?
3列目は床下格納式ではなく、左右の側方へ跳ね上げ、ベルトで固定する方式です。
前後スライド機構があるため、3列目を使用したまま荷室の広さを調整できます。
執筆者:ソロ(新車・カーライフ愛好家)