2025年10月29日発売の現行デリカミニ4WDは、常時4輪へ駆動力を配分する4WD機構、5つのドライブモード、グリップコントロールを備えます。ただし、本格クロスカントリー車ではなく、4WDやSNOWモードでも雪道で滑らないわけではありません。
旧型デリカミニとは装備・制御が異なるため、この記事では現行型の公式情報を中心に説明します。
情報確認日:2026年8月25日。走行前に車両の取扱説明書、道路情報、冬用装備の規制を確認してください。
現行型4WDの仕組み
三菱自動車は、現行4WDについて前後輪の回転速度差をわずかに設定し、駆動力を常に4輪へ配分することで、滑りやすい路面での直進安定性を高めると説明しています。4WD車には大径タイヤと専用チューニングのショックアブソーバーも採用されています。
駆動系の保護のため、一時的に4WDから前輪駆動へ切り替わる場合があります。警告表示が出たときは、取扱説明書に従って安全な場所で対処してください。
5つのドライブモード
- POWER:エンジンレスポンスを高めたい場面
- ECO:穏やかな出力特性で走りたい場面
- NORMAL:通常走行
- GRAVEL:砂利道など滑りやすい未舗装路
- SNOW:雪道など滑りやすい舗装路
各モードはエンジンレスポンスやASCなどの制御を調整しますが、路面の限界を超えて走れる機能ではありません。GRAVELを選んでも、深いわだち、岩場、冠水路、通行が管理されていない河川敷へ進入しないでください。
グリップコントロールは、滑りやすい路面で片側の駆動輪が空転した際、空転輪をブレーキ制御して発進を補助します。脱出を保証する装置ではなく、空転を長時間続けるとタイヤや駆動部品を傷めるおそれがあります。
雪道では冬用タイヤが前提
4WDは発進や登坂で駆動力を得やすくしますが、制動距離を短くする装置ではありません。カーブや下り坂では4WD車も滑ります。SNOWモードを過信せず、速度を落とし、急加速・急ブレーキ・急ハンドルを避け、車間距離を十分に取ってください。
三菱の取扱説明書は、雪道・凍結路では冬用タイヤまたはタイヤチェーンを装着するよう案内しています。冬用タイヤは4輪とも指定サイズで、同一の銘柄・パターンを使用します。摩耗差や空気圧差が大きいタイヤは4WD機構の故障につながる可能性があります。
タイヤチェーンは前2輪へ
公式取扱説明書では、4WD車もチェーンを前2輪へ装着します。タイヤサイズに適合した製品を選び、チェーン側の説明書に従ってください。雪のない舗装路では外し、指定速度を守ります。
チェーン規制では、冬用タイヤ装着車もチェーンが必要になる場合があります。出発前に道路管理者の最新情報を確認し、安全な平坦場所で装着できるよう練習しておきましょう。
最低地上高と悪路の限界
現行型の最低地上高は2WDが150mm、4WDが160mmです。4WDは10mm高いものの、車体下部、バンパー、タイヤを損傷しないことを保証する高さではありません。
全長3,395mm×全幅1,475mmの軽スーパーハイトワゴンであり、デリカD:5と同等の悪路走破性を想定した車ではありません。路面の凹凸、ぬかるみの深さ、路肩の崩れ、冠水深が不明な場所には入らないでください。
ターボ・ノンターボと燃費
現行4WDのWLTCモード燃費は、ノンターボが18.8km/L、ターボが17.8km/Lです。2WDはそれぞれ21.0km/L、19.5km/Lで、4WDは燃費面では不利です。実燃費は気温、雪道、暖房、タイヤ、荷物、運転方法で変わります。
ターボはノンターボより最大トルクに余裕がありますが、雪道の安全性が上がることを意味しません。高速道路、坂道、多人数乗車での加速感を試乗し、用途と予算で選びましょう。
4WDを選ぶ前の確認項目
- 雪道・凍結路・未舗装路を年間何回走るか
- 冬用タイヤとチェーンの購入・保管費用
- 2WDと4WDの支払総額、燃費、最小回転半径
- ターボが必要な乗車人数・登坂・高速道路の頻度
- 自宅と目的地の除雪状況、道路規制
4WDの最小回転半径は4.9m、2WDは4.5mです。雪道だけでなく、普段使う狭い駐車場でも試乗して取り回しを確認してください。
まとめ
現行デリカミニ4WDは、常時4輪へ駆動力を配分する機構、5つのドライブモード、グリップコントロールを備え、滑りやすい路面で発進や走行を支援します。
ただし、4WDは制動性能を万能にする装置ではありません。雪道では4輪同一の冬用タイヤを使い、必要に応じて前2輪へ適合チェーンを装着します。最低地上高160mmの軽スーパーハイトワゴンとして限界を理解し、道路状況に応じて引き返す判断も必要です。