日産GT-R R35最終仕様とは?2025年モデルの性能とNISMOを整理

日産GT-R R35最終仕様の2025年モデルとNISMOをイメージした高性能スポーツカー

日産GT-R R35の最終仕様となった2025年モデルは、570PSの標準系に加え、600PSを誇るNISMOまで用意され、18年間の進化を凝縮した集大成です。

2025年8月26日には最後の1台が栃木工場でラインオフし、2007年から続いたR35型GT-Rは約4万8000台を生産して、その歴史に幕を下ろしました。

日産GT-R R35最終仕様とは?2025年モデルで何が変わった?

日産GT-RのR35型における実質的な最終仕様となったのが、2024年3月14日に発表された2025年モデルです。

発売は2024年6月が予定され、Pure editionからPremium edition T-spec、Track edition engineered by NISMO、そしてGT-R NISMOまで幅広い仕様が設定されました。

R35は2007年に誕生して以来、一度もフルモデルチェンジを行わず、モデルイヤーごとの改良を積み重ねて性能を高めてきた珍しいスポーツカーです。

2025年モデルも単に最後だから名前を変えただけではありません。とくにT-spec系を中心に、エンジン内部の精度を高める改良が行われています。

「Premium edition T-spec」と「Track edition engineered by NISMO T-spec」では、これまでNISMO Special editionに採用されていた高精度重量バランスエンジン部品を採用しました。

具体的には、ピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどの重量バランスを高精度にそろえることで、エンジンの回転フィールやレスポンスを磨き上げています。

さらに、この2モデルには赤文字で「匠」の名を刻んだアルミ製ネームプレートと、ゴールドのモデルナンバープレートをエンジンルーム内に装備しました。

Premium editionには、青を基調とした専用内装色「ブルーヘブン」も新設定されています。

つまりR35最終仕様は、大幅なパワーアップよりも「長年熟成してきた機械を、最後にもう一段丁寧に仕上げる」方向の進化だったといえます。

個人的には、ここがR35らしい部分だと感じます。数字だけを派手に上げるのではなく、18年間積み重ねたノウハウを使って完成度を詰めたことに、最終モデルらしい意味があります。


2025年の日産GT-R最大出力は570PS、NISMOは600PS

2025年モデルの日産GT-Rで気になるのが、「最終型はいったい何馬力だったのか」という点でしょう。

標準系GT-Rが搭載するのは、R35を象徴するVR38DETT型3.8リッターV型6気筒ツインターボエンジンです。

主要な性能は次の通りです。

モデル 最高出力 最大トルク 駆動方式
GT-R 標準系 570PS/6,800rpm 637N・m/3,300rpm 4WD
GT-R NISMO 600PS/6,800rpm 652N・m/3,600rpm 4WD

標準系の最高出力は419kW(570PS)、最大トルクは637N・m。NISMOでは441kW(600PS)、最大トルク652N・mまで高められています。

R35が登場した当初の最高出力は480PSでした。それが継続的な改良によって2017年モデル以降は570PSとなり、NISMOでは600PSに到達しています。

単純計算でも、標準モデルはデビュー時から90PSも出力を上げたことになります。

ただし、R35の価値は「何馬力あるか」だけでは説明できません。

駆動系にはATTESA E-TS全輪駆動システムを採用し、6速デュアルクラッチトランスミッションのGR6型と組み合わせています。

高出力エンジンの力を4輪へ適切に振り分けることで、晴れたサーキットだけでなく、雨や雪、市街地など幅広い環境で性能を引き出せるように設計されました。

R35が登場した際に掲げられたのは、「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」という考え方でした。

猛烈に速いだけのクルマではなく、ドライバーの腕や天候だけに性能を左右されにくくする。この思想こそ、GT-Rが他のスーパーカーと少し違う立ち位置を築いた理由だと考えます。


日産GT-R 2025年モデルの価格と主要グレードを整理

R35最終期の2025年モデルは、性能だけでなく価格も大きな注目点でした。

2007年のデビュー当初、廉価グレードは777万円でしたが、最終期にはPure editionでも1,444万3,000円となっています。

2025年モデル発表時のメーカー希望小売価格は次のように設定されていました。

  • GT-R Pure edition:14,443,000円
  • GT-R Premium edition:15,587,000円
  • GT-R Black edition:16,115,000円
  • GT-R Track edition engineered by NISMO:18,535,000円
  • GT-R Premium edition T-spec:20,350,000円
  • GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec:22,891,000円
  • GT-R NISMO:30,085,000円
  • GT-R NISMO Special edition:30,613,000円

標準系でも1,400万円台から、NISMO Special editionになると3,000万円を超えます。

価格だけを見ると「GT-Rもずいぶん高くなった」と感じますが、18年間で排ガス規制や騒音規制などへの対応を続け、走行性能も引き上げてきた背景があります。

全長は標準系で4,710mm、全幅1,895mm、全高1,370mm。ホイールベースは2,780mmです。

車両重量はグレードによって1,740~1,770kg程度で、軽量なスポーツカーというより、強力なエンジンと4WDシステムを使って圧倒的な速度域を成立させるタイプのクルマです。

燃費は標準系でWLTCモード7.8km/L。現代の実用車と比較すれば決して経済的とはいえません。

それでも、3.8リッターツインターボで570PSという性能を持つクルマとして考えれば、燃費だけを基準に評価するモデルではないでしょう。

私のようにコスパを重視して車を見る立場からすると、3,000万円級のNISMOを「お得な車」と表現するのは難しいです。

一方で、長期間大きな基本設計を維持しながら改良を続け、世界水準の性能を守り続けたという技術的な価値まで含めれば、単純に価格表だけでは測れないモデルでもあります。


日産GT-R NISMO Special edition 2025年モデルは何が特別?

R35最終仕様の頂点に位置するのが、日産GT-R NISMO Special edition 2025年モデルです。

GT-R NISMOは、日産のモータースポーツ活動で培った技術を市販車へ投入したワークスチューニングモデルで、最高出力600PS、最大トルク652N・mを発生します。

NISMOではGT3レースカー仕様のターボチャージャーを採用し、標準GT-Rよりレスポンスと出力を高めています。

また、単純にエンジン出力を上げるだけではありません。

カーボンセラミックブレーキやカーボン製ルーフ、カーボン製エンジンフード、カーボン製フロントフェンダーなどを採用し、「走る」「止まる」「曲がる」を総合的に高めています。

2024年モデルからはフロントとリアエンドのデザインを変更し、新型リアウイングを採用しました。

空気抵抗の増加を抑えつつダウンフォースを高め、冷却性能も確保するという、見た目だけではない機能優先の空力設計です。

さらにフロントメカニカルLSDを標準装備し、ATTESA E-TSの制御も変更。高速コーナリング時の旋回性能を高めています。

コックピットには、専用RECARO製カーボンバックバケットシートを採用しました。シートバックの剛性やウレタンパッドの硬度を最適化し、高い横Gがかかる状況でも身体を安定させやすくしています。

Special editionではさらに、高精度重量バランスエンジン部品や、クリヤー塗装のNISMO専用カーボン製エンジンフード、専用レイズ製アルミ鍛造ホイール、専用カラーのアルミ製ネームプレートなどを装備しています。

車両価格は30,613,000円でした。

この価格になると一般的な新車選びとは完全に別世界ですが、R35という18年続いたモデルの「最も研ぎ澄まされた仕様」と考えると、Special editionの位置付けは分かりやすいでしょう。


R35 GT-Rは18年間でどこまで進化した?

R35の面白さは、最終モデルだけを見るより、2007年からの変化を見ることでより分かりやすくなります。

初期型は最高出力480PSでしたが、その後の改良で570PSへ向上。2014年にはNISMOが設定され、600PSに到達しました。

さらに走行性能についても、ニュルブルクリンクなどで継続的にタイム短縮を重ねています。

2007年にはやや湿った路面で7分38秒を記録し、2008年にはチーフテストドライバーの鈴木利男氏が7分29秒を記録。2009年には7分26秒、2012年10月には7分18秒まで縮めています。

そして2013年11月、GT-R NISMOでミハエル・クルム氏が7分08秒679を記録しました。

国内の筑波サーキットでも、2019年12月に2020年モデルのGT-R NISMOが59.361秒を記録。2024年1月には松田次生氏のドライブによる2024年モデルで59.078秒へ更新しています。

こうした数字を見ると、R35は「18年間同じ車を売り続けた」のではなく、同じ基本骨格を使いながら別物に近いほど熟成させ続けた車だと分かります。

モデルチェンジのたびに商品を入れ替える一般的な国産車とは、開発思想そのものが違っていました。

さらに、VR38DETTエンジンは横浜工場の「匠」と呼ばれる熟練工によって組み立てられています。

R35全体で約4万8000台生産されたエンジンを手作業で組み立て、それぞれに担当した匠の名前を記したプレートを取り付けてきました。

大量生産車でありながら、エンジンには職人による組み立て工程が残されている。この部分も、R35を単なる高性能車とは違う存在にしていると感じます。


R35最後の1台はミッドナイトパープルのPremium edition T-spec

R35 GT-Rは2025年8月26日、栃木工場で最後の1台がラインオフし、18年間の生産を終えました。

2007年からの累計生産台数は約4万8000台です。

最後に完成した車両は、ボディカラーがミッドナイトパープルのPremium edition T-specでした。

この車両は日本のユーザーへ届けられる予定とされ、R35の歴史を締めくくる1台になりました。

Premium edition T-specは最高出力そのものは標準系と同じ570PSですが、先ほど触れた高精度重量バランス部品を採用しています。

最終生産車が600PSのNISMOではなく、Premium edition T-specだった点も興味深いところです。

R35の本質はサーキット専用の最速マシンではなく、「GT=グランドツアラー」と「R=レーシング」を両立させることでした。

そう考えると、高性能と日常性をバランスさせたT-specが最後の1台になったことには、R35らしさを感じます。

なお、R35生産終了の背景としては、長期間同じ基本設計を維持してきたことで今後の法規対応や部品調達が難しくなった点などが指摘されています。

2007年から18年間、排出ガスや騒音、安全などの規制に対応しながら性能を維持するには、開発コストも増えていきます。

最終期のPure editionが1,444万3,000円となり、デビュー時の777万円から大きく価格が上昇したことも、R35を継続していく難しさを象徴しています。


日産GT-R R35最終仕様をどう評価する?次世代への見通し

筆者としては、2025年モデルのR35を「最後だから特別装備を大量に盛った限定車」というより、18年間の改良で完成度を極限まで高めた最終熟成型と見るのが自然だと考えています。

最終モデルで標準車を700PSや800PSにするような派手な演出はありませんでした。

その代わり、T-specではエンジン内部部品の重量バランス精度を高め、NISMOでは空力、旋回性能、ブレーキ、シートまで含めて総合性能を磨いています。

この姿勢は、数字の大きさを競うより「570PSや600PSをどれだけ正確に路面へ伝えられるか」を重要視した結果ではないでしょうか。

R35が長く支持された理由も、最高速やゼロ発進加速だけでは説明できません。

4WDのATTESA E-TS、VR38DETT、デュアルクラッチトランスミッション、空力技術などを組み合わせ、ドライバーが極端な腕前を持っていなくても高性能を体感できる点に独自性がありました。

そして気になるのは次世代GT-Rです。

R35の生産終了時、日産CEOのイヴァン・エスピノーサ氏は、今回がGT-Rとの「永遠の別れ」ではないという趣旨を明確にしています。

一方で、正確な次世代モデルの計画は現時点で確定していないとも説明しており、「R36」という名称、発売時期、パワートレインなどは公式に確定した情報ではありません。

ハイブリッド、プラグインハイブリッド、EVなどさまざまな可能性が語られていますが、ここは推測と公式情報を分けて見る必要があります。

私が注目したいのは、次期GT-Rが「何で走るか」以上に、「誰でも高い性能を引き出せる」というR35の思想をどう引き継ぐかです。

仮に電動化されたとしても、単に最高出力だけが大きなEVになればGT-Rらしいとは限りません。

全天候での安定性、長距離を走れるGT性能、サーキットでの速さ、そしてドライバーとの一体感までそろって初めてGT-Rを名乗れる。日産自身がGT-Rという名前には高い期待が寄せられていると認識している点からも、次世代車には相当高いハードルが設定されていると考えられます。


まとめ:R35最終仕様は18年間の進化を凝縮したGT-Rだった

日産GT-R R35の最終仕様となった2025年モデルは、標準系で570PS、NISMOで600PSを発揮する3.8リッターV6ツインターボを搭載しました。

Premium edition T-specなどには高精度重量バランスエンジン部品が採用され、NISMO Special editionではカーボンパーツ、専用空力、カーボンセラミックブレーキなどを組み合わせ、R35の性能を徹底的に磨き上げています。

2007年に480PSで登場したR35は、18年間にわたって改良を続け、約4万8000台を生産。2025年8月26日、ミッドナイトパープルのPremium edition T-specを最後に生産を終了しました。

最終モデルの魅力は、単純な最高出力だけではありません。長期間積み重ねてきたエンジン、4WD、空力、シャシー制御の熟成こそが、R35最終仕様を見るうえで最も重要なポイントだと筆者は考えます。


よくある質問

日産GT-R R35の最終モデルは何年式ですか?

R35型GT-Rの最終仕様は2025年モデルです。2024年3月14日に発表され、R35自体は2025年8月26日に最後の1台がラインオフして生産を終了しました。

2025年の日産GT-Rの最大出力は何馬力ですか?

標準系GT-Rは最高出力570PS、GT-R NISMOおよびNISMO Special editionは最高出力600PSです。最大トルクは標準系637N・m、NISMO系652N・mとなっています。

日産GT-R NISMO Special edition 2025年モデルの価格はいくらですか?

発表時のメーカー希望小売価格は30,613,000円(税込)でした。GT-R NISMOは30,085,000円で、Special editionには高精度重量バランスエンジン部品や専用カーボン製エンジンフードなどが採用されています。