新型日産GT-Rはどうなる?次期型の登場時期と進化を展望

生産を終えたR35型スポーツカーから未来的な次期高性能スポーツカーへ進化していくイメージ

新型日産GT-Rはすでに開発が進んでいますが、登場時期やパワートレインは未発表で、2030年より前の公開や電動化が有力候補として注目されています。

日産のイヴァン・エスピノーサCEOが次期GT-Rの開発を明言したことで、「R35でGT-Rは終わりなのか」という不安は大きく後退しました。一方、ハイブリッドになるのかEVになるのか、そしていつ発売されるのかは、まだ慎重に見ておく必要があります。

新型日産GT-Rは本当に登場する?CEOが次期型の開発を明言

次期日産GT-Rは、少なくとも「構想だけ」の段階ではありません。日産トップが開発を進めていることを明言しています。

大きな転機となったのが、2026年4月14日に日産自動車が開催した長期ビジョンに関する発表です。

その後のQAセッションで、イヴァン・エスピノーサCEOはGT-Rについて、日産だけでなく自動車業界を代表するアイコンのひとつであり、その伝統を持続させる必要があるという考えを示しました。

さらに重要なのは、次期GT-Rの開発が進行していることを明確にした点です。

これは「いつか復活させたい」という単なる希望とは意味が違います。R35型の生産終了後も、GT-Rというブランドそのものを途切れさせるつもりはないという意思が、経営トップから示されたと受け取れます。

R35型GT-Rは2007年に登場し、長期間にわたって改良を続けてきました。日産のWebカタログでもGT-Rについて生産終了が案内され、2024年3月から2025年9月まで掲載されたモデルであることが明記されています。

2024年3月14日には「NISSAN GT-R」2025年モデルも発表されました。

つまり現在は、R35を小改良しながら販売し続ける時代から、完全な次世代GT-Rを考える段階へ移ったと見るのが自然です。

私自身、ここは次期GT-Rを考えるうえで最も重要なポイントだと思っています。

「R36という名前になるのか」「EVなのか」という予想ばかりに目が行きますが、まず押さえておきたい事実は、GT-R復活の意思そのものが日産トップから示されたことです。


次期日産GT-Rの登場時期はいつ?2030年より前が一つの目安か

気になるのは、新型日産GT-Rがいつ登場するのかでしょう。

現時点で日産から正式な発売日は発表されていません。したがって、「2028年発売」「2030年発売」などと断定することはできません。

一方で、次期GT-Rについては製品開発が初期段階に入り、2028年頃により具体的な情報が示され、2030年より前に実車が披露される可能性を伝える情報も出ています。

整理すると、現段階では次のように考えるのが分かりやすいでしょう。

  • 次期GT-Rの開発進行は日産トップが明言
  • 正式な発売時期は未発表
  • 2028年前後から具体的な情報が増える可能性がある
  • 2030年より前の実車公開が一つの予想として挙がっている
  • 市販開始時期は実車公開より後になる可能性もある

ここで注意したいのは、「実車公開」と「発売」は同じではないことです。

コンセプトカーやプロトタイプが先に披露され、その後に量産仕様が発表されるケースもあります。次期GT-Rほど重要な車種なら、日産が十分な開発期間を取ることも不思議ではありません。

R35は約18年にわたり進化を続けた異例のロングライフモデルでした。

次のGT-Rも10年単位で日産を象徴する存在になると考えれば、数年早く発売することよりも、電動化時代にGT-Rとして成立する技術を完成させることのほうが重要だと私は考えます。

特に今は、動力性能だけなら高出力モーターを積んだEVでも非常に高い数字を出せる時代です。

だからこそ「速いだけの電動車」をGT-Rとして発売しても意味がありません。日産が時間をかけてでも、GT-Rらしい運転感覚まで作り込もうとしているなら、むしろ期待したいところです。


新型日産GT-RはハイブリッドかEVか?2つの可能性を考える

次期日産GT-Rで最大の焦点となるのがパワートレインです。

現時点では、ハイブリッドとBEV(電気自動車)の両方に可能性があり、日産は市販仕様を公式発表していません。

R35型は3.8リッターV型6気筒ツインターボの「VR38DETT」を搭載し、通常モデルで最高出力570PS、GT-R NISMOでは600PSを発揮しました。

これを次世代でも何らかの形で残し、モーターを組み合わせるハイブリッド方式は、GT-Rらしいエンジン音やレスポンスを残しながら電動化できるため、現実的な選択肢のひとつです。

一方、BEV化を予感させる材料もあります。

その代表が、2023年のジャパンモビリティショーで公開されたコンセプトカー「NISSAN HYPER FORCE(ニッサン ハイパーフォース)」です。

ハイパーフォースは「究極のドライビングプレジャー」と環境性能、日常での快適性を両立する次世代高性能スポーツカーとして提案されました。

パワートレインは高出力モーターと全固体電池を想定し、最高出力は1000kW、約1360PS。さらに、進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」や、高強度カーボンを使った軽量ボディーなどが盛り込まれています。

もちろん、ハイパーフォースがそのまま次期GT-Rになると日産が発表したわけではありません。

しかし、同じ2023年のジャパンモビリティショーで示された「ハイパーツアラー」や「ハイパーパンク」のデザイン思想が、その後の日産量産車へつながっていることから、ハイパーフォースにも次期GT-Rの方向性が含まれているのではないかと見る向きがあります。

個人的には、市販時に1360PSをそのまま実現するかどうかよりも、電動化してもGT-Rらしい四輪制御とドライバーとの一体感を作れるかのほうが重要だと思います。

スペック表で勝つだけなら方法はいくつもあります。

GT-Rが本当に難しいのは、「数字を見る前からGT-Rだと感じられる走り」をどう残すかです。


R32EVが次期GT-Rのヒント?日産が研究する「電動でも楽しい走り」

次期GT-Rを考えるうえで見逃せないのが、日産の「R32EV」プロジェクトです。

これはR32型スカイラインGT-Rをベースに、電動化時代でもR32らしい運転の楽しさを再現できないか研究したプロジェクトです。

ベース車両はBNR32型スカイラインGT-R。完成したR32EVはツインモーター4WDを採用し、モーター最高出力は160kW×2基、最大トルクは340N・m×2基となっています。

バッテリーにはリーフNISMO RC02のリチウムイオン電池を使用し、車両重量は1797kgです。

ただし、このプロジェクトで重要なのはスペックではありません。

日産のパワートレインシステム・エキスパートリーダーである平工良三氏は、GT-Rを構成する大切な要素として「圧倒的な速さ」と同時に「運転して楽しいこと」を挙げています。

そして、単純にモーターで速いクルマを作ることと、運転して楽しいクルマを作ることは別問題だという趣旨の考えを説明しています。

これは次期GT-Rを占ううえで非常に興味深い話です。

R32EVでは、単に昔のエンジン音を録音してスピーカーから流すだけでは、魅力的なフィーリングにはならなかったとされています。

アクセル操作や車速、振動、音などがドライバーの操作ときちんと同期して初めて、感情に訴える運転感覚になるからです。

さらに、マニュアル車を運転するときの「自分で操作してクルマを動かしている感覚」まで分析し、それをモーター制御でどこまで再現できるか追求しました。

私は、この研究こそ次期GT-Rの方向性を考えるうえで重要だと感じます。

BEVになったとしても、擬似的なエンジン音を鳴らすだけではGT-Rらしさは生まれません。

アクセルを踏む、減速する、曲がるという操作に対して、音、振動、駆動力が自然につながること。その一連の感覚まで制御する技術が、次世代GT-Rの商品力になる可能性があります。

R32EVは市販用の次期GT-Rそのものではありません。

それでも日産が「電動化したら失われる楽しさ」を研究し、電動駆動でも再現できる手応えを得たことは、将来の高性能車にとって大きな意味を持つでしょう。


次期GT-Rの進化は1000PS級だけではない?デジタル技術にも注目

新型日産GT-Rの進化を考えると、どうしても「何馬力になるのか」が注目されます。

しかし、私はパワー以上に制御技術とデジタル体験の進化が次期GT-Rの大きな特徴になる可能性があると考えています。

ハイパーフォースでは、LiDARとAIを利用して車両周辺を把握し、公道やサーキットでのリスクを抑える技術が提案されました。

さらにAR(拡張現実)とVR(仮想現実)を組み合わせた運転体験まで想定されています。

例えばサーキットで過去に走った自分自身の「ゴースト」を表示したり、プロドライバーの走行ラインやブレーキングポイントを参考にしたりする使い方です。

現実のサーキットを走っているドライバーと、ゲームやシミュレーター上の別のドライバーが同じ空間で走るという構想まで示されています。

すべてが市販GT-Rに採用されるとは限りません。

ただ、R35型GT-Rも登場当時から、単なる大排気量スポーツカーとは違う「電子制御を積極的に使って速く走るクルマ」でした。

AWD、デュアルクラッチトランスミッション、高度な車両情報表示などを組み合わせ、ドライバーが性能を引き出しやすくする思想が特徴だったからです。

そう考えると、次期GT-RがAIや高度な四輪制御、ARなどへ進むのは、伝統を捨てることではありません。

むしろその時代の最先端技術を使って誰も体験したことのない速さを実現するという、GT-R本来の考え方を受け継ぐ進化とも言えます。


新型日産GT-Rはどんなクルマになる?筆者が考える次期型の本命

ここからは、確認されている事実を踏まえた私見です。

私は次期GT-Rについて、単純な「R35のEV版」にはならない可能性が高いと考えています。

R35型の魅力は570PSや600PSという最高出力だけではありませんでした。

ツインターボエンジン、AWD、デュアルクラッチ変速機、車両制御を一体化し、「重いのに異様に速い」「誰が乗っても高い性能を引き出しやすい」という独自の立ち位置を作ったことが重要でした。

次期型でも同じように、その時代に使える技術を組み合わせた総合性能で勝負してくるはずです。

そのため私は、ハイブリッドになったとしてもBEVになったとしても、駆動方式は高度な四輪制御を中心に据え、モーターによる瞬間的なトルク配分を積極的に活用する可能性が高いと見ています。

ハイパーフォースで示されたe-4ORCEの進化版は、その方向を考えるヒントになります。

一方で、BEVには重量という大きな課題があります。

R32EVでも、古い車体にバッテリーを搭載する難しさが語られていました。次期GT-Rを完全なBEVとして作るなら最初から電池搭載を前提に設計できますが、それでも大容量バッテリーは重量増につながります。

直線加速だけを優先すれば大出力化は比較的分かりやすいものの、GT-Rには高速コーナリングや連続周回性能も求められます。

だからこそ、全固体電池のような次世代電池の実用化時期とGT-Rの登場時期が深く関係してくる可能性があります。

逆に、全固体電池の性能や量産コストがGT-Rの商品化に間に合わなければ、エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドが現実的になる可能性も残ります。

ここは「EVで決まり」「ハイブリッドで決まり」と今から決めつけないほうがいいでしょう。

もう一つ注目したいのが価格です。

R35の最終期はすでに1000万円を大きく超える価格帯となり、NISMOでは3000万円級に達していました。

次期型が次世代電池、大出力モーター、高度な制御システム、カーボンなどを本格採用すれば、安価なスポーツカーになるとは考えにくいでしょう。

コスパを重視する私としては、ここが少し気になるところです。

ただしGT-Rの価値は、単純な購入価格の安さでは測れません。

世界トップクラスの性能を、同クラスの海外スーパーカーより現実的な価格で提供するというR35登場時の思想を、次期型でもどこまで守れるか。その点こそ、新型GT-Rの評価を大きく左右すると考えています。


新型日産GT-Rは「エンジンを残すか」より「GT-Rらしさを残せるか」が重要

次期日産GT-Rについて調べていくと、「V6ツインターボを残してほしい」「EVではGT-Rではない」という意見が出てくるのは自然です。

長年GT-Rを知るファンほど、エンジン音や変速の感触に思い入れがあるでしょう。

私自身も、VR38DETTのようなエンジンを搭載したGT-Rには特別な魅力があると思います。

ただ、R32EVの研究を見る限り、日産自身もその点をかなり真剣に考えているように見えます。

大切なのは、エンジンという部品そのものを残すことだけではなく、ドライバーの操作に対してクルマが生き物のように反応する感覚を残せるかどうかです。

もしモーターとソフトウェアでそれをさらに進化させられるなら、電動GT-Rにも十分存在意義があります。

反対に、1360PSのEVを作ったとしても、アクセルを踏めば一直線に猛烈な加速をするだけなら、GT-Rという名前を使う意味は弱くなってしまいます。

次期型の成否を決めるのは最高出力の数字ではなく、「これならGT-Rと呼べる」と従来のファンにも新しい世代にも思わせられるかどうかでしょう。

ここが、新型日産GT-Rを待つうえで一番楽しみな部分です。


まとめ

新型日産GT-Rについては、2026年4月14日の長期ビジョン発表に関連した場で、イヴァン・エスピノーサCEOが次期GT-Rの開発が進んでいることを明言しました。

一方、正式な発売時期やパワートレインはまだ発表されていません。

2030年より前の実車公開を予想する情報があり、ハイブリッドとBEVの双方が候補として考えられています。

2023年に公開された1000kW・約1360PSのハイパーフォースは、次世代高性能スポーツカーの方向性を考える大きなヒントです。

さらにR32EVプロジェクトでは、日産が単なる速さではなく、アクセル操作、音、振動、駆動力がつながる「運転する楽しさ」そのものを電動技術で再現しようとしていることが分かります。

個人的には、次期GT-Rで最も期待したいのは馬力競争ではありません。

エンジン、ハイブリッド、BEVのどれを選ぶとしても、最先端技術を使って「速いだけではないGT-R」をどう作るのか。そこにR36世代とも呼ばれる次期GT-Rの本当の進化が表れると考えています。


よくある質問

新型日産GT-Rの発売はいつですか?

現時点で日産から正式な発売日は発表されていません。2028年頃から具体的な情報が増え、2030年より前に実車が披露される可能性を伝える情報がありますが、確定した発売スケジュールではありません。

次期日産GT-RはEVになるのでしょうか?

BEVになる可能性はありますが、確定していません。ハイパーフォースでは1000kWのモーターと全固体電池を使う高性能BEVが提案される一方、エンジンとモーターを組み合わせるハイブリッド方式も次期GT-Rの候補として注目されています。

次期GT-RはR36という名前になりますか?

一般にはR35の次という意味で「R36 GT-R」と呼ばれることが多いものの、日産が次期GT-Rの正式な型式名としてR36を発表したわけではありません。現段階では便宜的な呼び方として捉えておくのが適切です。