マツダ新型CX-5の内装は、大型ディスプレイと広い後席を軸に、見た目の上質さ以上に「家族全員が快適に使える空間」へ大きく進化しました。
3代目となる新型CX-5では、水平基調のインパネ、大画面センターディスプレイ、後席空間、静粛性、オーディオなどを刷新。従来型の「運転する人中心」の印象から、助手席や後席まで含めた快適性を重視する方向へ変わっています。
マツダ新型CX-5の内装は何が変わった?
新型CX-5の内装でまず注目したいのは、単純に高級感を増しただけのモデルチェンジではないことです。
開発コンセプトとして掲げられているのが「新世代エモーショナル・デイリーコンフォート」。つまり、休日に眺めて満足する豪華なSUVというより、毎日の通勤、買い物、子どもの送迎、家族での遠出まで快適に使える室内を目指しています。
初代CX-5は2012年に登場し、「魂動-SOUL of MOTION」とSKYACTIV技術を全面的に採用したマツダの主力SUVとして成長してきました。累計販売台数は450万台を超え、2018年以降はマツダの現行ラインナップにおける最量販車種としてブランドを支えてきた存在です。
それだけに3代目の全面刷新では、デザインだけを大胆に変えるのではなく、これまで支持されてきたCX-5らしさを残しながら「家族で使ったときの不満」を細かく解消する方向が感じられます。
新型のボディサイズは全長4690mm×全幅1860mm×全高1695mm、ホイールベースは2815mm。従来型の全長4575mm、全幅1845mm、ホイールベース2700mmと比べると、特に全長とホイールベースが拡大しています。
このサイズアップが内装にも効いており、後席の足元や乗り降りのしやすさといった、写真だけでは分かりにくい部分が改善されました。
個人的には、ここが新型CX-5の内装を見るうえで一番重要だと思います。大画面やレザーの豪華さは展示車でも目につきますが、長く所有したときに満足度へ効いてくるのは、むしろ後席の余裕や乗降性、静かさといった毎日使う部分だからです。
新型CX-5のインパネは大型ディスプレイ中心に刷新
新型CX-5のインパネは水平基調のデザインとなり、室内を横方向に広く感じさせるレイアウトになっています。
そして視覚的にも機能的にも大きな変化となるのが、中央に配置された大型センターディスプレイです。
グレードによって画面サイズが異なり、
- L:15.6インチセンターディスプレイ
- S・G:12.9インチセンターディスプレイ
が標準装備されます。
従来インパネに配置されていた操作スイッチの一部もセンターディスプレイへ統合され、スマートフォンのようなタッチ操作に対応しました。
さらに高精度な音声認識によって、空調、オーディオ、ナビなどを声で操作できます。
これは単なる「タブレットを大きくしました」という変更ではありません。
運転中に画面を何度も操作しなくて済むよう、タッチ操作と音声操作を組み合わせて使えることがポイントです。一部の空調機能ではスワイプ操作にも対応しています。
ただし、安全のため走行中には一部の操作や表示が制限されます。大画面になったからといって、走行中に映像や複雑な操作を自由に利用できるわけではありません。
ホーム画面には実際の車両状態と連動した3Dグラフィックも表示されます。
ライトの点灯状態やドアの開閉状況を画面で確認できる仕組みで、クルマの状態を直感的に把握しやすくなりました。なお、半ドアの場合でも画面では全開状態として表示されるなど、表示には一定の注意点があります。
さらにメーターの「ADAS(先進安全装備)スタイル」で扱う車両周辺情報を、センターディスプレイにも表示可能です。
先行車など周辺の検知状況を助手席や後席の乗員とも共有できるため、ドライバーだけが情報を見る従来の発想から、乗っている全員で状況を共有するインターフェースに一歩進んだ印象があります。

マツダ新型CX-5の後席はどれくらい広くなった?
新型CX-5の内装で、大型ディスプレイ以上に注目したいのが後席です。
マツダは前席と後席の間隔を広げ、後席足元に機内持ち込みサイズのキャリーケースを縦置きできる空間を確保しています。
ここで想定されているキャリーケースは、3辺の合計が115cm以内で、それぞれ55cm×40cm×25cm以内というサイズです。
もちろん、普段キャリーケースを後席足元に置く人ばかりではありません。
重要なのは、それだけ膝まわりに余裕を持たせたということ。成人が長時間座る場合はもちろん、買い物袋やバッグを一時的に置くときにも使いやすくなります。
さらに、大きなチャイルドシートを取り付けても前席を無理に前へ移動させずに使用できるよう配慮されています。
マツダが想定する大型チャイルドシートは前後79cm、横幅48cm、高さ60cm。ただし製品の大きさや前席乗員の身長によっては使用が難しい場合があります。
子育て世帯にとって、この改善はかなり実用的です。
SUVでは「ボディが大きいから後席も広いだろう」と思いがちですが、実際にはチャイルドシートを取り付けると助手席を大きく前に出さなければならないモデルもあります。
その点、新型CX-5はカタログ上の広さだけでなく、チャイルドシートを使った状態で前席まで快適に使えることを意識して設計しているのが特徴です。
室内高は1299mmで、パノラマサンルーフ装着車でも1267mmを確保しています。
大人が頭上の余裕を感じられるだけでなく、小さな子どもであれば停車中に立って着替えられるほどの高さを想定しています。
私はCX-5というと、これまで「運転席の質感や走りを楽しむSUV」という印象が強かったのですが、新型はかなり明確にファミリーカーとしての使いやすさを取り込んできたと感じます。
リアドアと座面も改善し後席へ乗り降りしやすい
広さだけでなく、後席への乗り降りもしっかり改善されています。
新型CX-5ではリアドア開口部を高く、広くすることで、乗車するときに大きくかがんだり首を傾けたりする動きを減らしています。
さらにリアドアを開けたところにあるスカッフプレートの幅を拡大。小さな子どもが足を置いて乗り降りする場面にも配慮されています。
後席の着座ポイントについても、自然に乗り降りできる位置へ設計し直されています。
腰を大きく上下させるというより、横へ移動するようなワンアクションで座れることを意識したレイアウトです。
こうした変更は、カタログ写真だけを見ていると地味です。
しかし、子どもをチャイルドシートへ乗せる人や、年配の家族を乗せる人にとっては、ディスプレイの大きさ以上に価値を感じる可能性があります。
高級な内装材は購入直後の満足感を高めてくれますが、クルマを5年、7年と使うことを考えるなら、毎回の乗り降りがラクというメリットは何千回も積み重なります。
コスパという視点でも、私はこうした「毎日使う機能の進化」を高く評価したいところです。
オーディオと静粛性はどう進化した?
新型CX-5ではオーディオシステムもグレードによって大きく異なります。
SとGには「マツダ・ハーモニック・アコースティックス+」の8スピーカーシステムを標準装備。
音が耳へ届くまでの伝わり方を検証してスピーカー配置を最適化し、容量3Lのカウルサイドウーファーも採用しています。
低音域ではダイナミックレンジを広げ、中高音域では明瞭なサウンドを狙ったシステムです。
上級グレードのLには、12スピーカーのBoseサウンドシステムを標準装備します。Gではメーカーオプションとして選択可能ですが、Sでは装着できません。
Boseには「PSR(パーセプチュアル・サウンド・レンダリング)」がマツダ車として初採用され、リアルで臨場感のある音響空間を狙っています。
また自動ノイズ補正機能も進化し、走行中の風切り音などを考慮しながら音を補正します。

さらに新型CX-5は、オーディオそのものだけでなく静粛性にも力を入れています。
吸音材や遮音材を適切な場所へ配置し、特に後席周辺から入るノイズを低減。車体各部の振動特性まで細かくコントロールすることで、人が不快に感じやすい音を抑える設計としています。
ここも新型CX-5の方向性を象徴する部分でしょう。
運転席だけ静かならいいのではなく、後席でも普通の声量で会話しやすくすることが重視されています。
大画面ディスプレイ、オーディオ、後席空間、静粛性を別々の機能として見るより、「移動時間そのものを家族全員が快適に過ごすためのセット」と考えたほうが新型CX-5の狙いを理解しやすいと思います。
パノラマサンルーフや快適装備は充実している?
上級グレードLでは、メーカーオプションとして大型のパノラマサンルーフを選択できます。SとGには設定されません。
開口サイズは幅875mm×長さ1021mm、電動スライド量は187mmです。
後席まで光が入りやすいため、通常の小型サンルーフよりも室内全体の開放感を高める効果が期待できます。
一方で、パノラマサンルーフ装着車の室内高は1299mmから1267mmになります。
約32mm低くなるため、頭上空間を最優先する人は実車で確認しておきたいところです。
なお開口部分には、側面衝突時の安全性向上を目的としたフレームが配置されています。
そのほか、新型CX-5には日常で役立つ装備も充実しています。
ワイヤレス充電(Qi)、フロントUSB Type-C端子2個、運転席・助手席シートヒーター、フロントカップホルダー2個、センターコンソールボックス、リアシートセンターアームレストとカップホルダー2個などを用意。
LEDルームランプやLEDマップランプ、全面UVカットガラス、フロント遮音ガラス、リアのダークティンテッドガラスも採用されています。
こうして並べてみると、新型CX-5の内装は一つの豪華装備で勝負するタイプではありません。
スマホの充電、USB、収納、後席カップホルダー、静粛性、乗降性など、実際に所有してから「これがあると便利」と感じる部分を積み上げています。
新型CX-5の内装は「豪華さ」より実用性の進化に注目
個人的に新型CX-5の内装を見て一番感じるのは、マツダが従来よりも「ドライバー以外」を強く意識するようになったことです。
旧型CX-5も上質なインテリアは大きな魅力でした。ただ、印象としては運転席に座ったときのデザインやドライビングポジションなど、ドライバー中心の魅力が強いクルマでした。
新型では15.6インチまたは12.9インチのセンターディスプレイを助手席や後席からも楽しめるようにし、後席周辺の騒音を抑え、後席足元を広げ、リアドア開口まで見直しています。
つまり今回の内装進化は「高級SUVらしくなった」という一言では少し違います。
ドライバー中心のCX-5から、乗員全員で使いやすいCX-5へ広げたことが大きな変化だと私は考えています。
さらに、新型CX-5では室内だけを単独で設計しているのではなく、ボディそのものの拡大を快適性につなげているのもポイントです。
全長4690mm、全幅1860mmというサイズは日本の狭い道路や駐車場では確認しておきたい一方、ホイールベース2815mmによって得られた後席空間は明確なメリットになります。
購入を考えるなら「大型ディスプレイが格好いいから」という理由だけでグレードを決めるのは少しもったいないでしょう。
S、G、Lでは画面サイズだけでなくオーディオやパノラマサンルーフなどにも違いがあります。
特にコスパ重視なら、12.9インチディスプレイでも十分大きいため、15.6インチのためだけに上位グレードへ上げるのではなく、自分がBoseやパノラマサンルーフまで必要としているかを整理して選びたいところです。
私は「大画面=絶対に上級グレード」とは考えません。
日常用途なら12.9インチでも十分大型ですし、その差額をほかの装備や購入後の維持費へ回すという考え方も賢い選択です。
逆に長距離ドライブが多く、家族全員で音楽や車内の開放感を楽しみたいなら、15.6インチディスプレイ、Bose、パノラマサンルーフを組み合わせられるLの満足度は高くなりそうです。
まとめ
マツダ新型CX-5の内装は、水平基調のインパネと大型センターディスプレイを採用し、見た目にも大きく刷新されました。
ただし、本当に注目したいのは画面の大きさだけではありません。
後席足元の拡大、1299mmの室内高、乗り降りしやすいリアドア開口、後席周辺の静粛性向上、8スピーカーまたは12スピーカーのオーディオなど、家族全員の快適性を底上げしたことこそ新型CX-5の内装進化の核心です。
特に、チャイルドシートを装着しても前席への影響を抑える設計や、乗降性への配慮は、毎日使うクルマとして大きなメリットになりそうです。
一方で、パノラマサンルーフはLのみのメーカーオプションで、Boseやセンターディスプレイのサイズもグレードによって違います。
新型CX-5を検討するなら、単純に上級グレードほど良いと考えるのではなく、「12.9インチで十分か」「Boseは欲しいか」「パノラマサンルーフを使うか」という順番で考えると、予算と満足度のバランスを取りやすいでしょう。
私としては、新型CX-5は「豪華になったSUV」というより、従来のCX-5が持っていた運転する楽しさに、ミニバン的な家族への気配りを少し足したSUVとして見ると、その進化が分かりやすいと感じます。
よくある質問
マツダ新型CX-5のセンターディスプレイは何インチ?
Lには15.6インチ、SとGには12.9インチのセンターディスプレイが標準装備されます。空調、オーディオ、ナビなどは音声認識やタッチ操作に対応しています。
新型CX-5の後席は広くなった?
前席と後席の間隔が広げられ、機内持ち込みサイズのキャリーケースを後席足元へ縦置きできる空間が確保されています。チャイルドシート利用時の前席への影響も抑える設計です。
新型CX-5にパノラマサンルーフはある?
あります。ただしLのメーカーオプションで、SとGには設定されません。開口サイズは幅875mm×長さ1021mmで、装着時の室内高は1267mmとなります。
執筆:ソロ(そろ)/新車・カーライフ愛好家