ホンダ フリードプラスとは?フリードとの違いを徹底比較

ホンダ フリードとフリードプラスの乗車人数と荷室構造の違いを比較するイメージ

ホンダ フリードプラスは、フリードを5人乗り・2列シート化し、広い荷室と車中泊しやすい低床構造を与えた実用重視モデルです。

フリードとの違いは単に「3列目シートがない」だけではありません。荷室の床やリアゲート開口部まで専用設計されており、人を多く乗せるフリード、荷物と遊びを優先するフリードプラスという明確な性格の違いがあります。

ホンダ フリードプラスとは?どんな車なのか

ホンダ フリードプラスは、2代目フリードをベースにした2列シート・5人乗りモデルです。2016年9月に登場し、2024年6月の3代目フリードへのモデルチェンジまで販売されました。

標準のフリードが6人または7人で乗れる3列シートのコンパクトミニバンなのに対し、フリードプラスは3列目を設けず、そのスペースを大きな荷室として使えるようにしています。

車名の「FREED」は「Freedom(自由)」をもとにした造語で、「Free+do」という意味が込められています。

さらにフリードプラスの「プラス」には、フリードの扱いやすさに加えて、新しい使い方や利用シーンを生み出す機能を加えるという意味があります。

その名前通り、単なる「5人乗りフリード」ではありません。

荷室を上下に使ったり、後席を倒して寝床を作ったりと、クルマを移動手段だけでなく“使える空間”として楽しめることがフリードプラスの特徴です。

主なスペックは次の通りです。

項目 フリードプラス
販売期間 2016年9月~2024年6月
乗車定員 5人
シート 2列
全長 4,265~4,295mm
全幅 1,695mm
全高 1,710~1,735mm
ホイールベース 2,740mm
エンジン 1.5L
駆動方式 FF/4WD
パワートレイン ガソリン/ハイブリッド

FF車と4WD車で全長が異なるのも特徴です。フリードプラスのFF車では荷室床面を低くする専用の後部構造を採用しているため、全長は4,295mmとなり、4WD車の4,265mmより30mm長くなっています。

最小回転半径は5.2mで、広い荷室を持ちながら街中でも扱いやすいサイズに収まっています。

私はここがフリードプラスの大きな強みだと感じます。

大きなミニバンへ乗り換えなくても、全幅1,695mmという扱いやすい車体の中で荷室を最大限に活用できるからです。見栄や車格ではなく「何に使えるか」で車を選ぶ人には、とても理にかなった設計です。


ホンダ フリードとフリードプラスの違いは?最大の差は5人乗りと荷室

ホンダ フリードとフリードプラスの違いをひと言で表すなら、フリードは乗車人数重視、フリードプラスは積載性重視です。

2代目フリードには6人乗りまたは7人乗りの3列シートが設定されていました。

6人乗りでは2列目に独立したキャプテンシートを採用し、7人乗りではベンチタイプのシートを採用するなど、多人数乗車を前提に作られています。

対してフリードプラスは5人乗りです。

3列目をなくし、後方を荷室として専用設計することで、アウトドア用品や自転車、大きな買い物などに対応しやすくなっています。

大きな違いを整理すると次のようになります。

  • フリード:6~7人乗り・3列シート
  • フリードプラス:5人乗り・2列シート
  • フリードは家族や友人を多く乗せる用途に向く
  • フリードプラスは荷物、アウトドア、車中泊を重視する人に向く
  • フリードプラスはリア床面まで専用設計されている

ここで注意したいのは、「フリードの3列目を取り外せばフリードプラスと同じ」と考えないことです。

実際には、2列目より後ろのフロア構造そのものが大きく違います。

MOTAが紹介した比較では、通常のフリードの荷室開口部地上高が480mmなのに対し、フリードプラスは335mm。差は145mmあります。

重い荷物を積む場面を想像すると、この145mmは小さな差ではありません。

荷物を腰の高さまで持ち上げるのではなく、より低い位置から滑り込ませるように積み込めるため、自転車やキャンプ用品、大型の荷物ほど恩恵を感じやすくなります。

つまりフリードプラスは、「座席を1列減らして荷室を広げた車」というより、荷物を積むために後半部分を作り直したフリードと考えるほうが実態に近いでしょう。


フリードプラスの荷室は何が違う?低床と二重フロアがポイント

フリードプラスを選ぶ最大の理由になりやすいのが、専用設計された荷室です。

通常のフリードより開口部を低くするとともに、荷室には上下2段で使える構造が採用されています。

ユーティリティーボードを使えば、上側には荷物や就寝スペースを確保し、その下にも荷物を収納できます。

これが意外に重要です。

一般的な車で車中泊をしようとすると、「寝るスペースを作るために荷物をいったん外へ出す」という問題が起きやすくなります。

フリードプラスなら、上段を寝床、下段を収納場所として使えるため、荷物を載せたまま就寝スペースを作りやすい設計です。

後席には6:4分割のダブルフォールダウン機構が採用され、2列目シートを倒すことで荷室側とつながるフラットな空間を作れます。

いわゆる「おやすみモード」では、運転席と助手席を前方へ移動させて2列目を倒すことで、奥行き約1,850mmのスペースを確保できます。

資料によっては横幅約1,130~1,200mmとされ、大人2人が横になることも想定できるサイズです。

ただし、本当の意味で完全なベッドと同じではありません。

2列目シートと荷室の間には約25mmの段差が生じるため、長時間寝る場合にはクッションマットなどで段差を吸収したほうが快適でしょう。

この「弱点も含めて使いやすい」というところがフリードプラスらしいと感じます。

最初から高価なキャンピングカーを買うのではなく、普段は普通のコンパクトミニバンとして使い、休日だけマットを追加して車中泊仕様にする。必要なときだけ趣味車になる柔軟さこそ、この車の価値ではないでしょうか。


フリードプラスは車中泊やアウトドアに向いている?

結論として、フリードプラスは車中泊やアウトドアとの相性がかなり良い車です。

理由は車内の広さだけではありません。低床荷室、二重フロア、フラット化しやすい後席という3つの仕組みが組み合わされているためです。

例えばキャンプへ行く場合、テント、テーブル、チェア、寝袋、クーラーボックスなどを積むと、一般的な5人乗り車では荷室がすぐ埋まりがちです。

フリードプラスなら荷室を上下に分けられるので、使用頻度に応じて荷物を整理しやすくなります。

また、ユーティリティーボードを外せば高さ方向にも余裕が生まれます。参考資料では約1,200mmの高さを活用でき、ゴルフバッグなど高さのある荷物も載せやすいとされています。

2019年10月のマイナーチェンジ以降には、SUV風デザインのCROSSTAR(クロスター)も設定されました。

専用グリルやルーフレールなどによってアウトドア志向の外観となり、フリードプラスの使い方と相性の良い仕様です。

2022年には装備の充実などを伴う一部改良も実施され、特別仕様車のBLACK STYLEも設定されました。

一方で、「車中泊をしないからフリードプラスは必要ない」と決めつける必要もありません。

普段の買い物で大量の荷物を積む人、自転車を運びたい人、大型犬と出かける人、趣味の道具を常時載せたい人などにも低い荷室は便利です。

私ならフリードプラスを「車中泊専用車」とは考えません。

5人までしか乗らない家庭が、使わない3列目を荷物のための空間へ交換した車と見ると、日常での価値が分かりやすいと思います。

7人乗れるという安心感は魅力ですが、実際には3列目をほとんど使わない家庭もあります。その場合、毎日使わない座席より毎日使える荷室を取るほうがコスパの良い選択になるでしょう。


フリードプラスのガソリンとハイブリッドはどう違う?

フリードプラスにはガソリン車とハイブリッド車の両方が設定されました。

ガソリン車は1.5L直噴DOHC i-VTECエンジンとCVTを組み合わせた仕様です。

一方、2代目フリードプラスのハイブリッドには1.5LアトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジンとモーター、7速DCTを組み合わせたSPORT HYBRID i-DCDが採用されました。

2016年登場時のJC08モード燃費では、ガソリンFF車が19.0km/L、4WDが17.6km/Lでした。

ハイブリッドはFFが27.2km/L、4WDが25.2km/Lで、FF同士ならカタログ値で約8km/Lの差がありました。

後期モデルをWLTCモードで見ると、ガソリン車はFF17.0km/L、4WD15.6km/L、ハイブリッド車はFF20.9km/L、4WD19.8km/Lが目安です。

もちろん実燃費は渋滞、季節、エアコン、走り方などで変わります。

中古車として選ぶなら、「ハイブリッドだから必ず得」と燃費だけで決めるより、購入価格との差まで考えることが大切です。

年間走行距離が多く、燃料代を抑えたい人ならハイブリッドのメリットを生かしやすいでしょう。

一方、年間走行距離が少なく、できるだけ安く状態の良い車を買いたいなら、ガソリン車も十分に合理的です。

中古車では年式や走行距離だけでなく、整備履歴、安全装備、タイヤなどの消耗品の状態によって実質的な負担が変わります。

私なら中古のフリードプラスでは、燃費差より先に車両状態と総支払額、安全装備の有無を比較します。この車の魅力は燃費だけではなく、荷室の使いやすさそのものだからです。


フリードプラスは現在も新車で買える?現行フリードとの関係

フリードプラスという車名は、現在の3代目フリードでは使われていません。

フリードプラスは2016年9月から2024年6月まで販売され、2024年6月のフルモデルチェンジに伴って終了しました。

そのため、2026年時点で「フリードプラス」を買う場合は、基本的に中古車から探すことになります。

ただし、考え方そのものが消えたわけではありません。

現行フリードでは「AIR」と「CROSSTAR」を展開し、CROSSTARには5人乗り仕様が設定されています。

つまり、フリードプラスが担っていた「5人乗り+広い荷室」という需要は、現行CROSSTARへ受け継がれた形です。

Honda公式サイトでも、現行フリードは3列目をたたんで荷室を拡大できる通常モデルに加え、CROSSTAR スロープなど、レジャーから介護まで用途を広げた仕様を用意しています。

新車価格は現在のフリード全体でメーカー希望小売価格262万3,500円~360万2,500円と案内されていますが、タイプや装備によって異なります。

これに対し、フリードプラスは中古車の選択肢が豊富です。

今回の元資料となった中古車検索では「フリードプラス」で1,049台がヒットし、2016年式から2025年登録車まで幅広い物件が掲載されていました。

掲載例だけでも、2017年式の「G Honda SENSING」が支払総額110.1万円、2021年式CROSSTAR Honda SENSINGが186.8万円、2023年式ハイブリッドCROSSTARが199.9万円など、年式・走行距離・グレードによって大きな価格差があります。

また、2026年2月時点の別資料では、相場の目安として2018年式がガソリン約115万~155万円、ハイブリッド約135万~175万円、2020年式ではガソリン約150万~200万円、ハイブリッド約175万~230万円とされています。

中古車価格は在庫や車両状態で変動するため、これらはあくまで参考です。

ただ、ここから見えてくるのは、フリードプラスは生産終了後も中古市場で一定の需要があるということです。


ホンダ フリードとフリードプラス、結局どちらを選ぶべき?

選び方は意外とシンプルです。

6人以上で乗る可能性が定期的にあるならフリード、5人までで荷物を優先するならフリードプラスが基本になります。

例えば祖父母を含めて家族6人で出かけることが多いなら、3列シートのフリードが便利です。

一方、夫婦と子ども1~2人が中心で、大人数乗車はほとんどなく、キャンプ用品や自転車を載せたいならフリードプラスの利点が大きくなります。

ここで私が車選びで重視したいのは、「最大何人乗れるか」ではなく、年間のうち実際に何日その人数で乗るのかです。

年に1回あるかどうかの7人乗車のために3列目を持つのか。それとも残り364日に使える大きな荷室を取るのか。この考え方をすると、自分に必要な車がかなり見えやすくなります。

さらに、中古車を選べる今だからこそ、フリードプラスには別の価値もあります。

新車の現行CROSSTAR 5人乗りまで予算を上げなくても、状態の良い2代目フリードプラスなら、スライドドア、広い荷室、Honda SENSING、車中泊しやすい構造をまとめて手に入れられる可能性があります。

一方で、2023~2024年式など高年式のフリードプラスは価格が高く、現行フリードとの価格差が小さくなるケースもあります。

その場合は、新旧モデルを「中古だから安い」「新車だから高い」という先入観で分けず、支払総額や安全装備、保証まで含めて比較したほうが賢明でしょう。


フリードプラスを選ぶ価値をどう考える?私の考察

個人的にフリードプラスで最も評価したいのは、コンパクトミニバンのサイズを保ったまま、用途を思い切って5人乗りに絞ったことです。

ミニバンというと「何人乗れるか」が注目されがちですが、実際の生活では毎日6人、7人を乗せる人ばかりではありません。

むしろ買い物、通勤、送迎、旅行などでは2~4人乗車が中心で、荷物のほうが多い家庭もあります。

フリードプラスは、その現実に対するホンダなりの回答だったように感じます。

しかも単純に3列目を取り外すのではなく、荷室開口部を145mm低くし、二重フロアを設け、車中泊にも使いやすい形へ作り直しました。

ここにフリードプラスの価値があります。

同じボディを流用して座席だけ減らすならコストは抑えられたでしょう。しかし、後部構造まで用途別に造り分けたことで、「荷物を積む人が本当に使いやすい車」になりました。

一方で、今から買う場合は生産終了モデルであることも忘れてはいけません。

安さだけを優先して初期型を選ぶのではなく、安全装備を重視するならHonda SENSING搭載車を中心に比較したいところです。

特に2019年10月のマイナーチェンジでは内外装が刷新され、Honda SENSINGが全車に標準化されました。中古車として価格と装備のバランスを見るなら、この時期以降は有力候補になります。

予算を抑えるなら2019年以前、価格と安全装備のバランスなら2020年前後、新しさを求めるなら2022年以降というように、目的別に整理すると探しやすいでしょう。

そして高年式車が250万円前後まで上がるなら、現行フリードCROSSTAR 5人乗りとの比較も必要です。

フリードプラスは中古になったから価値が落ちたのではなく、予算次第で“お買い得にも割高にもなる車”になったと私は考えています。

だからこそ、車名だけで探すのではなく、「5人乗り・低床荷室・車中泊・スライドドア」という自分が欲しい機能に対して、いくらまで払えるかを決めてから探すのがおすすめです。


まとめ

ホンダ フリードプラスは、2代目フリードをベースに2016年9月から2024年6月まで販売された、2列シート・5人乗りの実用重視モデルです。

標準フリードとの最大の違いは、6~7人乗りの3列シートをやめ、大きな荷室へ振り切ったことです。

しかも違いは座席数だけではありません。

フリードプラスでは荷室開口部を通常のフリードより145mm低くし、二重フロアとユーティリティーボードを採用。後席を倒すことで約1,850mmのフラットスペースを作れるため、荷物の運搬からアウトドア、車中泊まで幅広く活用できます。

人を多く乗せるならフリード、5人までで荷物と使い勝手を優先するならフリードプラス。この違いを押さえておけば、選択はかなり分かりやすくなります。

現在はフリードプラスという車名の新車はありませんが、その思想は3代目フリードCROSSTARの5人乗り仕様へ受け継がれています。

中古のフリードプラスを検討するなら、価格だけでなく、年式、走行距離、Honda SENSINGの有無、整備履歴、保証、そして現行5人乗りCROSSTARとの総支払額の差まで確認して選びたいところです。


よくある質問

ホンダ フリードプラスとフリードの一番大きな違いは何ですか?

最大の違いは乗車定員と荷室です。2代目フリードは6~7人乗りの3列シートですが、フリードプラスは5人乗りの2列シートとし、その分を大きな荷室に使っています。

さらにフリードプラスは後部フロアまで専用設計され、荷室開口部地上高は335mmと、通常のフリードの480mmより145mm低くなっています。

フリードプラスは車中泊できますか?

できます。2列目を倒す「おやすみモード」にすると、奥行き約1,850mmのフラットスペースを作れます。

ただし2列目と荷室には約25mmの段差があるため、快適に寝るならクッションマットなどを組み合わせると使いやすくなります。

フリードプラスは現在も新車で買えますか?

フリードプラスは2024年6月に販売を終了しており、現在は基本的に中古車から選ぶモデルです。

ただし現行の3代目フリードではCROSSTARに5人乗り仕様が設定されており、フリードプラスに近い「5人乗り+広い荷室」という考え方が受け継がれています。

ソロ(そろ)/新車・カーライフ愛好家