日産エルグランド新型のデザイン評価|ダサいと言われる理由と実際の評判

組子模様のフロントマスクを持つ大型プレミアムミニバンを斜め前から見たシーン

日産エルグランド新型は、従来型から大きく方向転換したため「ダサい」との声もありますが、実車の質感や走行性能を含めると評価が変わる可能性が高い一台です。

16年ぶりのフルモデルチェンジで、低く構えた旧型から全高1975mmの堂々としたスタイルへ進化しました。日本の伝統的な組子をモチーフにした顔つきが、個性的と映るか、違和感につながるかが評価の分かれ目です。

日産エルグランド新型は本当にダサいのか?

結論から言えば、日産エルグランド新型を単純に「ダサい車」と決めつけるのは早いと感じます。

否定的な評価が出る理由は、造形の完成度が低いからというより、長年親しまれたエルグランドのイメージから大きく変わったためです。

新型エルグランドは、2010年に登場した従来型から16年ぶりにフルモデルチェンジした日産のフラッグシップミニバンです。2026年5月31日に掲載された自動車ジャーナリスト・渡辺陽一郎さんの比較記事では、トヨタ・アルファードと外観、室内、走行性能、快適性などが詳しく比較されました。

新型のボディサイズは、全長4995mm、全幅1895mm、全高1975mmです。ホイールベースは3000mmで、比較対象となったアルファードと同じですが、全幅と全高はエルグランドのほうがそれぞれ45mm大きくなっています。

つまり、旧型で印象的だった「低くワイドな高級ミニバン」から、室内空間と存在感を重視した「背の高い大型ミニバン」へと立ち位置を変えたわけです。

この変化を進化と受け取る人がいる一方で、旧型のスポーティな姿を期待していた人からは「エルグランドらしくない」「普通の箱型ミニバンになった」と感じられやすいのでしょう。

車のデザインは、正解と不正解を数字だけで決められません。特にエルグランドのように歴史が長く、過去のモデルに強い思い入れを持つ人が多い車では、変化が大きいほど第一印象で反発が起きやすくなります。


日産エルグランド新型がダサいと言われる理由

新型エルグランドがダサいと言われる主な理由は、次の4点に整理できます。

  • 組子模様を採り入れたフロントマスクが見慣れない
  • 旧型より全高が高く、箱型の印象が強くなった
  • 日産セレナと同じブランドのデザインに見える
  • アルファードほど分かりやすい豪華さがない

なかでも評価を大きく分けているのが、フロントマスクです。

Lサイズミニバンでは、遠くから見ても高級車だと分かる強い顔つきが好まれる傾向があります。アルファードは大きなグリルと多くのメッキパーツを使い、正面から見たときの存在感を明確に表現しています。

対する新型エルグランドは、日本の伝統的な組子をモチーフにした緻密なパターンで個性を出しました。派手なメッキで圧倒するのではなく、細かな模様と光の表現で上質さを見せようとしています。

この違いは、いわば大きな宝石と精密な工芸品の違いです。

一目で豪華だと分かるデザインを求める人にはアルファードが魅力的に映りやすく、細部の作り込みや静かな個性を好む人にはエルグランドが刺さりやすいと考えられます。

ただし、組子模様は写真では細かな立体感が伝わりにくく、正面から見るとのっぺりした大きな面に見えることがあります。発表画像やスマートフォンの小さな画面だけで見ると、実車より平面的に感じやすいデザインです。

また、新型は全高が1975mmに達します。旧型の低いシルエットをエルグランドらしさだと考える人ほど、背の高い新型に戸惑うのは無理もありません。

個人的には、「ダサい」というより、従来のエルグランド像との距離が大きいデザインと表現するほうが正確だと思います。


大きいセレナに見えるという口コミはなぜ出る?

日産エルグランド新型の口コミで見かけやすいのが、「大きいセレナに見える」という評価です。

これは単なる悪口ではなく、上級モデルに求められる特別感が十分にあるのかを心配する声でもあります。

セレナとエルグランドは同じ日産のミニバンなので、ライトや面の使い方にブランドとしての共通性が表れるのは自然です。しかし、エルグランドは日産の最高級ミニバンですから、購入を検討する人はセレナとは明確に異なる風格を期待します。

新型は水平基調のデザインを採り入れ、ボディ側面も大きな面で構成されています。写真の角度によっては、セレナをそのまま拡大したように感じる人もいるでしょう。

一方で、実際の寸法を見ると両車の存在感は大きく異なります。新型エルグランドは全長4995mm、全幅1895mm、全高1975mmという堂々としたサイズで、道路上ではセレナとは別格のボリュームがあります。

さらに、内装には14.3インチの液晶パネルを2枚並べ、エアコンのスイッチをインパネに組み込んだ先進的な構成を採用しています。2本スポークのステアリングやスイッチ式のシフト操作なども含め、上級車としての違いは車内でより分かりやすくなっています。

高級車らしさは、外観の形だけで決まるものではありません。

ドアを閉めたときの音、シートの支え方、走行中の静かさ、操作したときの感触など、写真では伝わらない部分が所有満足度を左右します。

そのため、「大きいセレナに見える」という第一印象を持ったとしても、内装や走りまで確認せずに候補から外すのは少しもったいないと感じます。


新型エルグランドとアルファードのデザイン評価を比較

新型エルグランドの評価を考えるうえで避けられないのが、トヨタ・アルファードとの比較です。

両車は同じLサイズミニバンですが、高級感の表現方法が大きく異なります。

比較項目 新型エルグランド アルファード
フロントデザイン 組子をモチーフにした個性的な表情 大型グリルとメッキによる強い存在感
ボディサイズ 4995×1895×1975mm エルグランドより全幅・全高が各45mm小さい
内装の方向性 14.3インチ画面を2枚並べた先進的な構成 合成皮革を広く使った分かりやすい豪華さ
2列目の印象 快適だが比較的すっきりした見た目 大型アームレストで特等席感が強い
向いている人 個性、走り、静粛性を重視する人 豪華さ、知名度、万人受けを重視する人

渡辺陽一郎さんの比較では、ボディの取り回しや運転のしやすさはアルファードが少し優位と評価されました。

新型エルグランドはサイドウインドーの下端が高く、運転席に座るとセダンのような囲まれ感があります。その反面、大柄なボディと相まって左側面の死角が大きく感じられるためです。

内装デザインについては引き分けと評価されています。

エルグランドは新型車らしい先進性があり、アルファードは内装各部に合成皮革を使うことで、誰が見ても分かりやすい高級感を表現しています。

ここが両車を選ぶ際の重要な違いです。

アルファードは、ホテルのロビーのように初めて乗った瞬間から豪華さが伝わります。一方のエルグランドは、最新のデジタル機器を備えた落ち着いたラウンジに近く、使い込むほど良さが分かる方向です。

見栄えの豪華さでは、2列目シートもアルファードが有利と評価されました。エルグランドも両側アームレストとオットマンを備えたキャプテンシートで、背中から大腿部をしっかり支えます。

しかし、アルファードのエグゼクティブパワーシートは固定式の大型アームレストを備え、見た目の「特等席感」がより明確です。

写真を見ただけで高級感を判断したい人にはアルファード、乗ったときの機能性や個性まで含めて選びたい人にはエルグランドという分け方が分かりやすいでしょう。


実際の評判は外観より走りと快適性が高評価

新型エルグランドの実際の評価を見ると、外観デザインだけでなく、3列目の快適性や走行性能、静粛性が高く評価されています。

これは購入候補として判断するうえで、見逃せないポイントです。

身長170cmの大人6人が乗車する想定で、2列目の膝先空間を握りこぶし3つ分に調節した場合、3列目の膝先空間はエルグランドが握りこぶし3つ分、アルファードが3つ半とされています。

数字上の足元空間はアルファードが少し広いものの、アルファードは床と座面の間隔が狭く、足を前に投げ出す姿勢になりやすいと評価されました。

エルグランドは床と座面の間隔に余裕があり、自然な姿勢で座りやすく、座面も柔軟です。このため、3列目の居住性ではエルグランドが勝ると判断されています。

大人数で移動する家庭にとって、3列目が非常用の席ではなく、きちんと大人が座れる場所になっていることは大きな価値です。

さらに評価が高いのが走行性能です。

新型エルグランドは全車に、直列3気筒1.5Lターボエンジンを発電に使う第3世代e-POWERと、4WDシステムのe-4ORCEを搭載します。

e-POWERはエンジンで発電し、タイヤはモーターで駆動する仕組みです。アクセルを踏んだ直後から力を出しやすく、大きく重いミニバンでも反応の良い加速を得られます。

開発者によると最大トルクは500Nm以上で、5Lガソリンエンジンに相当する力強さとされています。

エルグランドは全高が2m近いにもかかわらず、ステアリング操作に対して車両が正確に反応します。一般的な大型ミニバンは、高い重心による不安定さを抑えるために、あえて動きを穏やかにする傾向がありますが、新型エルグランドは運転する楽しさを残しました。

速度を上げてカーブを曲がっても、ボディの傾き方が急激ではなく、4輪が路面をしっかり捉えると評価されています。

4WDのe-4ORCEに加え、4輪のショックアブソーバーを独立して制御する機能も備え、危険回避時を含めた走行安定性ではアルファードより優位とされました。

静粛性もエルグランドの強みです。

アクティブノイズコントロールを採用し、スピーカーから出す音で車内の不快なノイズを打ち消します。比較では、アルファードの4気筒エンジン音が時折気になるのに対し、エルグランドはより静かだと評価されました。

こうした内容を見ると、新型エルグランドは「写真映えだけで勝負する車」ではありません。乗って、走らせて、長時間過ごすことで魅力が伝わる設計だと分かります。


日産エルグランド新型は売れないのか?

「日産エルグランド新型は売れないのではないか」と検索する人もいますが、デザインだけで販売結果を決めつけることはできません。

ただし、販売面で簡単ではない条件がそろっているのも事実です。

最大の壁は、アルファードとヴェルファイアがLサイズミニバン市場で強いブランド力を確立していることです。販売実績、知名度、下取り価格への期待、販売店網など、車そのもの以外の部分でも強みを持っています。

さらに、2026年6月23日に掲載されたベストカーの記事では、トヨタ系ディーラーの営業担当者から、新型エルグランドの技術力は評価しつつも、価格設定を見て大きな脅威とは感じていないという趣旨の反応が紹介されました。

同記事では、新型エルグランドのエントリー価格を689万7000円、最上位を869万8000円としています。一方、アルファードのエントリー価格は559万9000円とされ、入口の価格ではエルグランドのほうが高い傾向です。

価格やグレード構成は購入時期によって変わる可能性があるため、最新情報は日産とトヨタの公式案内で確認する必要があります。

新型エルグランドが苦戦するとすれば、「デザインがダサいから」だけではなく、アルファードより高い価格を払ってでも選びたいと思わせられるかが焦点になるでしょう。

一方で、全車に第3世代e-POWERとe-4ORCEを搭載し、走行安定性、静粛性、3列目の快適性まで高い水準でまとめている点は明確な差別化になります。

アルファードと同じ方向を目指して価格だけを下げても、ブランド力の差を埋めるのは難しいはずです。むしろエルグランドは、走りや静かさにこだわる人へ対象を絞ったほうが存在価値を示しやすいと考えられます。

販売台数でアルファードを上回らなくても、一定数のユーザーから強く支持されれば、商品として失敗とは限りません。


購入前に確認したいデザインの判断ポイント

新型エルグランドの見た目が気になる人は、正面写真だけで「ダサい」「かっこいい」と判断せず、次の点を確認するのがおすすめです。

  • 斜め前から見たときの組子グリルの立体感
  • 横から見たときの全高とホイールのバランス
  • 濃色と明るいボディカラーでの印象差
  • 昼間と夜間でのライトの見え方
  • 運転席からの視界とボディサイズの感覚
  • 内装と外観に統一感があるか

特に重要なのは、ボディカラーによる違いです。

大きな面を使ったデザインは、白や明るいシルバーではボディの広さが強調され、黒や濃色では全体が引き締まって見えます。同じ車でも、色によって箱型感やグリルの存在感が大きく変わる可能性があります。

また、夜間にライトを点灯した状態も確認したいところです。細かな模様や光の連続性を重視したデザインは、日中の静止画よりも夜間のほうが狙いを理解しやすい場合があります。

運転席からの視界も外せません。エルグランドは全幅1895mm、全高1975mmという大きな車で、サイドウインドー下端も高めです。

外から見た迫力が気に入っても、自宅周辺の狭い道や駐車場で扱いにくければ、購入後の満足度は下がります。デザインは眺めるものだけではなく、毎日扱う道具としての見切りまで含めて評価する必要があります。


新型エルグランドのデザインと口コミをどう評価する?

筆者としては、新型エルグランドのデザインは万人受けを狙ったものではなく、アルファードとは違う高級感を示すために、あえて賛否が分かれる道を選んだと考えています。

組子模様のフロントマスクは、誰が見ても豪華だと感じる分かりやすさではアルファードに及びません。しかし、街中で同じような大型グリルのミニバンが増えた現在、細かな工芸的表現で個性を作る姿勢には意味があります。

一方、旧型の低く構えたスポーティなスタイルを好む人にとって、新型の全高1975mmという姿が受け入れにくいのも理解できます。

室内を広くし、3列目の快適性を高め、堂々とした存在感を作るには背の高さが必要です。新型は外観の低さより、家族や同乗者が実際に得られる快適さを優先したのでしょう。

個人的に注目したいのは、デザインの賛否と走行評価が正反対になっている点です。

外観は「大きいセレナ」「平面的」「旧型らしくない」と意見が割れる一方、走りについては力強い加速、正確な操舵感、安定性、静粛性が高く評価されています。

このギャップは、新型エルグランドが静止画より試乗で評価を上げるタイプであることを示しています。

販売店に展示車や試乗車が並び、組子グリルの立体感、14.3インチ画面を2枚並べた内装、e-POWERの加速、e-4ORCEの安定感を体験する人が増えれば、発売前後の「ダサい」という評価が和らぐ可能性はあります。

反対に、価格が高く、外観にも強く惹かれない場合は、走りが良くても購入まで進まない人が出るでしょう。高級ミニバンは実用品であると同時に、所有する満足感が重視される商品だからです。

新型エルグランドが売れるかどうかは、デザインの正しさだけでなく、実車を見た人が「この個性にお金を払いたい」と思えるかにかかっています。


まとめ

日産エルグランド新型がダサいと言われる主な理由は、組子模様のフロントマスク、全高1975mmの箱型スタイル、旧型との大きな違い、セレナとの共通性です。

ただし、それらは造形上の欠点と断定できるものではなく、アルファードのような派手な豪華さではなく、細部の作り込みと先進性で上質さを表現した結果でもあります。

実際の評価では、3列目の自然な着座姿勢、第3世代e-POWERの力強い加速、e-4ORCEによる安定性、アクティブノイズコントロールを活用した静粛性が高く評価されています。

新型エルグランドは、写真を見ただけでは魅力が伝わりにくい一方、実車の質感や乗り味まで確かめると印象が変わる可能性のある車です。

分かりやすい豪華さと万人受けを求めるならアルファード、走りや静かさ、他人とかぶりにくい個性を重視するならエルグランドが有力な選択肢になるでしょう。


よくある質問

日産エルグランド新型は本当にダサいですか?

デザインの好みによります。組子模様のグリルや背の高いシルエットは賛否が分かれますが、実車の立体感や夜間のライト、内装、走行性能まで含めると評価が変わる可能性があります。

新型エルグランドが大きいセレナに見えるのはなぜですか?

同じ日産のミニバンとして、水平基調のデザインや面の使い方に共通性があるためです。ただし、新型エルグランドは全長4995mm、全幅1895mm、全高1975mmで、装備や室内の質感、走行性能は上級モデルとして差別化されています。

日産エルグランド新型は売れないのでしょうか?

アルファードより高い価格帯や、好みが分かれる外観は販売上の課題になり得ます。一方、第3世代e-POWER、e-4ORCE、静粛性、3列目の快適性という明確な強みがあり、走りを重視する層から支持される可能性があります。