日産セレナは1991年の初代C23型から始まり、現在の6代目C28型まで、約35年にわたって進化してきた日産の代表的なミニバンです。
世代ごとに見ると、FRからFFへの転換、両側スライドドア、S-HYBRID、プロパイロット、e-POWER、e-4ORCEなど、その時代のファミリーカーに求められる技術を取り込み続けてきたことが分かります。
日産セレナ歴代モデル・年式一覧は?初代から現行C28まで整理
日産セレナの歴代モデルは、初代C23、2代目C24、3代目C25、4代目C26、5代目C27、6代目C28という流れです。
まず全体像を年式で整理すると、次のようになります。
世代 型式 主な販売時期 大きな特徴
初代 C23型 1991年~1999年 バネットセレナとして登場、FRベース
2代目 C24型 1999年~2005年 FF化、両側スライドドア採用
3代目 C25型 2005年~2010年 室内空間拡大、現在につながるミニバン路線を確立
4代目 C26型 2010年~2016年 低燃費化、S-HYBRIDを展開
5代目 C27型 2016年~2022年 プロパイロット、e-POWERを採用
6代目 C28型 2022年~ 第2世代e-POWER、プロパイロット2.0、e-4ORCE
セレナという名前は長く続いていますが、内容はずっと同じではありません。
特に大きな転換点は、2代目C24のFF化、5代目C27のプロパイロットとe-POWER、6代目C28の電動化・運転支援強化だと私は考えています。
単純に「新しくなるほど豪華になった」というより、家族が使いやすいミニバンとして何を優先するかが、時代ごとに変化してきた車です。
初代C23型セレナはいつ登場?1991年に「バネットセレナ」として誕生
初代セレナC23型は、1991年6月6日にC22型バネットコーチの後継車として発売されました。
発売当初の正式な名称は「セレナ」だけではなく、「バネットセレナ」です。同時に商用モデルの「バネットセレナ・カーゴ」も設定されていました。
初代は現在のセレナとは構造的にもかなり異なります。
駆動方式は後輪駆動を基本とし、四輪駆動も設定。小さなボンネットを持つセミキャブオーバー型で、助手席下付近にエンジンを配置する、ワンボックスカーの流れを強く残したモデルでした。
エンジンには1.6Lガソリン、2.0Lガソリン、2.0Lディーゼルなどが用意され、5速MTと4速ATも存在しました。
乗車定員は5~8名。全長はおよそ4,355~4,380mm、全幅は1,695mmで、現在のミニバンと比べればかなりコンパクトに感じます。
1994年5月17日のマイナーチェンジでは、車名から「バネット」が外れ、「セレナ」単独の名称へ変更されました。
ここは日産セレナの年式を追ううえで意外に重要なポイントです。「セレナは1991年からある」という説明と、「セレナの単独車名は1994年から」という説明は、どちらも文脈によって正しいことになります。
また、初代時代には後のセレナを象徴するグレードも登場しています。
1996年4月24日には、オーテックジャパンが手掛けた特別仕様車として「ハイウェイスター」を発売。1997年1月の改良ではハイウェイスターがカタロググレードに加わりました。
今ではセレナの代表的なグレード名として定着しているハイウェイスターですが、その歴史は初代C23型までさかのぼります。
初代は1999年5月に生産を終え、同年6月に2代目へ交代しました。
私が興味深いと感じるのは、この初代が現在の「家族向けFFミニバン」とはかなり違う成り立ちだったことです。セレナの歴史は、最初から完成されたミニバンを磨き続けた歴史ではなく、商用車・ワンボックスの流れから乗用ミニバンへ転換していった歴史ともいえます。
2代目C24から4代目C26まで何が変わった?FF化からS-HYBRIDまで進化
2代目C24型は1999年登場、FF化と両側スライドドアが大転換
2代目C24型は1999年6月21日にフルモデルチェンジして登場しました。
最大の変更は、初代のFR系レイアウトからFF(前輪駆動)へ変更されたことです。
当時、低床で乗り降りしやすいホンダ・ステップワゴンなどが支持されていたこともあり、セレナも乗用ミニバンとしての使いやすさを大幅に高めました。
さらに、乗用タイプのミニバンとして両側スライドドアを採用。シフトレバーもフロア式からコラム式へ変更し、前席間を移動しやすいレイアウトになりました。
ここで、今のセレナにつながる「家族が乗り降りしやすく、車内を移動しやすいミニバン」という方向性がかなり明確になったといえます。
2001年12月のマイナーチェンジでは、フロントやリアのデザインを変更。両側スライドドアにはリモコンオートスライドドアが追加され、利便性も向上しています。
初期には2.0Lガソリンと2.5Lディーゼルを用意していましたが、後期型ではディーゼルを廃止。2.0Lと2.5Lのガソリンエンジンへ整理されました。
2代目は、セレナの歴史のなかでも「ワンボックスの延長」から「現代的なFFミニバン」へ大きく舵を切った世代です。
3代目C25型は2005年登場、セレナ人気の基盤を作った世代
3代目C25型は、2代目の後を受けて2005年に登場しました。
この世代ではプラットフォームが刷新され、ホイールベースを延長。室内スペースを広げ、多彩なシートアレンジを採用することで、ファミリーカーとしての使い勝手をさらに高めました。
資料では、シートをたたむことで自転車4台まで積載できる広い空間を確保したことも紹介されています。
また、C25型以降はCプラットフォームを基本とした設計が続き、後のS-HYBRIDやe-POWER搭載車にもつながっていきます。
C25型からC27型までは、スズキへ「ランディ」としてOEM供給されていたことも、セレナの歴史を知るうえでは覚えておきたいポイントです。
個人的には、C25型は「セレナらしさが固まった世代」と見ると分かりやすいと思います。
初代と2代目で構造を大きく変えた後、3代目では広さ、シートアレンジ、乗降性といったミニバンとしての基本性能を磨き込み、以降のセレナが進む方向を固めました。
4代目C26型は2010年登場、低燃費とS-HYBRIDが焦点に
4代目C26型は2010年から2016年までの世代です。
3代目より室内長を拡大し、3列目シートを使用している状態でもベビーカーなどを横向きに積載できるスペースを確保するなど、実用性をさらに高めました。
エンジンも新しい直噴2.0Lへ変更され、低燃費化を進めています。
そしてC26型を語るうえで外せないのが、S-HYBRIDです。
S-HYBRIDは、後のe-POWERほどモーター主体の走りではありませんが、セレナが本格的に「燃費性能を強く意識するミニバン」へ移行していく節目となりました。
ここまでの歴代セレナを見ると、初代では走りやワンボックス由来の構造、2代目では低床・FF、3代目では室内の広さ、4代目では燃費というように、世代ごとの重点がはっきりしています。
5代目C27型セレナは何が画期的?プロパイロットとe-POWERを採用
5代目C27型は2016年に登場しました。
C27型の大きな特徴は、単純な室内空間の拡大だけではなく、運転支援や使い勝手の新技術が一気に増えたことです。
代表的なのが、足を動かすことでスライドドアの開閉を支援するハンズフリーオートスライドドア、リアガラス部分だけを開閉できるデュアルバックドア、そして高速道路などで運転を支援するプロパイロットです。
セレナにとって、C27は「広いミニバン」から「運転を助けてくれるミニバン」へ進んだ世代といえます。
さらに大きかったのがe-POWERの追加です。
C27型のe-POWER車には1.2Lエンジンが使われ、駆動はモーターが担当する電動パワートレインとして展開されました。
2020年8月発売モデルでは、e-POWER Xが1,198cc、WLTCモード18km/L、7人乗りで2,997,500円。e-POWER ハイウェイスターVは3,582,700円などの設定が確認できます。
同時期の2.0Lモデルには8人乗りがあり、たとえばXは2,576,200円、ハイウェイスターは2,758,800円でした。
つまりC27では、ガソリン系とe-POWERで価格だけでなく乗車定員やパワートレインの性格まで異なる構成になっていたわけです。
2020年8月の改良では「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」を全車標準装備とし、全方位運転支援システムを強化。一部グレードではプロパイロットも標準装備されました。
2021年1月には「ハイウェイスターV アーバンクロム」「e-POWER ハイウェイスターV アーバンクロム」、同年11月には「XV エアロ」「e-POWER XV エアロ」といった特別仕様車も加わっています。
また、オーテックやオーテック スポーツスペックなど、個性の強い派生モデルも豊富でした。
私がC27型を歴代セレナのなかでも重要だと考える理由は、ここでセレナの商品価値が「室内の広さ」だけでは説明できなくなったからです。
プロパイロット+e-POWER+実用的なドア機構という組み合わせによって、運転する人と乗る家族の両方に分かりやすいメリットを提示した世代でした。
中古車を探している人にとっても、C27は年式によって装備内容がかなり違うため、「C27だから全部同じ」と考えず、前期・後期やe-POWERの有無、安全装備まで確認したいところです。
現行6代目C28型の年式は?2022年登場から2026年改良までの流れ
現行型となる6代目C28型は、2022年12月発売モデルからスタートしました。
発売当初のガソリン車には、2.0L直列4気筒直噴「MR20DD」とCVTを組み合わせた「X」「XV」「ハイウェイスターV」などを設定。
2023年4月には新開発1.4Lエンジンを使う第2世代e-POWER搭載モデルが加わり、「e-POWER X」「e-POWER XV」「e-POWER ハイウェイスターV」などが展開されました。
2023年4月時点では、e-POWER Xが3,198,800円、e-POWER XVが3,499,100円、e-POWER ハイウェイスターVが3,686,100円。
最上位のe-POWER ルキシオンは4,798,200円で、プロパイロット2.0を標準装備しています。
第2世代e-POWERでは、専用の1.4Lエンジンを採用し、エンジン作動音を抑えながら、より力強く滑らかな加速を狙っています。
一方、C27まで設定されていたS-HYBRIDはC28では廃止されました。
安全・運転支援面では、C28でプロパイロットを全車標準装備。前方障害物を避けるときのステアリング操作を支援する「衝突回避ステアリングアシスト」や、駐車位置を記録できるメモリー機能付き「プロパイロット パーキング」なども設定されています。
2024年にはe-4ORCEや特別仕様車が追加
2024年9月モデルでは、ボディカラーに「クリスタルブラウン」や「クリスタルブラウン/利休ルーフ」などが追加され、一部仕様変更と価格改定が行われました。
同年11月には、電動駆動4輪制御技術e-4ORCEを搭載する「e-4ORCE X」「e-4ORCE XV」「e-4ORCE ハイウェイスターV」「e-4ORCE オーテック」が設定されています。
e-4ORCEは前後2基のモーターと左右ブレーキを統合制御し、4輪の駆動力を最適化する仕組みです。
雪道や山道だけを目的とした4WDではなく、市街地でも車体挙動を整え、乗り心地や乗員の快適性を狙っている点がC28らしい部分です。
2024年12月には、AUTECHシリーズにe-POWER オーテック スポーツスペックを設定。17インチタイヤ、ボディやサスペンション、パワーステアリングなどに専用チューニングが施されました。
さらに株式会社ビームスが企画・デザインを監修した台数限定の「ハイウェイスターV ビームスエディション」「e-POWER ハイウェイスターV ビームスエディション」も登場しています。
2026年2月にはC28をマイナーチェンジ
提供資料で最新となるのは2026年2月発売モデルです。
価格帯は2,785,200~4,998,400円で、2.0Lガソリン、e-POWER、e-4ORCEまで幅広いラインアップになっています。
この改良では、「ルキシオン」と「ハイウェイスターV」の外観デザインを刷新。ルキシオンには新しい専用インテリアも採用されました。
新たに「X XVパッケージ」「e-POWER X XVパッケージ」「e-4ORCE X XVパッケージ」も設定されています。
ルキシオンのシートには、しっとりとした触感を狙った次世代素材「テーラーフィット」を採用。ハイウェイスターVは、よりスポーティーさを強調した外観へ変更されました。
さらに「インテリジェントアラウンドビューモニター」には、車両周辺を立体的に確認できる「3Dビュー」、前方左右の死角を補う「フロントワイドビュー」、ドアミラーを閉じた状態でも左右を確認しやすくする「両サイドミラークローズドビュー」という新しい表示機能が追加されています。
ボディカラーも「ムーンボウブルー」「アクアミント」「ディープオーシャンブルー」の3色が加わり、全11色となりました。
2026年2月モデルの代表例を見ると、ガソリンFFのXは2,785,200円、e-POWER Xは3,293,400円、e-4ORCE Xは3,599,200円です。
e-POWER ハイウェイスターVは3,775,200円、e-4ORCE ハイウェイスターVは4,141,500円、最上位のe-POWER ルキシオンは4,998,400円となっています。
e-POWER Xは1,433cc、FF、8人乗り、WLTCモード20.3km/L。e-4ORCE Xは7人乗りで16.8km/Lです。
ここまで見ると、現行セレナは「安価なファミリー向けミニバン」だけではなく、300万円台から500万円近くまで広がる非常に幅のある車種になりました。
日産セレナ歴代モデルから見える35年間の変化とは?
歴代セレナを並べると、進化の方向はかなり明確です。
初代C23はバネットの系譜を引くFRベースのセミキャブオーバーでした。
2代目C24ではFF化して床を低くし、両側スライドドアなどを採用。3代目C25では室内空間とシートアレンジをさらに磨き、4代目C26では低燃費やS-HYBRIDを強く意識するようになりました。
5代目C27ではプロパイロットとe-POWER、6代目C28では第2世代e-POWER、プロパイロット2.0、e-4ORCEへと進化しています。
つまり、セレナの歴史は大きく分けると、
- 1990年代:ワンボックス由来の車から乗用ミニバンへ
- 2000年代:低床・広さ・スライドドアの使いやすさを追求
- 2010年代:低燃費化と電動化へ移行
- 2020年代:運転支援と電動4WDまで含む総合性能を強化
という流れで理解すると分かりやすいです。
もうひとつ面白いのが「ハイウェイスター」の存在です。
セレナでは1996年にオーテックジャパンの特別仕様車として登場し、1997年にはカタログモデルへ昇格。その後も世代をまたいで残り続け、2026年のC28にもハイウェイスターVが設定されています。
エンジンや運転支援技術は大きく変わっても、標準車より少しスポーティーで存在感のあるセレナを選びたい需要は約30年間変わっていないことになります。
これは歴代モデルを単純な年表だけで見ていると気づきにくいポイントです。
セレナの歴代モデルを選ぶなら何代目が狙い目?私見で考える
ここからは資料にある事実を踏まえた私見です。
中古車まで含めてセレナを選ぶなら、「何代目が一番いいか」だけではなく、どの機能から必要なのかを逆算することが重要だと考えます。
価格を重視しながら現在に近いミニバンらしい使い勝手が欲しいなら、C25やC26にも魅力があります。
一方で、運転支援を重視するならC27以降を見たほうが分かりやすいでしょう。C27ではプロパイロットが登場し、さらにe-POWERも選べるため、現在のセレナにつながる主要技術を一気に体験できます。
新車または新しい年式を選べる予算があるなら、C28はやはり完成度が高い世代です。
第2世代e-POWERに加え、全車標準のプロパイロット、ルキシオンのプロパイロット2.0、さらにe-4ORCEまで選択肢が広がりました。
ただし、装備が増えたぶん価格も上がっています。
2026年2月モデルではガソリンXが約279万円なのに対し、e-POWER ルキシオンは約500万円。単純計算でも200万円以上の開きがあります。
「最新だから最上位を選ぶ」という考え方より、8人乗りが必要なのか、4WDが必要なのか、e-POWERが自分の使い方に合うのか、プロパイロット2.0まで必要なのかを整理したほうが、結果的には賢い選び方になるはずです。
私は車選びでは、高級感や装備数だけでなく使う機能にお金を払えているかを重視しています。
その視点で歴代セレナを見ると、C27とC28の境目はかなり分かりやすいです。C27でも十分便利ですが、C28では電動化と運転支援の完成度をさらに高めているため、「価格差を払ってでも新しい技術が欲しいか」が判断基準になります。
反対に中古のC27を選ぶなら、年式だけでなく前期・後期、e-POWERの有無、プロパイロットなどの装備を個体ごとに確認したいところです。
中古車は年式、走行距離、グレード、整備状態、装備、ボディカラーなどで価格が変わります。「C27なら安い」「C28なら高い」と一括りにせず、同じ予算でどこまで装備と状態を両立できるかを見ることが大切です。
まとめ|日産セレナは初代C23から現行C28まで6世代
日産セレナは、1991年に「バネットセレナ」として登場した初代C23型から始まり、現在は6代目C28型まで進化しています。
初代はFRベースでしたが、2代目C24でFF化し両側スライドドアを採用。3代目C25では室内空間を磨き、4代目C26ではS-HYBRIDなど低燃費化を進めました。
5代目C27ではプロパイロットとe-POWERが大きな転換点となり、2022年登場の6代目C28では第2世代e-POWERやプロパイロット2.0、さらに2024年にはe-4ORCEまで設定されています。
そして2026年2月のC28マイナーチェンジでは、ルキシオンとハイウェイスターVのデザイン刷新、アラウンドビューモニターの新表示機能、テーラーフィット採用、新色追加など、さらに商品力が高められました。
歴代セレナを振り返ると、単なるモデルチェンジの繰り返しではありません。低床化、室内空間、燃費、電動化、運転支援という、その時代のファミリーカーに求められる価値を順番に取り込んできたことが、長くセレナの名前が続いている理由のひとつだと私は考えます。
よくある質問
日産セレナの初代は何年式ですか?
初代C23型は1991年6月6日発売です。当初は「バネットセレナ」という名称で、1994年5月のマイナーチェンジから「セレナ」の単独名称になりました。
セレナは現在何代目ですか?
現在は6代目C28型です。2022年12月にガソリン車が登場し、2023年4月には第2世代e-POWER搭載車が加わりました。2026年2月にはマイナーチェンジモデルも設定されています。
セレナにe-POWERが登場したのは何代目ですか?
e-POWERが設定されたのは5代目C27型です。現行6代目C28では新開発1.4Lエンジンを使う第2世代e-POWERへ進化し、さらにe-4ORCE搭載車もラインアップされています。