2024年のトヨタ・ヴェルファイア新型は、2023年6月21日に全面刷新された40系を軸に、迫力ある外観だけでなく、走り・後席快適性・安全装備まで大きく進化した高級ミニバンです。
従来のヴェルファイアが持っていた強い個性を残しながら、アルファードとの違いをより明確にし、「運転しても楽しめる高級ミニバン」という方向性を強めたことが大きなポイントです。
トヨタ・ヴェルファイア新型の2024年モデルとは?
2024年モデルとして注目された新型トヨタ・ヴェルファイアは、2023年6月21日に8年ぶりのフルモデルチェンジを受けた現行40系ヴェルファイアです。
先代は2015年に登場しており、今回のモデルチェンジではデザインだけを変えるのではなく、ボディ、走行性能、乗り心地、室内空間、先進装備まで幅広く見直されました。
グレード構成も従来より分かりやすく整理され、登場当初は主に次の2グレードが設定されていました。
- Z Premier
- Executive Lounge
Z Premierは、ヴェルファイアらしいスポーティさと豪華装備を両立する主力グレードです。
一方のExecutive Loungeは、後席で過ごす時間を最優先した最上級仕様で、いわば「移動する応接室」に近い性格を持っています。
2023年登場時のExecutive Loungeハイブリッドは2WDが870万円、E-Fourが892万円という価格設定で、新型ヴェルファイアが従来以上に上級市場へ移ったことも話題になりました。
ただし、「価格が上がっただけ」と考えると、このモデルの進化を見誤ります。
私が注目したいのは、新型でヴェルファイアの役割自体が変わったことです。
先代まではアルファードのデザイン違いという印象を持つ人もいましたが、40系では走りを重視したヴェルファイアと、王道の高級感を重視したアルファードというキャラクター分けが、よりはっきりしています。
新型トヨタ・ヴェルファイアは外観がどう進化した?
新型トヨタ・ヴェルファイアの特徴として、まず目に入るのが力強いフロントデザインです。
巨大なフロントグリルを中心に、薄型のLEDヘッドランプやワイド感のあるバンパーを組み合わせ、従来型の迫力を残しながらも、単純にメッキを増やした派手さとは違う方向へ進化しています。
Executive Loungeでは、ガンメタ塗装やスモーク系の加飾などを組み合わせることで、先代より落ち着いた高級感を表現しています。
ボディ側面も重要です。
フロントからフェンダー、スライドドア、後方へとつながる立体的なボディラインにより、約5m級の大きなミニバンでありながら、単なる四角い箱には見えません。
現行型のボディサイズは全長4,995mm、全幅1,850mm、全高1,945mmが基本です。
この大きさは街中では確実に存在感があります。
それでも全長を5m未満に収めている点は、日本の道路や駐車場事情を考えた現実的な設計だと私は感じます。
最小回転半径は5.9mですから、コンパクトカーのような感覚では扱えません。
狭い住宅街や立体駐車場を日常的に利用する人は、購入前に車庫の幅だけでなく、ドアを開くスペースや曲がり角まで確認しておきたいところです。
足元には19インチアルミホイールが用意され、新型ヴェルファイアの大きなボディに負けない存在感を演出しています。
見た目だけを派手にするのではなく、ボディ全体の重厚感とのバランスを取っているところが40系らしい進化です。
2024年トヨタ・ヴェルファイアは内装と後席が大きく進化
新型ヴェルファイアで特に進化を感じやすいのが室内です。
インパネはドライバーを包み込むようなレイアウトとなり、中央には14インチの大型ディスプレイオーディオが配置されています。
大きな画面は見栄えのためだけではありません。
ナビや車両情報を確認しやすく、車格にふさわしい操作性を確保している点が実用面でも魅力です。
そして、ヴェルファイアの本領はやはり2列目です。
Z Premierでも電動リクライニングやオットマンを備えたエグゼクティブパワーシートが採用され、一般的なミニバンとは明確に違う後席環境になっています。
さらにExecutive Loungeになると、セカンドシートは専用のエグゼクティブラウンジシートとなります。
パワーロングスライド、パワーオットマン、温熱機能、ベンチレーション、リフレッシュ機能などを組み合わせ、単に座面を柔らかくするのではなく、長時間座ったときの快適性まで考えた設計です。
14インチのリヤシートエンターテインメントシステムやJBLプレミアムサウンドシステムも用意され、後席で過ごす時間そのものを商品価値にしています。
また、天井にはスーパーロングオーバーヘッドコンソールを配置。
照明やエアコンの操作系をまとめることで、機能が多い車でありながら室内をすっきり見せています。
左右独立タイプのムーンルーフも設定され、2列目に座ったときの開放感にも配慮されています。
ここで個人的に評価したいのが、豪華装備だけでなく乗り降りへの配慮まで行われていることです。
ユニバーサルステップやロングアシストグリップなど、高い床へ乗り込む負担を軽減する工夫が盛り込まれています。
高級車というと革や木目ばかりに目が向きますが、本当に価値のある装備は「毎回使うところが楽になる機能」です。
家族や高齢の親を乗せる使い方まで考えると、この部分は派手なイルミネーション以上に重要だと思います。
新型ヴェルファイアの走りはアルファードと何が違う?
2024年型トヨタ・ヴェルファイアを語るうえで、外せないのが走行性能です。
新型ではTNGAプラットフォームをベースに高剛性ボディを採用し、フロントにマクファーソンストラット式、リヤにダブルウィッシュボーン式サスペンションを組み合わせています。
ボディの不要な変形や振動を抑え、ミニバン特有のふらつきを減らしながら、上質な乗り心地を目指した設計です。
そしてヴェルファイアには、アルファードとの差別化を明確にする重要な武器があります。
それが2.4Lターボガソリンエンジンです。
Z Premierのターボモデルは、排気量2,393ccのエンジンに8速ATを組み合わせる構成です。
後の現行仕様でも最高出力205kW、279PS、最大トルク430N・mという力強い性能を持ち、重量級ミニバンを余裕を持って走らせます。
一方、2.5Lハイブリッドも設定されています。
ハイブリッドExecutive Loungeでは、2.5Lエンジンにモーターを組み合わせ、2023年登場当初のシステム最高出力は184kW、250PSとされました。
当時のWLTCモード燃費はExecutive Loungeの2WDで17.5km/L、E-Fourで16.5km/L。
2トンを大きく超える大型ミニバンとして考えれば、燃費と動力性能のバランスはかなり優秀です。
パワートレイン 特徴 向いている人
2.4Lターボ 加速力と力強い走りを重視 運転そのものを楽しみたい人
2.5Lハイブリッド 静粛性と燃費のバランスが良い 街乗り・長距離を幅広く使う人
Executive Lounge HEV 後席快適性を最優先 送迎や長距離移動が多い人
私は、ヴェルファイアを選ぶ意味が最も分かりやすいのは2.4Lターボだと考えています。
燃費だけならハイブリッドが有利ですが、アルファードではなくヴェルファイアを選ぶ理由として「ドライバー側の楽しさ」を重視するなら、専用色の強いターボは非常に面白い選択です。
反対に、毎日の燃料費や静かさを重視するならハイブリッドのほうが合理的でしょう。
高いグレードほど正解なのではなく、自分がどこにお金を使いたいかで選ぶことが大切です。
トヨタ・ヴェルファイア新型は安全装備も進化した
車体が大きく、家族を乗せる機会も多いヴェルファイアでは、安全支援機能も重要です。
新型には予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が採用され、運転時のさまざまな場面を支援します。
さらに、プロアクティブドライビングアシストなど、危険が迫ってから作動するだけではなく、日常運転でドライバーの操作を支援する機能も盛り込まれています。
高度運転支援技術「トヨタ チームメイト」も設定され、駐車など大型ミニバンで負担を感じやすい場面をサポートします。
これは新型ヴェルファイアの価値を考えるうえで見逃せません。
高級車というと豪華な後席が注目されますが、全幅1,850mm、全長4,995mmという車を日常的に扱う以上、カメラや運転支援は贅沢品ではなく、実用装備としての意味が大きいからです。
特に初めてLクラスミニバンへ乗り換える人なら、試乗時には加速性能より先に、駐車や狭い道での取り回しを体験することをおすすめします。
2024年モデルの価格上昇は高すぎたのか?
2024年当時、新型ヴェルファイアで大きな話題となったのが価格でした。
先代には300万円台から購入できる仕様もありましたが、40系では上級グレード中心の構成となり、一気に高価格帯へ移りました。
登場時にはZ Premierの2.4Lターボ2WDが650万円、Executive Loungeハイブリッド2WDが870万円という設定でした。
この数字だけを見ると「高くなりすぎた」と感じるのも自然です。
実際、コストパフォーマンス重視で考えるなら、誰にでもおすすめできる車ではありません。
ただ、価格差には理由があります。
ボディ剛性、専用チューニング、大型ディスプレイ、プレミアムナッパ本革、後席電動機構、安全支援、快適装備などを積み上げると、先代の廉価グレードとはそもそも商品として狙っている場所が違います。
ここは中古車選びでも重要です。
「新型ヴェルファイアが欲しい」というだけなら、Executive Loungeまで上げる必要はありません。
Z Premierでも後席快適装備や本革シート、19インチホイールなどが充実しており、自分で運転する人にとってはむしろバランスが良いと考えられます。
一方、運転手付きで使うケースや、家族を2列目に乗せて長距離移動する機会が非常に多いならExecutive Loungeの装備差が生きてきます。
つまり、価格だけを比較するより、誰がどの席に一番長く座るのかを先に考えたほうがグレード選びで失敗しにくいでしょう。
これはヴェルファイア選びで意外と見落とされやすいポイントです。
その後のヴェルファイアはどう進化した?2024年型を見るうえで知っておきたい流れ
2024年モデルを中古車などで検討しているなら、その後の進化も知っておくと比較しやすくなります。
トヨタは2024年12月20日にアルファード、ヴェルファイアへのPHEV追加を発表し、ヴェルファイアにも2.5L+モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドが加わりました。
さらに2026年6月3日には一部改良モデルが発売されています。
2026年型では、ボディカラーのブラック[202]からニュートラルブラック[209]への変更や、内装加飾のブロンズスパッタリングへの変更などが行われました。
現行ラインアップでは、Z Premierのターボガソリン2WDが6,749,600円、ハイブリッドZ Premier 2WDが7,099,400円、ハイブリッドExecutive Lounge 2WDが8,849,500円。
PHEV Executive Lounge E-Fourは10,899,900円となっています。
つまり2024年型は、現在の40系ヴェルファイアの「原型」と言える存在です。
最新型にはPHEVや細かな改良という魅力がありますが、2024年型でも基本的なボディ構造、迫力あるデザイン、2.4Lターボ、豪華な2列目という40系の核心部分はすでに備わっています。
中古車を含めてコスパを考えるなら、最新年式だけに絞らず2023〜2024年登録車も比較する価値があります。
実際、2026年8月時点では2023〜2024年式のハイブリッドZ Premierが600万円台前半から後半で掲載される例もあり、新車価格との差が出始めています。
ただし中古車価格は走行距離、装備、ボディカラー、ムーンルーフ、後席モニターなどで大きく変わるため、車両本体価格だけで判断するのは避けたいところです。
ソロの考察|新型ヴェルファイアは「豪華さ」より走りに価値がある
個人的に40系ヴェルファイアを見て最も興味深いのは、「豪華なミニバン」から一歩進み、運転する人にも選ぶ理由を作ったことです。
昔の高級ミニバンは、どうしても後席の広さやメッキの多さが評価の中心になりがちでした。
しかし新型ヴェルファイアでは、高剛性ボディや専用チューニング、2.4Lターボによって、背の高いミニバンでも運転感覚を犠牲にしない方向を目指しています。
これはアルファードとの棲み分けを考えても重要です。
「とにかく王道の高級ミニバンが欲しい」ならアルファードが分かりやすい選択ですが、「家族を快適に乗せたい。でも自分が運転して退屈なのは嫌だ」という人にはヴェルファイアが刺さります。
一方で、コスパという意味では冷静さも必要です。
600万円を超えるZ Premierでも十分に高額ですし、Executive Loungeまで上げれば一般的な高級セダンやSUVも比較対象に入ります。
だからこそ、装備表を上から順番に増やしていく選び方ではなく、「自分が必要な価値」に絞るべきだと思います。
たとえば自分で運転する機会が多いなら、私はZ Premierを中心に検討します。
逆に2列目に家族や大切な人を乗せる時間が長く、後席の快適性に予算を使いたいならExecutive Loungeの意味が出てきます。
また、燃料代を気にせず力強い走りを楽しむならターボ、日常の燃費と静粛性を重視するならハイブリッドという選び方も分かりやすいでしょう。
ヴェルファイアは高額だからこそ、「一番高い仕様」ではなく自分にとって余計な装備にお金を払わないことが、いちばん賢い買い方だと私は考えています。
まとめ|2024年の新型トヨタ・ヴェルファイアは何が進化した?
2024年の新型トヨタ・ヴェルファイアは、2023年6月21日に登場した40系を中心とするモデルで、先代からデザイン、走行性能、室内快適性、安全支援まで大幅に進化しました。
特に大きなポイントは、迫力ある外観だけではありません。
2.4Lターボの設定や専用チューニングによってアルファードとの差を明確にし、後席に乗る人だけでなく、運転する人にも魅力のある高級ミニバンへ変わったことです。
Z Premierでも装備はかなり充実しており、コスパを意識するなら有力な選択肢です。
Executive Loungeは価格こそ高いものの、リフレッシュ機能付きの専用後席や大型後席モニターなど、2列目を最優先する人には分かりやすい価値があります。
その後はPHEV追加や2026年の一部改良も行われましたが、40系ヴェルファイアの基本的な魅力は2024年型ですでに完成度の高いものになっています。
新車だけでなく中古車も視野に入れるなら、最新型との価格差と装備差を比べながら、自分が「走り」「燃費」「後席」のどこに最もお金を使いたいのかを決めることが、後悔しない選び方になるでしょう。
よくある質問
2024年の新型トヨタ・ヴェルファイアは何系ですか?
2023年6月21日に発売された40系ヴェルファイアです。2015年登場の先代から約8年ぶりにフルモデルチェンジされました。
新型ヴェルファイアとアルファードの一番大きな違いは何ですか?
ヴェルファイアはスポーティな外観と走行性能を強く意識しており、特に専用の2.4Lターボエンジンを選べる点が大きな特徴です。アルファードは王道の高級感、ヴェルファイアは力強さと運転する楽しさを重視した性格と考えると分かりやすいでしょう。
2024年型ヴェルファイアは今でも買う価値がありますか?
基本設計や2.4Lターボ、豪華な室内など40系の主要な魅力は2024年型にも備わっています。最新型にはPHEVや一部改良というメリットがありますが、中古価格との差が大きければ2023〜2024年式を選ぶのも合理的です。
ソロ(そろ)/新車・カーライフ愛好家